Executiveネットワーク
開催日:2025年07月24日
2025年度 J-Win Executive ネットワーク 7月度定例会を開催しました

7月24日(木)、J-Win Executive ネットワーク(JEN) 7月度定例会を紀尾井フォーラムとオンラインのハイブリッド形式で開催しました。会場36名、オンライン16名を含む50名を超す参加者となりました。
■アジェンダ
- 活動報告
- 講演会
元外務事務次官 大阪大学特任教授 グローバル寺子屋 薮中塾主宰 薮中三十二様
当日は各委員会担当幹事からの活動報告の後、薮中様より「トランプ政権下・漂流する世界と日本」と題してご講演いただきました。
■ご講演
「トランプ政権下・漂流する世界と日本」
大阪大学特任教授 グローバル寺子屋 薮中塾主宰 薮中 三十二 様
折しも トランプ関税に対する日本政府の交渉がまとまったとのホットなニュースもあり、定例会2回目のご登場となる薮中先生のお話にメンバーの期待はいやが応にも膨らみました。
ご講演では、戦後80年にわたる世界情勢の変遷を概観され、①国際協調 ②国連、国際法順守 ③自由貿易体制という原則は、アメリカ主導で再構築されたと述べられました。
つぎに、現在「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ政策に対して、対中、対EU、対日本政策について、WTO体制を無視した関税政策をはじめとして、安保の考え方やそのベースにある各首脳との関係性についてもご披露いただきました。
最後には、日本の進むべき針路として
① 抑止力としての日米同盟強化
② 日本や東アジアを守る視点での一定の防衛力の強化
③ 東アジアの平和のための外交努力
を挙げられ、米中のはざまで右往左往するのではなく、東アジアの平和を守るリーダーとしての日本の在り方を提言されました。
ご講演後の質疑では、
- 正しく伝えるために、我々は何をすべきか
- 交渉の場面で頭の中でいくつぐらいのオプションを準備されているのか
- 参院選の結果を見ても、保守化する日本。それに対してどう思われるか
- 日本は世界からどう見られているのか
JENの重点テーマである『「グローバル環境下における日本が解決すべき課題」を深掘りし、「最新の知見と情報」を学ぶ』にまさにぴったりの、実りの多い講演会となりました。
■参加者の声(アンケートより抜粋)
- 現在起きているグローバルの状況を踏まえて、さまざまな事象(点)が歴史的な背景や当時の交渉状況をお話しいただき、線・あるいは面となって非常に理解が深まりました。また、自分自身のバブルのころからの業務の背景(貿易摩擦による国際調達等)を思い起こしながら、お話を伺うことができました。
- トランプ政権の考え方について理解を深めることができた非常にタイムリーなお話でした。また、ご自身が外交官として活躍されてきた実体験は各国との関係性を考慮したうえで実際にどのような対話が行われたのかをここでしか聞けない話としてお伺いすることができて、大変興味深かったです。そして、質疑応答で伺った交渉術(意見を述べる順番など)は私自身も今後国際会議で参考にできることであり、大変有難いアドバイスとなりました。
- 外交とはどうあるべきか、交渉で重要なことは何か、昨今の政治の行方など、最前線での外交経験に裏打ちされたお話をお聞かせいただき、世の中の動きの本質を知ることができとてもよかったです。それと同時に、表面的な情報で振り回されやすい環境になっていることも理解したうえで自分の行動を考えていかなければならにと気づかせていただきました。