男性ネットワーク

開催日:2023年07月12日

「2023年度 第3回 J-Win 男性ネットワーク定例会」を開催しました

2023年7月12日(水)、第3回男性ネットワーク定例会をオンラインで開催しました。
今回は男性エグゼクティブからの講話「CEOとしてのD&I推進経験から学ぶ」をテーマに、J-Win理事長 横尾敬介氏からお話しいただきました。

アジェンダ
  1. はじめに / 本日のゴールと進め方
  2. 男性エグゼクティブの講話・質疑応答(35分)
    「CEOとしてのD&I推進経験から学ぶ」
    横尾 敬介 J-Win理事長(産業革新投資機構 代表取締役社長CEO)
  3. 「オールド・ボーイズ・ネットワーク」、「アンコンシャス・バイアス」を理解する
  4. グループディスカッション(60分)
    ①男性エグゼクティブの講話からの気づきの共有
    ②オールド・ボーイズ・ネットワーク、アンコンシャス・バイアス経験の共有

「CEOとしてのD&I推進経験から学ぶ」
横尾 敬介 J-Win理事長(産業革新投資機構 代表取締役社長CEO)

1982年から1988年まで6年弱NYで勤務していた。
ワシントンで金融機関のトップが集まるミーティングがよく行われていたが、各国のトップは女性が結構多いのに、日本は男性ばかりだった。アジアでも公的な金融機関のトップは、全体の40%くらい、中国でも30%くらいは女性だった。
海外赴任から戻り、経営企画を担当していた頃、社長から指名されてD&I推進に取り組んだことが、きっかっけとなった。その時相談したのが当時、日本IBMの常務であった内永さんだった。女性活躍は経営戦略であり、企業のイノベーションを生みだす原動力であることを教わった。

経営戦略であるならば企業のビジョンや行動規範に織り込むこと、併せて女性社員の意識改革に取り組むことを活動の柱にした。社長の後ろ盾で動き始めたD&I推進であったが、立ちはだかったのがオールド・ボーイズ・ネットワークの壁だった。
一人ひとりの意識改革に必要なのは気づきと自分ごと化。企業の成長には多様な価値観を受け入れ、新たなビジネスモデルにチャレンジするしかないことを説得し続けた。

「私にとってD&I推進はライフ・ワーク」という強い意志を持って取組む姿勢や素直な語り口に男性ネットワークメンバーも強く共感しているようでした。

講話後は過去に男性ネットワーク分科会で行った 「オールド・ボーイズ・ネットワーク」「アンコンシャス・バイアス」についての活動報告を事務局より説明。引き続き、少人数のグループに分かれて、自分自身が感じた体験や自分自身の行動を振り返り、互いに共有し、企業経営、組織マネジメントに与える影響について考えてみました。

男性ネットワークメンバーの意見(アンケートより)
●「男性エグゼクティブの講話」からの気づき
・経営トップの決意、強いメッセージがまず必要。加えてボトムアップの活動により両輪で回すことで力が発揮できる
・経営戦略にダイバーシティを入れ込むことで、当事者意識が持てる。
・男性管理職、社員が自分事として捉え、取組むことが重要。
・評価項目への反映、役割を与えるなど当事者として活動するよう意識を変える仕組みづくりが重要。
・経営層への働きかけや部下のマネジメントなど、中間管理職の働きが重要で、われわれがいかに熱意を持って行動するかにかかっていることを理解。
・海外で感じた日本への違和感から使命感を持ち、周囲の協力が得られない中、トップを巻き込み、仕組みを作り、取組んで来られたチェンジエージェントとしての姿勢を学んだ。

●「オールド・ボーイズ・ネットワーク、アンコンシャス・バイアスの理解」からの気づき
・まだまだ企業内のマジョリティである男性以外には共有されていないルールや文化・価値観が大きな壁を作っている可能性を理解。
・オールド・ボーイズ・ネットワークという言葉は知らなかったが、今振り返ると自分自身の中にもそれがあることに気づいた。
・人間の判断や思い込みは無意識を前提としており、バイアス排除のために強く意識することが必要。周りからの声掛けも大切。
・過剰な配慮により、モチベーションの低下を招くことがあることにハッとした。
・良かれと思い込むのではなく、本人の意思確認と日頃の信頼関係が重要。
・長く所属する組織内でアンコンシャス・バイアスに自力で気づくことは難しい。このような外部組織で得る情報を持ち寄ることに大きな意義がある。
・オールド・ボーイズ・ネットワークやアンコンシャス・バイアスを理解した一方、業務の効率化やコミュニケーションの促進との関係で、どういう場面で注意すべきか、日常的にどう適用していくかという難しさも感じた。
・時代とともに課題感も変わっているはず。事例等は常にアップデートが必要ではないか。

今回の定例会では、初めてグループに分かれてディスカッションを行いましたが、メンバー同士、自分自身の考えを伝え合い、様々な意見を持つメンバーがいることを実感し、それぞれ多くの気づきを得たようです。
次回8月開催の男性ネットワーク定例会から、分科会活動がスタートします。各分科会チームに分かれ、課題解決に向けて検討を進めていきます。