企業責任者会議

開催日:2025年12月03日

第9回 企業責任者会議を開催しました

2025年12月3日(水)第9回 企業責任者会議を会場(東京六本木 国際文化会館)とオンラインのハイブリッド形式にて開催しました。

冒頭、J-Win横尾理事長が「米国での反D&Iの動きから始まった2025年だったが、日本企業にとっては改めてD&Iの意義を見直す機会となった」と1年を振り返りました。
今回は、企業責任者であり、サッポロホールディングス グループ執行役員の内山 夕香 様よりお取組を共有いただきました。トップの影響力の大きさ、また経営層とともに進めることの有効性を数値で示してご紹介いただきました。
ほかにD&I推進者有志による事例研究会メンバーからは、3つのテーマについて、共有した事例、新たな気づきについて報告しました。最後は企業責任者同士のグループ情報交換。「意思決定層の多様化に向けて」と題し、特に候補者リストの作成と活用を取り上げました。
J-Winからは2026年度のプログラム募集についてお伝えしました。

■ アジェンダ
  1. J-Win理事長あいさつ
  2. 2026年度 J-Win活動プログラムの概要と募集
  3. J-Win D&I推進者「事例研究会」活動報告
  4. 企業責任者 お取組紹介
  5. 情報交換「意思決定層の多様化に向けて~候補者リストの作成と育成の現状と課題~」
  6. クロージング
■ J-Win横尾理事長あいさつ・2025年の振り返り

J-Win横尾理事長より、「米国での反D&Iの動きから始まった2025年だったが、日本企業にとっては改めて経営戦略としてのD&Iの意義を見つめ直すこととなり、結果的におしなべて取組をストップさせないという選択肢に落ち着いたよう」と1年を振り返りました。
また、Next Stage ネットワークのプログラム改変、CEATECや「理想の管理職EXPO」などへの参加による社会一般への発信など、J-Winの取組についてもお伝えしました。

■ D&I推進者 事例研究会 活動報告

事例研究会は有志が参加する活動で、D&I推進者から募ったテーマについて各社の施策事例を徹底的なQAで共有し、自社の課題解消へのヒントをつかもうというものです。3つの研究会メンバーより特徴的な取組事例を紹介するとともに、企業責任者の皆様への提言を行いました。また、事例研究会のテーマについて詳細な内容がまとめられた「成果物」が配布されました。

<活動報告をされた事例研究会メンバーの皆様>
●「育休を支える職場体制の取組」

  株式会社西武ホールディングス 椙山 香織 様
  三井情報株式会社 工藤 奈央子 様
企業責任者コメント:職場へのインセンティブについて導入している企業、導入したものの発展的解消として取りやめた企業の事例、考察が非常に参考になった。

●「アンコンシャ・バイアスへの気づき、解消に向けた取組」

  AKKODiSコンサルティング株式会社 堤 文子 様
企業責任者コメント:バイアスがかかる場面を自覚することが必要ということに共感した。

●「管理職になりたくないに対する取組」

  東日本旅客鉄道株式会社 堀元 由梨 様
企業責任者コメント:管理職に対するイメージ、こうあるべきという固定概念など社内でも日々感じていることでもあり、参考になった。

■ 企業責任者 お取組紹介
サッポロホールディングス グループ執行役員 内山 夕香 様

会社設立150年を迎え、次の時代に向けての人材戦略におけるDE&Iの意義、2010年を元年として15年にわたり継続してきたダイバーシティ推進の様々な施策についてお話しいただきました。
その中で、トップの影響力の大きさ、経営層とともに進めることの有効性を数値で示して下さり、女性外食営業職の働く環境における課題への取組など新たなチャレンジもご紹介くださいました。
更にはご自身のJ-Winメンバーとしての体験、男性ネットワーク派遣メンバーによる企画にも触れるなど多方面からの取組を共有いただきました。

■ グループ情報交換

最後は6つのグループに分かれての情報交換。「意思決定層の多様化に向けて」と題し、特に候補者リストの作成と活用を取り上げました。

<リストの作成と活用例>
  • 部門長候補者をリストアップ。年に2回役員と育成、次の異動について話し合う。
  • 部長、課長候補者リストを作成。定期異動時に利用。役員層は経営層研修の参加候補者としてリスト化。
  • 部長相当職層から主要ポストを設定し、比較的若い世代から人事が全社をコントロールし育成。部門での抱え込みを防ぐ。
  • 各部の組織長候補者をリスト化。毎年、人事から進捗状況をヒアリング、選抜育成を行う。
  • 役員層、部長相当職候補者をリスト化して選抜研修を実施。入替もある。
  • 特定の部門で候補者リスト(次、次の次の代)を作成。女性を必ず入れるよう指導。
  • 課長職、部長層への1~2年先、3~5年先の候補者リストを作成。年に1度部門長が集まりレビュー。女性の場合はリスト記載者について全て状況共有。他部門の役員とのメンタリング、プロジェクト参加により多くの役員が評価できるよう工夫。

J-Winからは2026年度のプログラム募集についてお伝えしました。いよいよ2025年度の締めくくりと、2026年度への準備が始まります。