Executiveネットワーク
開催日:2023年02月25日
「Executiveネットワーク2月度定例会」を開催しました
2023年2月25日(土)10時~17時、昼食を除き8時間にわたって「2022年度J-Win Executiveネットワーク合宿」を会場(九段会館)とオンラインのハイブリッド形式にて開催し、メンバー45名が参加しました。
■ 合宿アジェンダ
- 幹事長開会宣言
- 横尾理事長 挨拶
- 活動報告(定例会/会長理事RT/後進育成/研究会/新研究会/グローバル)
- ディスカッション(テーマ:グローバルリーダーとして活躍するために、私たちは「個人として」「Executiveネットワークとして」 何を実施するか?)
- ディスカッション(グループ発表)
- 理事・監事 講評
- 内永会長理事 講評・講話
- 江田麻季子氏によるご講演
合宿を始めるにあたり、幹事長の横山佳子氏からは開会宣言とともに2022年度 Executiveネットワーク目標の確認と年間活動の振返り、メンバー拡大に向けた次の一歩についてのお話しがありました。
続いて横尾理事長からのご挨拶、「Executiveネットワークへの期待」と題したビデオメッセージがメンバーに披露されました。
■ ご挨拶 J-Win理事長 横尾敬介氏
「J-Win Executiveネットワークへの期待」
1年間の活動の締めくくりであり、来年度の活動のベースになるのがこの合宿。合宿のテーマにもなっているグローバルリーダーを念頭に置きながら、問題意識をもって取り組んでほしい。
日本企業の経営者の一人としてグローバルという視点がなぜ必要なのかについて話したい。それぞれのお国柄や社会風土、立ち位置、ビジョンの違いを視野に入れながら、どういったアプローチを選択するのか、どうやってグローバルに立ち向かっていくのか、を検討することが大事。
自分がこれまで歩んできた道を振り返ると、強い志を持っていなければ文化の違い、政治の腐敗などの中で自分を見失ってしまいそうな体験をしてきた。グローバルではどうやっていくのか。先ずは開拓から手をつけ、徐々に拠点をつくっていく。そして目的達成に向けた構造改革へと突き進むことをやり続けてきた。
何のためにグローバルをやらなければならないのか、その目的を充分に理解することが大切。企業によってその意味合いは大きく異なり、経営そのもの、経営としてどうありたいのかを念頭におきながら、グローバルとは、グローバルリーダーとは、企業をグローバルにしていくとはどういうことなのか?を考えていくこと。
男性には長い歴史の中で培われてきた部下へのサポート、育成の暗黙ルールがある。しかしExecutiveネットワークの皆さんのような立場の方が女性の後輩を指導することはない。これからもGive backの活動を継続していただき、自分の企業の経営者として、グローバルをどう考えるのかについても伝えていってほしいと考えます。
■ 活動報告
・定例会
2022年度の重点テーマは「グローバル」と「新しい資本主義」
・内永会長理事ラウンドテーブル
第1回/Executiveネットワークメンバーからの実例紹介
第2回/環境の変化をどうとらえているのか リーダーとしての認識している課題は何か
・後進育成
自己が理想とするリーダー像を自分の言葉で定義する
・日本近代現代史と憲法
日本国憲法に関するリテラシーを高める
・これからの日本を考える研究会
ゲストを招いた講演会を中心に活動 生きた情報得ることにこだわった
・日本文化研究会
コロナ状況に配慮しつつ “本物を体験する、理解する”
・新研究会発足状況
グローバルで活躍するリーダーとしての教養と自分の考えをもつための新研究会発足
・グローバルネットワーク
視野・知見の拡大 駐日女性大使15名より6か国の女性大使がプログラムに参画
カナダ大使館とのラウンドテーブル/カナダ女性ビジネスミッション来日プログラム/パナマ大使館とのラウンドテーブル
■ ディスカッション(グループ発表)
メンバーは8つのグループに分かれ、グローバルリーダーとして活躍するために、私たちは「個人として」と「Executive ネットワークメンバーとして」 何を実施するか?をテーマにディスカッションが行われました。
ディスカッション後は、グループ内で議論し共有された内容が発表されました。(以下抜粋)
