J-Winダイバーシティ・アワード

2023年03月10日

「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」表彰式を開催しました

2023年3月10日(金)に「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」授賞発表を行い、同日に開催された「2022年度NPO法人J-Win拡大会議」にて表彰式を執り行いました。
「J-Winダイバーシティ・アワード」には、企業におけるD&Iを推進し、女性リーダーを継続的に輩出している先進企業を表彰する「企業賞」と、企業においてD&I推進と定着に顕著な貢献をした個人を表彰する「個人賞」があり、 2023 J-Winダイバーシティ・アワードを受賞した企業賞の4社と、個人賞の3名、各授賞理由及び審査委員長の講評を以下にご紹介いたします。

*企業名・肩書などは授賞当時のものです。

発表資料(ニュースリリースPDF)

企業賞

【アドバンス部門】

大賞 株式会社ベルシステム24ホールディングス
準大賞 大日本印刷株式会社

【ベーシック部門】

ベーシックアチーブメント大賞 エーザイ株式会社
ベーシックアチーブメント準大賞 三菱UFJ信託銀行株式会社

個人賞

経営者アワード 三井住友信託銀行株式会社
取締役社長
大山一也様
リーダー・アワード アフラック生命保険株式会社
顧問(元取締役専務執行役員 CDIO)
木島葉子様
リーダー・アワード 大日本印刷株式会社
代表取締役専務
宮健司様

※リーダー・アワード受賞者は、会社名50音順に表記

「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」企業賞
【アドバンス部門】大賞:株式会社ベルシステム24ホールディングス

授賞理由

「多様な社員3万人の戦力最大化によりイノベーションを創出する」という経営戦略の下、全社員を巻き込みD&Iを推進している。社員の意識にも浸透し、着実に成果を上げている。ダイバーシティ&インクルージョン基本方針を見直し、女性管理職比率に加え、女性役員比率を目標に設定している。中期計画策定メンバーの3割に女性管理職を起用するなど、新たな施策を実施し、女性リーダーの育成を図っている。今後、意思決定層へのさらなる女性登用加速が期待される。

特に評価された施策・取組は、次の通り

経営トップのコミットメントとD&I推進体制

  • 社員の9割を占める非正規社員の活躍も含め、「多様な社員3万人の戦力最大化によりイノベーションを創出する」という経営戦略の下、全社員を巻き込みD&Iを推進
  • ダイバーシティ&インクルージョン基本方針を改訂し、女性管理職比率に加え、新たに女性役員比率目標を設定

女性リーダーの育成

  • 中期経営計画策定プロジェクトメンバーの3割に女性管理職を起用
  • 課長職一歩手前、課長職対象女性選抜ビジネス基礎力研修
    (Women's Challenge Program)

管理職のアカウンタビリティ

  • 2段階の役職差をつけた上長による1on1キャリア面談(Skip Level Meeting)
  • 女性育成計画を管理職の業績目標に反映

「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」企業賞
【アドバンス部門】準大賞:大日本印刷株式会社

授賞理由

人的資本ポリシーを制定し、D&I推進を重要な経営課題と位置づけ、着実に定着させている。部門トップを委員長とするD&I推進委員会で部門別の推進施策を実行している。意思決定層の女性比率向上を重要課題とし、スポンサーシップブログラムを導入するなど女性リーダー育成のさらなる強化に取り組んでいる。今後、意思決定層へのさらなる女性登用加速が期待される。

特に評価された施策・取組は、次の通り

経営トップのコミットメントとD&I推進体制

  • 「人的資本ポリシー」を制定し、D&I推進を重要な経営課題として位置づけてD&Iを推進
  • 大日本印刷(DNP)グループ ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会
    ・D&I推進の方針や進捗、および各部門の推進活動を共有し、全社活動を推進
    ・事業部・開発部門・グループ各社の部門トップを委員長とするD&I推進委員会において部門別の推進施策を実行

女性リーダーの育成

  • 部長以上の女性管理職登用加速のため、スポンサーシッププログラム導入
  • 新任上級職向け実践型リーダーシップ研修

「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」企業賞
【ベーシック部門】ベーシックアチーブメント大賞:エーザイ株式会社

授賞理由

企業理念を実現するために、ダイバーシティに富んだ人財の獲得と活躍が不可欠であると位置づけD&Iを推進している。「DE&I推進コミッティ」で全社での取組を推進するとともに、各部門単位の「DE&Iプロジェクト」で現場の課題に即した自律的な活動を推進している。今後、女性管理職登用がさらに進むことが期待される。

特に評価された施策・取組は、次の通り

経営トップのコミットメントとD&I推進体制

  • hhc(human health care)理念」を進化させ、「hhceco企業」を実現するため、ダイバーシティに富んだ人財の獲得、リテンション、活躍が不可欠と位置づけ、D&Iを推進
  • 全社「DE&I推進コミッティ」を推進するとともに、コーポレート、R&D、生産のグローバルファンクションおよび各リージョナルファンクションに「DE&Iプロジェクト」を設置し、部門毎の活動を推進
  • 「ダイバーシティ&シナジー」を行動評価項目とし、多様性をより重視した人事評価制度を2023年度から導入予定

