男性ネットワーク
開催日:2025年03月14日
2024年度 第11回 男性ネットワーク定例会を開催しました

2025年3月14日(金)、第11回男性ネットワーク(男性NW)定例会を2024年度男性ネットワークの活動の最終報告会として会場(ビジョンセンター市ヶ谷)とオンライン(ZOOM)にて開催しました。
1年間ともに活動した男性NWメンバーのほか、J-Win Executiveネットワーク(JEN)メンバー、会員企業の企業責任者、D&I推進者、来年度参加検討中の男性管理職、OBなど150名以上の参加を得て、7つのテーマ、9つの分科会の活動報告を行いました。
104名が参加した今年度。当初、D&I推進の必要性の腹落ちどころか他人ごととしかとらえられなかったメンバーが活動を通し、ニュースにアンテナが立ち、様々な調査や著作物に触れ、社内外にアンケート、ヒアリングを行い、それぞれの気づきを得ました。
発表後はJENの皆さま、横尾理事長より今後の活躍への激励と期待を交えた講評を受け、チェンジエージェントとしてのスタートラインに立ちました。
■アジェンダ
- 本日のゴールと進め方
- 分科会活動報告 (各分科会15分)
- 講評
- J-Winからのお知らせ
■ 7つのテーマ、9つの分科会活動
■分科会活動報告
テーマ1:理解浸透 (11社、12名)
- なぜD&Iの意義について腹落ちできないのか? それは「D&I推進の先にある『ありたい未来像』や『到達プロプセスがイメージ』が出来ていないからではないか」。だったら「成功していそうな企業・業界を調査してみれば良い」と考えたが、都合の良い、お手本のような「解」は転がっていなかった。
転機は「各社のD&I活動担当者へのヒアリング」そして「自分のことばで同僚に語る」など行動だった。行動することで理解が深化し、自分事化につながった。
テーマ2:管理職(11社、12名)
- 女性活躍推進のために、私たちは何を始めたら良いのか? ~管理職からひも解く、推進の実態とアクションプラン~
自社の推進状況は直感的な認識とは異なっていた。必ず他者の意見や、アンケート、データ等と照らし合わせて客観的に把握すべし。登用前後の女性の管理職への考え方「非管理職が管理職昇進にネガティブ」だったのに対し、「管理職の女性は管理職になって良かった」との意見が多数だったのは認識とギャップあり。
私たち管理職は「評価にアンコンを持ち込まない」「アサイン配慮・管理職登用意欲は、聴いてみないとわからない!を強く意識する、勝手に想像しない!」
テーマ3-1:D&I推進を阻む要因(9社、11名)
- 阻害要因を明確にすることで、対応する打ち手をメンバーが各社で実行しようと活動。
まずは、バイアスの項目から阻害要因を「仕事」「家庭」「社会」というカテゴリからピックアップしてみると、多いのが「仕事」!という意外な結果。メンバー各々が阻害要因を特定し、「存在承認」「現場教育」「人材教育」という3つの観点から自身の職場で実施する打ち手にたどりついた。
テーマ 3-2:D&I推進を阻む要因(12社、13名)
- 自らを「各目線阻害要因探求チーム」と命名。前提条件に「女性活躍」を「女性管理職登用による組織活性化」と据え、性別、役職、年代、業種など各属性による「昇進意欲」「自信」「ワークライフバランス」「上司からの働きかけ」などに関する12社913名にアンケート!その結果女性は「男性に比べ自信がない」「障害が取り除かれたら昇進を目指したい」しかし、「それに男性は気づいていない」。そして、管理職となった女性は「非管理職に比べ時間的制約を課題に思っていない」「上司の存在・励ましが後押しになった」。これらより男性管理職への提言を「女性に自信を持たせられていない事に気づこう!」「今までとは異なる行動を起こそう!」「私たちの働き方を変えていこう!」とまとめた。
テーマ 4 : 職場環境(8社、8名)
- 「女性の多い職場での仕組みや雰囲気」を学び、と「ベストプラクティスを応用すべく、効果が期待できる施策を一部でも導入することを自社で働きかけることをゴールとした。職場環境、特に「与える役割や評価、キャリア形成のサポート」に焦点を絞り、自社(201名)及び「女性の多い職場」の代表として資生堂様へのヒアリングを実施した。分科会からのお勧め施策として「時間外労働、長時間労働を良しとする風土の改革」「出産、育児により一時的に職場を離れることも盛り込んだ上でのキャリア形成」「女性管理職を対象とした家事代行支援制度」「男性の育休取得の促進、育休期間中における夫婦間の役割分担の明確化」などを紹介。
テーマ5-A:働き方・仕組み(ワークライフバランス) (7社、9名)
- 管理職のワークライフバランスを向上されられれば、「女性活躍」の場も増える!
