男性ネットワーク

開催日:2022年07月29日

「2022年度 第4回男性ネットワーク定例会」を開催しました

第4回男性ネットワーク定例会

2022年7月29日(金)、J-Win 第4回男性ネットワーク定例会をオンラインにて開催し、60名の方にご参加いただきました。
今回の定例会では J-Win 男性ネットワークのOBであり、有限責任監査法人トーマツ パートナーの栗原健輔氏より 「アンコンシャスバイアスとオールド・ボーイズ・ネットワークについて」のお話をいただきました。

男性ネットワークOB
有限責任監査法人トーマツ パートナー 栗原健輔氏
講話「アンコンシャスバイアスとオールド・ボーイズ・ネットワークについて」

有限責任監査法人トーマツ パートナー 栗原健輔氏2019年度にJ-Win男性ネットワーク活動に参加する前は、女性活躍が推進されないのは制度や運用のせいではないかと考えていました。
しかし、男性ネットワークの分科会活動で考察していくと、制度はある程度充実しているのに施策は実際には推進されていないとわかりました。
アンケート結果を分析し、長時間労働、昇格に対する男女の意識差、アンコンシャスバイアス、オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)がそれを阻んでいるということを理解しました。
中でも、OBNは男性が主導して解決すべき課題であると腹落ちし、男性ネットワークのメンバーたちと、日本におけるOBNの認知度を高め、意識改革を図る活動を始めることにしました。

2年目となる男性ネットワーク活動では、社内外でOBNについて発信することに努めました。開催した合同イベントには、分科会メンバー所属企業5社から約400名が参加し、OBNの解説や、J-Win Executiveネットワークのメンバーによる基調講演などを行いました。

3年目の現在は、「デトロイトトーマツ男性ネットワーク活動」という社内ワーキンググループを立ち上げて毎月活動しています。男性の意識改革を促進し、デトロイトグループのDEI(Diversity, Equity & Inclusion)を加速させることを目標に、勉強会や活動報告、ディスカッションなど行っています。同時に、新聞などメディアを通じて、社会全体がOBNについて理解し浸透するように図っています。

アンコンシャスバイアスについて

アンコンシャスバイアスは、脳が大量の情報を高速に処理し行動するためのものであり、誰もが持っているものです。無意識下のものなので、意識的に変えていかないと、変わることはありません。

私はJ-Winでダイバーシティ推進が経営に効果があることを学びました。統計上、女性が役員に多く登用されている企業の方が、そうでない企業よりもパフォーマンスがよいという結果が出ています。以前は、「みんな一緒」ということが強みであったかもしれません。でも今は、「違いが価値を生む」時代に変化しています。
それでも男性はアンコンシャスバイアスにより、「無意識に」「悪意なく」女性のモチベーションを下げる言動を続けています。男性はそのことに「気づき」、「自分ごと」として変えていく必要があります。

男性がダイバーシティ推進に取り組む理由

マジョリティである男性にメリットがある現状において、中立でいることでは格差は再生産され続けます。格差を是正するには、意識してマイノリティ側に寄り添うことが必要です。

私は二人の娘を共働きの妻と育てています。自分の妻、娘の将来のキャリアを考え、ダイバーシティ推進に向け自分にできることはないか、と「自分ごと」化することができました。
それが私の行動変革につながり、現在行っている社内外での活動を通じて、変化の連鎖が起きている手ごたえを感じています。

 

OBとして活動を続けている栗原氏によるご自身の経験を踏まえたお話は、男性ネットワークメンバーの皆さんにとって非常に共感できる、参考になる内容でした。
講演後のグループディスカッションでは、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」を理解するために、自分自身の経験や、OBNかもしれないと思う自分自身の行動を共有し、企業経営、組織マネジメントに与える影響について考えてみました。
ディスカッションでは多くのメンバーから「私はこれまで…」と、自身の行動を振り返っての発言が披露され、それを共有することで、それぞれが気づきを得ることができました。

栗原氏の講話、その後のグループディスカッションを通じて、メンバーそれぞれが、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」「アンコンシャスバイアス」を理解し、企業経営・組織マネジメントへの影響を理解することができた今回の定例会となりました。