J-Winダイバーシティ・アワード
2026年10月06日 NEW
「2026 J-Winダイバーシティ・アワード」特集

2026 J-Winダイバーシティ・アワード(*)で企業賞を受賞された4社より、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の優れた取り組みや女性活躍推進などについてご寄稿いただきました。以下に紹介いたします。
*「J-Winダイバーシティ・アワード」の解説はこちら
「2026 J-Win ダイバーシティ・アワード」受賞企業4社の取り組み紹介
企業賞 アドバンス部門
企業賞 ベーシック部門
※企業名・肩書などはご寄稿時のものです
企業賞【アドバンス部門】大賞
アフラック生命保険株式会社
アフラック生命保険株式会社のダイバーシティ&インクルージョン、女性活躍推進の取り組みについては原稿内容が確定次第、追加掲載させていただきます。今しばらくお待ちください。
企業賞【アドバンス部門】準大賞
株式会社三菱UFJ銀行
「三菱UFJ銀行でのDEI推進に向けた取り組みについて」
株式会社三菱UFJ銀行
人事部 部長 兼 人事部ダイバーシティ推進室長 上場 庸江 様
■ DEIを持続的成長の原動力に
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、「世界が進むチカラになる。」をパーパスに掲げ、価値創造に必要な最重要資本の一つに人的資本を位置付けています。DEI(Diversity, Equity & Inclusion)をその4つの重点課題の一つとし、多様な社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境づくりをめざしてきました。2024年にはグループ・グローバル共通のDEIステートメントを制定、グループ一体運営を進めています。
2006年に銀行で「女性活躍推進室」を設置して以来、約20年にわたり、女性活躍をはじめとするDEI推進に取り組んできました。社会や事業環境の変化に対応しながら、その対象や取り組みを広げてきています。
▼図①:ダイバーシティ推進室の歴史と主な施策のタイムライン
■ 構造的なジェンダーギャップの解消に挑む
社員の約6割が女性である一方、上位職になるほど女性比率が低く、コース別雇用の影響などを背景に、男女間の賃金差異も依然として存在していることを課題として認識しています。こうした課題に対し、構造的な要因そのものの解消に向けて取り組んできました。
象徴的な取り組みの一つが、2025年4月に実施した総合職・BS職(一般職)のコース区分の廃止です。入社時の区分や属性によらず、すべての社員が「プロフェッショナル職」として活躍できる制度へ転換することで、より公平な機会の提供と適切な処遇をめざしています。
女性マネジメント比率については、事業部門と人事部が連携して進捗をモニタリングしながら推進しています。その結果、比率は着実に上昇し、2025年度末には30%となり、目標を1年前倒しで達成しました。
▼図②:女性マネジメント比率の推移
■ 本人と組織の両面から変革を促進
ジェンダーギャップの解消には、女性本人への支援に加え、組織としての働きかけや職場環境の整備が不可欠です。女性本人向けには、経営幹部候補および次世代候補層を対象とした各種プログラムを通じ、女性リーダー育成の裾野を広げています。
併せて、組織への働きかけとして、全部室店長を対象とした「ダイバーシティ・マネジメントフォーラム」を毎年開催し、経営トップから女性育成に関するコミットメントや部店長への依頼を発信するとともに、実践につながる議論の場を設け、管理職の意識改革を進めてきました。社員の意識調査を活用しながら、思い込みや認識のギャップに気づき、適切な育成や登用につなげる取り組みを強化しています。
■ 誰もが自らのライフとキャリアを実現できる未来へ
産育休からの復職支援プログラムに加え、キャリア形成とライフイベントの両立支援制度、男性の育児参画推進や「共育て」支援など、性別を問わず活躍できる環境の整備を進めてきました。
こうした継続的な取り組みの結果、女性マネジメント比率が向上するとともに、入社10年後の離職率における男女差も大きく改善しています。今後も、現場の変化をよく観察しながら適切な施策を講じ、多様な社員一人ひとりが持てる力を発揮し、新たな価値の創造につなげられる組織づくりを進めてまいります。
