D&I推進者会議
開催日:2024年02月16日
「2023年度 第6回ダイバーシティ推進責任者会議」を開催しました
2024年2月16日(金)、2023年度 第6回ダイバーシティ推進責任者会議を会場(国際文化会館)とオンラインにて開催しました。
今年度の最後となったダイバーシティ推進責任者会議は、講師に株式会社ZENTech代表取締役 石井遼介様をお招きし、「心理的安全性のつくりかた ~多様性が活かせる組織~」と題し、ご講演いただきました。
石井様のインタラクティブなご講演、心理的安全性が120%保証されているような雰囲気の中で、活発な意見交換も可能となり、参加者からはご講演手法や参加者同士の情報からも得るものが多く大変役立つ会となったとのコメントをいただきました。
日時:2024年2月16日(金)14:30-16:30
開催方法:会場(国際文化会館)& オンライン(ZOOM)
アジェンダ
- はじめに 本日のゴール
- ご講演 石井 遼介 様
講演テーマ「心理的安全性のつくりかた ~多様性を活かす組織~」
<目次>- 心理的安全性とは
- 大方針:非安全性を避け、4因子へ
- 心理的安全性のはじめかた
Q&A
- グループ情報交換
ご講演を伺っての気づき、自社の取組、更に質問したいこと - ディスカッション内容の共有・質問
「心理的安全性のつくり方~多様性を活かす組織~」
株式会社ZENTech 代表取締役
一般社団法人日本認知科学研究所理事
事慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科研究員 石井 遼介 様
ご講演はテーマに相応しく、会場での参加者同士の会話、オンラインのチャットを使ったアイスブレークにより「心理的安全」を実感できる雰囲気の中で開始されました。
「心理的安全性とは何か」「心理的安全性を作る大方針として“非安全”を避けて四つの因子へ」「心理的安全性のはじめかた」というアジェンダに従い、具体例を用い、非常にわかりやすくお話しいただきました。
「心理的安全性」は何でもニコニコしながらいいねという組織のイメージを持たれがちだが、むしろ反対意見であってもお互い攻撃的にならずにテーブルの上に置いて話し合うことができる「健全な衝突」のできる組織であること。ダイバーシティ・多様性そのものは採用や配置で作れたとしても、うまく活かし、組織の成長、未来のパフォーマンスにつなげるには心理的安全性が土台になっているということからお話しいただき、参加者のD&Iと心理的安全性の関係の理解を進めました。また、「イノベーションの創出」「コンプライアンス」という二つの文脈や歴史的、学術的背景のご説明からもその必要性の腹落ちを促しました。
更に、具体的に「心理的安全」とはどういう状態なのかについて罰や不安がはびこる「非安全」の観点から参加者自身の体験を共有する非常に身近に考える機会を提供いただきました。「非安全」を避けるだけでなく、組織を成長を促す行動を増やす「話助挑新」(話しやすさ、助け合い、挑戦、新奇歓迎)の四因子について事例を交えてお話しいただきました。
最後に「心理的安全性のはじめかた」として、①立場・ヒエラルキーを知る ②取組む目的/理由を明確にする ③チーム内に仲間をつくる ④相談・報告を「役立つ」ものに ⑤理由をつけて感謝を伝える ⑥あなたならではのアクションを という項目で整理いただきました。「自分がいざ進めようとした時に壁となる、困ること」についての参加者の実践的な質問にも丁寧にご回答いただきました。
石井様からのインタラクティブなご講演、そして参加者同士の情報交換により、学びの多い会議となりました。
●参加者コメント(アンケートより抜粋)
- ダイバーシティの実現と心理的安全性の関係について理解した
- リーダー、マネージャーとしての行動のカギを学んだ
- 「健全な衝突」「議論をテーブルの上にフラットに置く」必要性
- 社内展開、発信、社内研修等を行う上でのヒント
- 「イノベーションの創出」 と「コンプライアンス」という2つの文脈での心理的安全性の重要性
- 心理的安全性を促す「話助挑新」という四因子(話しやすい・助け合い・挑戦・新奇歓迎)
- 組織パフォーマンスとの関係などの具体的な事例
- 安心してチェットできる、質問できる講師石井さんの雰囲気つくり
- チャットと情報交換での他社の状況
ダイバーシティ推進責任者会議では、2024年度もJ-Win会員企業のD&I推進者同士が企業や業種の垣根を超え、情報共有や意見交換を積極的に行い、共通する課題解決に向けて具体的な行動へと繋げていきます。
2024年度 第1回ダイバーシティ推進責任者会議は4月24日に開催予定です。
【石井遼介様 ご略歴】
株式会社ZENTech 代表取締役。
一般社団法人日本認知科学研究所理事。
慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科研究員。
東京大学工学部卒。シンガポール国立大経営学修士(MBA)。神戸市出身。
研究者、データサイエンティスト、プロジェクトマネジャー。
組織・チーム・個人のパフォーマンスを研究し、アカデミアの知見とビジネス現場の橋渡しを行った。
心理的安全性の計測尺度・組織診断サーベイを開発すると共に、ビジネス領域、スポーツ領域で成果の出るチーム構築を推進。
2017年より日本オリンピック委員会より委嘱され、オリンピック医・科学スタッフを務めた。
著書に『心理的安全性のつくりかた』(日本能率協会マネジメントセンター)、監修『心理的安全性をつくる言葉55』(飛鳥新社)がある。