Next Stageネットワーク

開催日:2025年01月30日

J-Win Next Stageネットワーク 第7回定例会を開催しました

1月30日(木)にJ-Win Next Stageネットワーク第7回定例会をオンラインで開催し、97名が参加しました。

■ アジェンダ
  1. オープニング
  2. 松本博子様のご講演
  3. グループディスカッション
  4. 質疑応答
  5. 振り返り

今回は女子美術大学 副学長/芸術学部 共創デザイン学科 学科長 松本博子様をお迎えし、『新しい価値を創造するための共創力と独創力』をテーマにご講演いただきました。 企業時代や大学での多岐に渡るご経験を通じ、デザイン視点からの共創やイノベーションについて多くの示唆をいただきました。

■ご講演

『新しい価値を創造するための共創力と独創力』
女子美術大学 副学長/芸術学部 共創デザイン学科 学科長 松本博子 様

現在勤務されている教育現場では、共創型リーダーシップを学生に身につけてもらうため、共創教育とライフマネジメント教育を取り入れ、その知識をもとに産官学提携による実学を実施していらっしゃいます。
一人ではなく、沢山の人の力を持ち合わせることで多様な価値観でモノを作ることを目指しており、大学生は単に学内で学ぶだけでなく、ビジネスコンテストなどへの積極的参加や企業とのコラボなどを通して多くの価値観を取り込み、イノベーション意識を高めることにもつながる教育を行っているとの事です。
また、家電メーカーにお勤めされていた際の経験談として、家電製品の開発をする際、主婦の考えを理解してもらおうと、家事をする頻度が高くない男性に「ご飯を炊く」ことを体験してもらい、ユーザー目線のデザインに共感してもらった上でデザインを変更。
その他、痛い・怖いといったイメージの強い乳がん検査を少しでも前向きになるよう、色やデザインで、被検査者に寄り添った健診カーの開発など、価値観の違う人をどのように巻き込みイベーションを起こすかのヒントにも繋がったと思います。
質疑応答では、デザイン性と経済性の関係について、デザイン性は数字では表せないけれども、顧客ロイヤルティを高める上では必要なものであるため、感性に訴えて共感してもらうことが大事であり、そのためにはちょっとずつでも理解してもらえるような努力が大事だと教えていただきました。 イノベーションにはアイディアを出し、それを複数人で共感し、さらなるアイディアを出し合い共創することが重要であることを、松本先生の実例を含めた分かりやすい説明により、参加者の学びも深められたのではないでしょうか。早速教えていただいた手法を活用し、共感を得るためのアプローチへ一歩踏み出す定例会となりました。

■参加者の声(アンケートより抜粋)
  • 女子美大で実践されていることは素晴らしいと思うし、共創によるイノベーションの実践といえると思います。そこが際立つと思考を形作る哲学や思想を学ぶことの必要性に思いをはせました。インプットの学習、アウトプットの学習の両方が必要かと思いました。
  • ユーザーが求めているものにあわせること、人を巻き込む(関係者をその気にさせる)などを具体的な事例としてお話しいただいたことで、自分の業務で置き換えて考えることができました。
  • 共創の為には同じ目的に立ったコミュニケーションが必要だが、相手がコミュニケーションできる状況にない場合も多い。相手に興味をもってもらう、同じ目線に立ってもらう為の仕掛け、働きかけ方やその重要性に気づけた。
  • 相手に聞く耳を持ってもらう、関係者をその気にさせる、共感を促す(そのための準備をする)というのは腹落ちした。権限で仕事をすることが難しい中間管理職だからこそ必要なことだと思った。
  • 「デザイン」と自分の仕事はかけ離れていると当初思っていたが、組織の作り方、周囲との関わり方は自分にも関係があることと気づいた。解決の仕方はひとつではなく、周囲とのコミュニケーションで新しい考え方を柔軟に取り入れることが重要と感じた。