男性ネットワーク
開催日:2025年06月13日
2025年度 第2回 男性ネットワーク定例会を開催しました

2025年6月13日(金)、2025年度第2回男性ネットワーク(男性NW)定例会を会場(エッサム神田ホール2号館)とオンライン(ZOOM)にて開催しました。
今回はD&I推進者会議との合同開催で、上智大学 出口真紀子先生による「マジョリティの特権を可視化する」と題したご講演を聴講しました。
誰もがマジョリティ(抑圧する側)にも、マイノリティ(抑圧される側)にもなりえる。そして、「マジョリティ側にいると特権が見えにくい」が、「現状を変えようというマジョリティ側の行動や声は受け入れられやすい」など多くの身近な事例を基に、学びました。講演後はD&I推進者とともに講演からの気づき、D&I推進の阻害要因について語り合いました。
【アジェンダ】
- ご講演 出口真紀子先生 「マジョリティの特権を可視化する」
- D&I推進者を交えたグループディスカッション
出口真紀子先生ご講演 「マジョリティの特権を可視化する」
ご講演の中では特権を「マジョリティ側の社会集団に属していることで、労をなくし得ていることの優位性」と、また、マジョリティを数のことではなく「より権力にアクセスしやすい立場にいる人々」、マイノリティを「より権力からアクセスが遠い人々」と定義されています。
そして、マジョリティにとっては目的地に進もうとするとき自動ドアがサーっと開き、ドアがあることさえ忘れるような状況が、マイノリティには障壁となっている。これは「本人のやる気がない」「努力が足りない」「そもそも能力がない」と個人の資質の問題に原因を求めがちだが、構造的な課題であり、マジョリティには見えにくいことなどを、様々な研究結果や身近な例を用いてご説明くださいました。
最後に、マイノリティが怒りや是正の声を挙げても、マジョリティには伝わりにくいことが、マジョリティが同じことを言うと通りやすい。特権があることで、どれだけ社会が変わりやすい立場であるかを理解し、せっかく持つマジョリティ特権を行使し、社会を変えるために牽引していってほしいとのメッセージで締めくくられました。
グループ意見交換
ご講演後はD&I推進者を交えて、ご講演を通しての気づき、D&I推進を阻害しているもの、自分がこれから行っていきたいアクションについて意見交換を行いました。
参加メンバーからのコメント例
- マジョリティに特権が存在する、マジョリティには意識できないマイノリティに対する差別がある、という意識はいままで全くなく聴講するなかでハッとさせられた。DE&Iの取り組みにおいて、それを進めることの意義や経済的要因は理解している一方で、それを阻害する「特権」および「差別」に意識が全く向いていなかったことを思い知らされた
- 自分がド・マジョリティであり、自分の特権を全然把握していなかったことに気付かされました。
- 公私を問わず、日常的な部分で自分自身が男性であるということで特権を得ているということを認識するとともに普段から更に気を付け、意識しなければいけないことが多々あることに気付かされた。「自動ドア」の例えは非常にわかりやすく、今後の自身の行動・発言では常に意識していこうと思った。
- 大変わかりやすいご説明だった。自分自身では理解しているつもりでいたものの、あらためて特権を持っている人間であることを把握してみると、本当に正しい行動だったのかということを自問自答する機会となった。
- 自動ドアを例えにした特権の考え方は非常に分かりやすかった 身の回りにある、普段意識はできていないが確かにある特権を言語化することで、マジョリティ側の当事者意識を高めることができるのではと感じた。