Next Stageネットワーク
開催日:2023年12月21日
「J-Win Next Stage ネットワーク 12月度定例会」を開催しました
2023年12月21日(木)、Next Stage ネットワーク 12月度定例会を会場(ビジョンセンター京橋 東京)とオンラインの併用にて開催しました。
2023年度Next Stageネットワーク定例会のテーマは「デジタルとDXについて考える」です。
定例会では2023年9月に株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所 代表取締役 DXエバンジェリスト 荒瀬光宏様より 「デジタルとDX」 の概念を体系立てて学び、10月は株式会社ビービット 執行役員CCO(Chief Communication Officer) 藤井保文様より、グローバルでみた日本の状況や課題、その解決に向けてのポイントなどをご講演いただくことにより、自社におけるDXの取り組みの現状や課題を考える機会としました。
11月は 「DXの個別事象の深掘り」 と位置づけ、中外製薬株式会社 上席執行役員 デジタルトランスフォーメーションユニット長 志済聡子様より、ビジョン実現に向けたDX活用の取組みをお話いただき、DXを推進していく上で必要となる視点について多くのヒントをいただきました。
今月の定例会では、慶応義塾大学 環境情報学部教授、LINEヤフー株式会社シニアストラテジスト、データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長 安宅和人様より、「残すに値する未来を考える」 を演題に、日本が現在どのような時代局面に置かれているのか、未来に向けて何を創りだしていく必要があるのかについてお話しいただきました。
■ アジェンダ
- 開会/講演者ご紹介
- ご講演
「残すに値する未来を考える」
慶応義塾大学環境情報学部教授、LINEヤフー株式会社シニアストラテジスト、データサイエン
ティスト協会理事・スキル定義委員長 安宅和人様 - 質疑応答
- 本日の学びの共有
「残すに値する未来を考える」
慶応義塾大学環境情報学部教授、LINEヤフー株式会社シニアストラテジスト、データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長
安宅 和人 様
オールドエコノミーがサイバーマインドを持った第三勢力的な会社に生まれ変わることをDXと呼んでいる。
ただDXを強力に推進しても第三勢力との戦いは間に合わない。初めから第三勢力的な事業体を作り、そちらを育てて移住させるのが正しい方策だと思う。 10年から15年ごとに知的生産のUI革新は起きている。
1980年ぐらいまでの知的生産は「紙」で行われ、その後、黒画面のパーソナルコンピューターが登場した。1995年にはグラフィック・ユーザー・インターフェースが現れ、2008年には、マルチタッチ・ユーザー・インターフェースがスマホ社会を席巻した。 そして今は生成系AIと呼ばれるAIの時代が到来している。言葉から絵を作るAIや、ChatGPTが登場し、大規模言語モデルと呼ばれるAI技術によって、われわれが普段使う言語でコンピューターと直接やり取りすることが可能となっている。
ご講演は、デジタルやDXを超越した巨大なトレンドの中で、自分たちがすべきことや目指すことはどのような事なのかを改めて自身に問う契機となりました。
また、「現状の延長線ではなくゼロベースで創る」という聞き馴染みのある言葉も、新たに大きな意味を持って捉え直すことができました。
今後の価値創造における大きな問題意識を再確認することができ、ビジョン及びアクション策定における重要な視点に気づきを得たメンバーも多かったと思います。
安宅様のご講演は多岐にわたる分野より、予定を40分間も延長してエネルギッシュにお話しいただきました。講演後の質疑応答にも一つ一つ丁寧にご回答いただき、メンバーにとって大変刺激的で充実した時間となりました。
引き続き、Next Stageネットワークでは、定例会を通じてDXの基礎・基本を学び、自身のこれからのアクションプランの策定、グローバルリーダーへの挑戦に向けた活動を行っていきます。
【安宅 和人 様 ご略歴】
マッキンゼーにて11年間、幅広い商品・事業開発、ブランド再生に携わった後、2008年からヤフー、2012年より10年間CSOを務め、2022年よりZホールディングス (現LINEヤフー株式会社)シニアストラテジスト。
2016年より慶應義塾SFCで教え、2018年秋より現職。
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。
一般社団法人 残すに値する未来 代表。
科学技術及びデータ×AIに関する国の委員会に多く携わる。
イェール大学脳神経科学PhD。
著書に『イシューからはじめよ』(英治出版)、『シン・ニホン』(News Picks)ほか