女性リーダーの育成

  • 自己成長とキャリア意識・意欲の醸成を目的としたE-Winプログラム(Eisai Women’s Innovative Network)の実施

組織風土・意識改革

  • 月次エンゲージメントサーベイを活用し、組織内での対話を推進

「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」企業賞
【ベーシック部門】ベーシックアチーブメント準大賞:三菱UFJ信託銀行株式会社

授賞理由

D&I推進における自社の課題が整理され、課題に対応した施策に取り組んでいる。経営トップが、「多様性がもたらす異なる価値観を受け入れ、そこで産まれる議論が新たな価値を生む」と自らの言葉でI&Dの重要性を都度社員に発信している。経営会議メンバーで構成される人財育成委員会が設置され、女性登用につき各事業部門が自主的に育成に取り組む体制ができている。今後、女性管理職の継続的な輩出が期待される。

特に評価された施策・取組は、次の通り

経営トップのコミットメント

  • 社員の多様な視点や価値観を活かし「新たな価値」を生み出すカルチャーを醸成し、
    新たな信託ビジネスを継続的に創出することが競争力の源泉と位置づけ、I&Dを推進

女性リーダーの登用・育成

  • 人事制度改訂(2020年)
    職種区分を一本化し、また等級区分を簡素化することで実力本位による登用を加速
  • 人財育成委員会(2021年~)
    ダイバーシティ推進として主に女性活躍に係る登用候補者およびその計画等の検討・審議
  • 常務役員による女性登用候補者メンタリング(2019年~)

「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」個人賞
経営者アワード:三井住友信託銀行株式会社
取締役社長 大山一也様

授賞理由

D&Iの重要性を深く理解し、自社のミッション・ビジョン・バリュー・パーパスにD&Iを組み込み、その思いを社員に熱く語っている。施策においても女性役員・部店長候補者の育成に全役員が関わるサポーター役員制度を導入するなど、経営トップとしての本気度を示し、強力なリーダーシップを発揮している。D&I推進への熱い思いと推進力に敬意を表する。

「2023 J-Win ダイバーシティ・アワード」個人賞
リーダー・アワード:アフラック生命保険株式会社
顧問(元取締役専務執行役員 CDIO※1
木島葉子様

※1CDIO:チーフ・ダイバーシティ&インクルージョン・オフィサー

授賞理由

意思決定の場における多様性の確保のため、女性ライン長の育成の仕組み作りに積極的に取り組んできた。自身が歩んできたキャリアや業務経験を伝え、女性社員の育成に直接関わるとともに、部門横断の解決すべき課題を関係役員に働きかけ、強力に推進し、成果をあげてきた。このダイバーシティ推進への熱意と推進力に敬意を表する。

「2023 J-Winダイバーシティ・アワード」個人賞
リーダー・アワード:大日本印刷株式会社
代表取締役専務 宮健司様

授賞理由

「第三の創業」に向けて、多様な人材を活かす組織・体制・制度の構築を牽引し、DNPグループのD&I推進の礎を築いてきた。スポンサーシッププログラムの導入、管理職登用プロセスの透明化、課長補佐制度など、意思決定層の女性リーダー輩出に向けて積極的に取り組んできた。その力強いリーダーシップに敬意を表する。

審査委員長講評

井上詔三氏 早稲田大学総合研究機構 招聘研究員(トランスナショナルHRM研究所)

今回のアワード応募企業のD&I推進の取り組みと実績の評価得点(中央値及び最小値)は、アドバンス部門、ベーシック部門とも昨年より高まった。応募企業の入れ替わりはあるが、全体的にD&Iが進展していることを示している。
企業審査のヒアリングは今年もリモートで行われた。それでも、経営トップのD&Iへのコミットメントの強弱と、推進担当最高責任者の熱意と課題認識の濃淡は各審査委員に十分伝わった。ファイナリスト企業は、D&Iを一歩一歩進めてきた伝統的なメーカーから、人事制度の改革を含むD&I推進のスピードアップを果たしているサービス企業まで、多様である。
その割には、推進活動に各企業のメリハリが少ないように思える。推進に戦略的アプローチを補強する必要があろう。今回ベーシック部門のファイナリスト企業の一角に非会員企業が入った(日本支社は開設後約十年、本社は米国)。そのD&I推進実績値は、日本企業(J-Win会員10年強)と比べると、はるかに優れている。黒船来たれり! 会員企業でのD&I推進の革新とスピードアップが 必須である。

本年度企業賞には「アドバンス部門」に13社、「ベーシック部門」に24社、合計で37社からの応募があり、D&I推進の実績と取り組み状況が進んでいることが伺える企業8社をファイナリストとして選出し、その中から本年度授賞企業を決定しました。
なお、企業賞における第一次審査の結果、D&I推進の実績と取り組み状況が進んでいることが伺え、先行企業として模範となる企業(ファイナリスト)は、以下の通りです。
(企業名 50音順)

●2023 J-Win ダイバーシティ・アワード ファイナリスト企業
【アドバンス部門】
  • 大日本印刷株式会社
  • 株式会社ベルシステム24ホールディングス
  • 三井住友信託銀行株式会社
  • 株式会社りそなホールディングス
【ベーシック部門】
  • エーザイ株式会社
  • ギリアド・サイエンシズ株式会社
  • 古河電気工業株式会社
  • 三菱UFJ信託銀行株式会社