企業賞【ベーシック部門】大賞
NTTテクノクロス株式会社
「多様な人財がCROSSし、成長しつづける会社へ」
NTTテクノクロス株式会社
経営企画部 サステナビリティ推進部門 部門長 生宗 正幸 様
■ NTTテクノクロスが目指すD&Iと推進体制
当社は、NTTの研究所による研究成果と、国内外の先端技術をかけあわせ、社会やお客様の課題解決に貢献する企業です。社員1,966名(2026年3月末時点)のうち約8割が技術職という構成のなか、「多様な人財がCROSSしながら能力を最大限発揮し、成長しつづける会社」をD&Iビジョンに掲げ、D&Iを経営戦略の一つに据えています。2020年に人事部内にD&I推進の専担組織を設置し、女性社員のキャリア形成支援や管理職候補の育成に取り組みました。さらに2024年には、重要な経営課題として取り組みを加速するため、D&I推進を経営企画部に移管し、サステナビリティ推進部門として新設し、現在は経営企画部・総務部・人事部が連携して全社一体で取り組みを進めています。
■ 女性活躍推進について(3つのステップ)
女性活躍は女性のためだけのものではなく、企業の成長に必要な経営課題であり、その鍵は育成やアサインといった組織のアクションにあると考えています。この考えのもと、3つのステップで取り組みを進めてまいりました。第一に、全社講演会による共通認識の醸成です。講演会では、「なぜ組織の成長にダイバーシティ経営が必要なのか」という現場の率直な疑問に正面から向き合い、事後アンケートでは約9割の社員がその必要性を理解したと回答しました。第二に、経営幹部15名を対象とした社内ワークショップの実施です。自社の女性管理職比率や人材パイプラインを可視化したうえで、外部事例やアンコンシャス・バイアスを学び、幹部自らが「組織としてのアクション」を宣言しました。宣言内容は各組織の事業計画に反映し、風土や仕組みを変えるプランと女性管理職候補者の3カ年育成計画として具体化しています。そして第三に、これらと連動した全社育成施策を展開しています。
▼図①:当社のD&Iビジョンと推進テーマ
「多様な人財がCROSSしながら能力を最大限発揮し、成長しつづける会社」をビジョンに掲げ、インクルーシブな職場づくり、自律的キャリア開発、ワークインライフの充実、社会貢献の4テーマを推進しています。女性活躍推進は自律的キャリア開発に位置づけすすめています
■ 女性社員と上司、両輪の育成施策について
当社の育成施策は、女性社員と上司の育成を両輪で設計していることが特徴です。女性社員向けには社外メンタリングを実施し、悩みに応じて複数の多様な女性リーダーと対話できる形式としました。開始時は、周囲の管理職の多忙さや自身の経験不足への不安から、管理職を目指すことへの心理的ハードルが高い傾向が見られましたが、多様なリーダー像に触れることで、自分らしいキャリアの描き方への気づきが生まれています(参加者の満足度5点満点中4.4点)。一方、上司向けには女性部下マネジメント研修を実施しました。女性のキャリア形成上の課題を学んだうえで、ロールプレイを通じて具体的なコミュニケーション手法やポジティブフィードバックの方法を習得しました(参加者の86%がマネジメントに役立つと回答)。
■ 取り組みの成果と今後に向けて
これらの取り組みの結果、女性管理職比率は2017年の3.0%から2025年には9.0%へと8年で3倍に、女性社員比率は10.3%から18.8%へと1.8倍に伸びました。当社では、2030年に女性管理職比率15%、新卒採用における女性社員比率30%以上という目標を掲げています。このほか、スーパーフレックスや在宅勤務などの働く環境の整備・制度の充実に加え、アンコンシャス・バイアス研修や心のバリアフリー研修(障害がい者等の理解促進)、有志の社員によるコミュニティ活動など、多様な人材が活躍する土台づくりも進めており、プラチナくるみんやえるぼし、PRIDE指標ゴールドなどの外部評価もいただいています。今後も、組織のアクションと全社施策を連動させ、PDCAを回し続けることで、多様な人材が自分らしく能力を発揮できる会社を目指します。そして、私たちのこの歩みが、社会全体の持続的な発展にも貢献できると信じ、これからも挑戦を続けてまいります。
▼図②:女性活躍推進の目標と実績
2030年に女性管理職比率15%、新卒採用における女性社員比率30%以上を目標に、①新卒採用の女性比率向上、②女性社員の母集団拡大、③管理職比率向上の3つのステップで取り組んでいます。
