D&I推進者会議
開催日:2023年07月14日
「2023年度 第3回ダイバーシティ推進責任者会議」を開催しました
2023年7月14日(金)、第3回ダイバーシティ推進責任者会議を会場(エッサム神田ホール2号館)とオンラインにて開催しました。
本会議では内永会長理事が「経営戦略としてのダイバーシティ・マネジメント」と題した講演で「企業がなぜD&Iを、女性活躍を進めるか」について語り、D&I推進者へのアドバイスとともに激励のメッセージを贈りました。講演後は1時間にわたり、D&I推進者とのQAセッションが行われました。。
また、同日はダイバーシティ推進責任者会議に先立ち、研究会「D&I推進 A to Z ~本質から考える~」の発足式が行われました。参加メンバーがそれぞれのD&I推進担当経験と参加のきっかけを共有し、内永会長理事からは本研究会発足の経緯、参加者への期待が伝えられました。。
アジェンダ
- 本日のゴール
- 研究会のお知らせ
・「D&I推進 A to Z ~本質から考える~」開始
・事例研究会参加者募集 - 内永会長講演「経営戦略としてのダイバーシティ・マネジメント」+ QA
内永会長理事講演でのD&I推進者へのメッセージ
・ダイバーシティは女性のためではなく、会社が発想を豊かにし、発想の転換をし、イノベーションを起こし、変革するためのベースとなるもの。そういう意味でJ-Winの会員は個人でなく、企業としている。 ・J-Winでは大きく女性のリーダー育成活動と企業のD&I推進支援活動を2つの三角形で表している。 企業支援はD&I推進の務者である皆さんの活動、上からも下からも通りにくい粘土層と言われる男性管理職の皆さんの理解を深めようという男性ネットワーク、そしてデシジョンメイキングを行うメンバーによるCEO会議/実行リーダーの会、企業責任者会議という各層の活動を進めている。この2つの三角形を活用しない限りは企業の中にD&Iは浸透しない。 ・各層、そして2つの三角形をバラバラに考えるのではなく、それらを連動させるギアとして回転させる役目を持っているのがダイバーシティ推進者。 ・ジェンダー・ギャップ指数が示す通り、今の日本は崖っぷちに立たされている。ダイバーシティは日本を変える要。現状を変えるための一つのファクターが多様性であり、女性活躍はその第一歩。それを進める任務を皆さんが担っている。 ・重責を一人ひとりが背負うのではなく、ノウハウ、成功事例、失敗事例を共有し合い、サポートし合いながらこの日本を変えていけるよう、みんなで頑張って行きましょう。
内永会長理事とQAセッション
QAセッションでは、参加者の皆さんからの質問に、内永会長理事は一つひとつ回答しアドバイスしていきました。主な内容は以下の通りです。
Q:管理職になりたがらない女性社員への対応
A:能力があり、会社としても育っていってほしいと思う人材の場合、本人に「会社が女性管理職を増やしたいと思っていること、また、候補者の一人である」ことを告げることが大切。
理職の面白さを伝えてほしい。
男性管理職が大変さは伝えても、面白さを伝えることはあまりないようだ。キャリアを上げるというのは「ヒト・モノ・カネ」という組織のパワーを使えるようになるということ。そのパワーを使い、利益を上げ、社会に貢献する仕組みになっている。
「責任が重い」と言う人もいるかもしれないが、責任は組織で背負うもの、責任を全うするために部下もいる。様々なCapabilityを持った人たちを組織の力としていく ことが大切。
Q:D&I、女性活躍が「経営戦略として」重要であると理解している。その一方で女性管理職を増やしていこうとする取組では「男女平等ではない」場合も出てくる。これをどう理解、説明すべきか?
A:「平等」というのは「個人それぞれに対してOpportunityがある」ということ。能力があれば、誰にでもチャンスがあり登用されるということ。結果を平等にしようというのはかえって「不平等」ということになるが、現在の女性管理職比率を見ればこれまでの不平等だったことがわかる。その不平等を是正するために、女性社員に対し、いろいろなアクションをとっているに過ぎない。
Q:自社の現状とともに、経営層や中間管理職層が真にD&Iの必要性を理解するには?
A:まず、第一に大事なことは数値化すること。管理職比率、役員のポジションの数にしても個人的な思いではなく、あるべき姿を作る。あるべき姿は現実から乖離していることも多い。
このあるべき姿にするためのステップを1年後、中期、ファイナルと置いていく。数値化して客観的に見える化する。取締役会での承認を得る。数値、ステップを決めた後に、候補者のリストを作成、関係役員が見えるようにする。
全員が腹落ちするのを待っていることはできない。2~3割を味方につければ良い。どう仲間に引き入れるか、その人たちの声をどうトップに伝えるか。戦略的にキーパーソンを含め2割の味方を作り、トップのメッセージにつなげる。
Q:会社として長くダイバーシティに取組んでいるが、成果があらわれない。
A:取組を始めた10年前、10年後にどうありたいと定めていたのか。取組を行う際には現状がどうで、10年後にどうありたいかを決めておくことが大切。達成できればなぜ達成できたか、できなければなぜできなかったのか分析することもできる。こうありたいという姿が明確になっていないと、成果も見えない。
内永会長理事の講演、質問に対する明確な回答は、D&I推進者が日頃直面する問題、悩みの解消への大きなヒントと前進への後押しとなったようです。