管理職の働き方改革は遅れがちであることから、管理職にとってのワークライフバランスの向上をテーマとして設定。プライベートを重視したいという本音はあるものの、管理職ほど、残業時間が増加。トラブル解決やハラスメントなど、コンフリクトが生じやすく心理的負担が、マネジメント業務に上乗せされ業務量負担をより強く感じているという現実。対応の好事例として「サブリーダーの設置」「データの可視化、KPIの設定による制度の利用のしやすさ向上」について報告した。
テーマ5-B : 働き方・仕組み(家事育児負担を男女平等にすることで、女性の両立を可能に)(8社、8名)
- めざしたのは「男女の育児休暇取得率を平準化」または「お互いのキャリア自律できる方策を提示する」こと。制度自体は充実が進んでいるものの「まだまだ日本男性は昭和世代の価値観を踏襲しているのではないか?」「そのマインドセットを変革するためには…」「家事育児を分担するには“原資”である時間が必要」そこで、やってみました“ガチ定時”。取り組んでみて…「パートナーとのコミュニケーションを行い分担して協働すると家庭内幸福度が向上する傾向が見られた」「一方で仕事を言い訳 とした男性側のコミュニケーションの量と質の不足も露呈」そして、「まずはやってみること!」
テーマ7 : 効果(D&I,特に女性活躍推進がもたらす「効果」の明確化)( 10社、11名)
- タートはチェンジエージェントとしてモヤモヤしている人も多い社内で賛同を受け各所属組織内で推進し、成果をあげていくため「なぜこの活動をすべきなのか? 期待効果を的確に語れるようになりたい」との思い。「経営目線(インタビュー)」と「現場目線(11社303名にアンケート)」の双方から効果と課題を検証した。経営視点では「議論活性化」などの効果があり、現場調査からは男女構成比が半々に近いチームが組織運営上最も高いスコアとなった。
そして、導き出された効果は「D&I推進できている現場は『公平感』があり『働きやすい』」「優秀人材の確保&成長促進により業績アップに繋がっていく」
テーマ8:「風土・文化」分科会(9社、13名)
- 2022年度の分科会のテーマ「国内外ベンチマーク」をベースに国地域別に「性別役割意識」「国民性・歴史的背景」「世代間」「制度教育」「働き方」などのカテゴリについてアンケート&インタビューを行い、結果をAIで分析した。
現在、日本でも共働きが増え、男性の家事・育児参加が増加し、キャリアを意識する女性も増加。特にZ世代以降ではジェンダー平等意識が高まっているが、古い固定概念もまだ根強く残っており、特にX世代以前の世代では個々の意識改革が必要。そして、チームとしては①自己意識への働きかけ、②他者意識への働きかけ、③組織や所属している部署への働きかけを具体的な例で示し、行動指針とした。
※テーマ6は活動途中で他のテーマと統合されました
■参加者の活動後の気づき
【D&Iは経営課題】
- 経営層ほど、D&Iの推進は経営課題だと捉えている
- DE&I推進は世間の潮流やムーブメントではなく企業の生き残りをかけた経営戦略
- アメリカなどでは反D&Iの風潮があるが、このネットワークに参画した身からするとD&Iを否定する理由はなく、自信を持って企業の成長戦略と言える
【管理職がカギ】
- D&I推進の上で、各職場の管理職が与えている影響が大きい
- 会社全体でのキャリアパスを考える土壌や社内制度見直しへのアプローチが必要であり、管理職である自らが積極的に行動していかなれば変わらない
【知識では変わらない、自ら行動を起こすことが大切】
- DE&Iの意義を理解するためには、「頭で理解してから行動」と思っていたが、「自分で考える、他人に話す、動いてみる」ことだった
- 人事関係者との対話を通じ、自社の状況について知り、自分で考え、自分の言葉で発信していく中で、理解促進、自分事化が進み、腹落ち度が増した
- 少しの勇気を持って自分自身が行動を起こすと、社会を変えるきっかけになれるかもしれない
【女性にとっての昇進・・・意欲・昇進前後の意識】
- 阻害要因を取り除いた場合、管理者への昇進意欲は男女差がないということを学んだ
- 女性は昇進意欲があるにも関わらず、自信がないことに男性が気づいていない
【自社の取組・状況を知った】
- 遅れていると思っていた自社の現状について多くの取組を進めていることを認識した
- 自社の研修、取組をはじめて知ることとなった