企業賞【ベーシック部門】準大賞
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社
「多様性を可能性に」
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社
CHRO兼DEI推進室長 栃谷 恵里子 様
■ 多様な発想を競争力の源泉に
パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社は、「一人ひとりのより良いくらしの実現のため、持続可能なモビリティ社会を創造する」というミッションのもと、世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーを目指しています。2027年4月にはモビテラ株式会社へ社名を変更し、新たな社名のもと、ミッション・ビジョンの実現に向けた取り組みをさらに加速していきます。
自動車業界が大きな変革期を迎え、価値観やお客さまのニーズが多様化する中、変化にしなやかに適応し、新たな価値を生み出すには、多様な発想を組織の力に変えることが不可欠です。一人ひとりの違いを尊重し、その個性と能力を価値創造に活かすことは、私たちのミッション・ビジョンを体現することそのものです。だからこそ私たちは、DEIを人事施策の一つではなく、持続的な成長を支える経営基盤と位置づけています。
■経営の意思を全社の行動へ
2021年、社長直轄のDEI推進室を発足し、経営トップのコミットメントのもと、幹部から社員までが参加する活動を進めてきました。DEI推進で実現したい未来と、「素直な心」「衆知を集めた全員経営」という経営理念を結びつけ、DEIとは、挑戦する一人ひとりの個性を尊重し、公平な機会を追求し、異なる知恵を経営に生かすことだと伝えています。経営層による発信に加え、研修、社内メディア、対話型イベントなどを通じて、知識の習得にとどまらず、日々の判断や行動の変化につなげることを重視しています。
▼図1:DEI推進の歴史と主な施策

DEIを経営理念と事業価値創造をつなぐ経営基盤として整理。
■外部評価を起点に課題へ集中
J-WinのD&Iアセスメントによって自社の現在地を客観的に確認した結果、制度や業務・評価プロセスの整備に比べ、DEI推進体制、管理職のアカウンタビリティ、女性の意識改革に課題があることが明確になりました。そこで、重点施策を三つに絞りました。第一は、DEIキャラバンと各拠点の横連携による、現場課題に応じた活動の自走化です。第二は、階層別DEI研修を通じた、管理職の理解と実践力の向上です。第三は、女性管理職ネットワーク「WAVE*」の発足です。部門や職種を越えたつながり、社外交流、クロス1on1などを通じて、女性管理職の自信と視野を広げ、次の世代にも活躍の選択肢を示すことを目指しています。
*Women’s Achivement, Vision and Empowermentの略
▼図2:アセスメントから導いた3つの重点施策

制度追加よりも、運用・浸透・現場実装の強化に焦点を当てています。
■「いる」から「活かす」へ
今回の受賞は、経営トップのコミットメントと全社的な推進体制、そしてアセスメントから見えた課題を具体策へ落とし込んだ点を評価いただいたものです。一方、女性社員比率は13.4%**であり、まずは女性管理職比率をこの水準に近づけることを目指していますが、現時点ではなお差があります。取り組みを成果につなげる歩みは途上です。今後は、採用、育成、配置、登用を一体で捉え、管理職一歩手前層の早期育成と、部長層への登用を着実に進めます。多様な人材が「いる」だけでなく、一人ひとりの個性と能力が意思決定や価値創造に「活かされる」組織へ。DEIが当たり前に実践される企業文化を目指し、取り組みを継続してまいります。
**2026年4月時点
J-Winでは「J-Win D&Iアセスメント/2027 J-Winダイバーシティ・アワード」 参加企業を募集中です
「J-Win D&Iアセスメント/2027 J-Winダイバーシティ・アワード」は、
D&I推進・女性活躍推進の現在地を可視化し、自社の強みと解決すべき課題を明確にし、
次の一手に向けたヒントへと導きます。
D&I推進を加速させるきっかけとして、積極的なご応募をお待ちしております。
●応募期間 : 2026年10月8日(木)~10月29日(木)