Executiveネットワーク

開催日:2025年10月23日

2025年度 J-Win Executive ネットワーク 10月度定例会を開催しました

2025年10月23日(木)、J-Win Executive ネットワーク 10月度定例会を、紀尾井フォーラムとオンラインのハイブリッド形式にて、会場33名、オンライン23名が参加して開催しました。

■アジェンダ
  1. 活動報告
  2. ご講演
    GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社 執行役員 奥野 史一様
  3. Q&A

今回は、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社において150名以上のホワイトハッカーを擁する奥野 史一様に、「究極のサイバーセキュリティを目指して」~サイバーセキュリティは人を幸せにするのか~と題して、社会インフラや防衛・安全保障の観点におけるサイバーセキュリティについてや、ホワイトハッカーとなる人材の特性やその活用可能性についてご講演いただきました。

■ご講演
「究極のサイバーセキュリティを目指して」
~サイバーセキュリティは人を幸せにするのか~
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社 執行役員 奥野 史一様

ニュースでもたびたび報じられるサイバー攻撃。この高度情報化社会において、「ホワイトハッカー」という職業が何をしており、私たちの生活にどう影響を与えているのか、というテーマから講演はスタートしました。
奥野様からは、「この世の中から戦争の犠牲者をゼロにすることを本気で目指している。そのためにサイバーセキュリティやAIで何ができるか」という、講演の根幹となる問いが投げかけられました。


その問いに対する現実的なステップとして、すぐのゼロ達成は難しいとしながらも、以下の目標が示されました。
最後には、日本の進むべき針路として
・サイバー上の被害が出てもまずは「社会や事業を止めない」こと:ゼロ停止
・次にAIやオートメーションの仕組みで人間の「対応をゼロ」に:ゼロ対応
・最終的に人的な「犠牲者ゼロ」に:ゼロ犠牲者
このように、サイバーセキュリティが社会や人類への貢献度を高めるための構想へと、話題は大きく広がっていきました。

さらに、世界最高峰のセキュリティコンテスト「DEF CON(デフコン)」で3年連続世界No.1になっているイエラエ流ホワイトハッカーの人材育成法や、他国と連携した国際的なサイバー演習の取り組み事例にも触れていただき、専門家ならではの示唆に富むご講演となりました。

講演後のQ&Aでは、メンバーからの「サイバーセキュリティへの問題意識をもたない社内の人々に、どうすれば危機感を伝えられるか」「企業としてどうすればサイバー攻撃されないのか」など、実務に即した質問が寄せられ、奥野様より丁寧にご回答いただきました。危機管理について備えるべき最新の考え方など、学びの多い講演会となりました。

■参加者の声(アンケートより抜粋)
  • サイバーセキュリティは「脅威への受動的対処」ではなく「社会・事業継続と平和実装のための能動的ツール」と捉えなおす視点を与えて頂いた。
  • 普段、知りたくても知ることのできないサイバーセキュリティのお話は大変興味深かった。国防のあり方についても、防衛費が年々増加する必要性についても理由がわかった。
  • 「サイバーセキュリティがいらない世界を目指す」という発想に、逆転の視点の大切さを感じ、「人間が審判」という部分に、人間の役割の本質があると気づかされた。
  • 「サイバーセキュリティで戦争犠牲者をゼロに」「礼法で平和を作る」という、このようなビジョナリーな方の話を実際に伺うことができて大いに刺激をいただいた。
  • サイバー攻撃が高度化する状況下、セキュリティ強化は企業にとっても経営課題。守りと攻めを自律的に行うためには、ホワイトハッカーの育成、確保が必須だが、国や企業の連携なくして解決は難しいと思った。