・グローバルということで二の足を踏んでしまうことはあるが、自分の考えをしっかりと持つことで発信することができる。流暢な英語で話すよりパッションは伝わる。グローバルビジネスの上で大事なのは、人脈。次のステップのために内向きではなく外向きにやっていくことが大切。
・日本がこのままじゃまずいよね。保守派の同質化がよくないのでは。我々に何が出来るのか。それぞれが所属している企業で同質化を許さない。自分の会社、社会、そして日本を変革しよう。Executiveネットワークで培える人脈をつかって、他社のベストプラクティスを学んで、周りから頼られながら変革へと繋げていく。
・グローバルリーダーを育てる土壌が必要。そのためには、もっとディスカッションをして、自分の文化と違う相手に対しても「あなたはどうしたいの?」と聞けること。自分らしく発言できるフラットな企業、社会を目指すべき。マネージメントも多様化してグローバル化してやっていく必要がある。人口減少、SDGsなど日本だけでは取り組めない問題が多くなっている。
・グローバルリーダーとしての資質は経営者としての必須要件。自分がコントローラブルな中でどうあるべきか。危機を乗り越えるのは頭では理解していても体でわかっていない。同質な人、安心しあっている中で議論していれば、ダイバーシティが進んでいると勘違いしてしまうのでは。我々が、めげずに発信していく。鈍感力も大事。理解をするけど100%理解するでは遅いから、なんとなくでも発信する。
■ 内永会長理事 講評・講話
日本が、今、どういう状態におかれているのか。人口が減少するなんて誰もがわかっていたのに手をこまねいてきた。国民が減れば国力も下がる。移民を積極的に受け入れるか、産みたいと思える社会にするのか。
ドイツでG7があって招待されたことがあった。当時はメルケル首相。メルケルさんが西と東を一緒にしたからドイツの今がある。さまざまな価値観や宗教上の問題もあったがドイツ国民は増え、国民は幸せを享受した。目的に対する思い切り、腹の座り方が違う。日本人は割り切りがなさすぎる、一番大切なことを見失っている。
日本の置かれている状況を議論しようとしているのも事実。でもこのままで、10年も20年も議論しようと言い続けてもいいのか。小手先は変わっても、社会は何も変わらず国際競争力は大きく落ちていく。
変化に対応する変化が遅い。今までやってきたことを繰り返す。グローバルをあたかも特別な言葉としてとらえているのもひっかかる。グローバル、ドメスティック、なんで分けなきゃいけないの?こんなに特別視しているのは日本だけ。世界はグローバルもドメスティックも融合している。
ドメスティックにとどまることは「ゆでガエル」。チェンジメーカーであるExecutiveネットワークの皆さんは、日本における世界、世界における日本は一体化していることを前提に、どうやって力をつけて、どうやって活躍するかを常に考えてほしい。
英語は話す人のロジック。キーワードがちゃんとしていれば伝わるもの。グローバルで活躍しなければならない皆さんからは「英語がね」ということは聞きたくない。
積極的に意見を言うこと。世界のビジネスがどう動いているのか、どこの競争力があって、どこの競争力が失われているかを知ること。グローバルとドメスティックという対立構造ではない。
最後にもう一度だけ言います。一番大事なことは、論理的であること。
論理的に物事が分析できるか、論理的に人と会話できるか。論理的に考えられているか。どう論理的に整理して、自分のあたまに叩き込んで、それをどう活かしていくか、そういった観点で議論して下さい。
■ ご講演
分断の世界における協力の姿 ~世界経済フォーラム年次総会2023から~
世界経済フォーラム 日本代表 江田 麻季子 氏
世界経済フォーラムとは、地球規模課題の解決をめざし、官民両セクターの架け橋の役割を担うスイス連邦政府下の国際機関。1971年に設立。2015年公式に国際機関として認められ、日本企業も40数社が会員となっています。
マルチステークホルダーの協力体制のもと、著しい変化の中で社会の根幹となる価値観を維持すること、グローバル課題に解決に向けた協力体制を築くこと、を活動の根幹に置いています。
2023年1月には3年ぶりの対面となる年次総会(通称:ダボス会議)がスイスで行われました。テーマは「分断の世界における協力の姿勢」。相互に関連する課題・世界のリーダー達へ一層の協力を呼びかけました。
「気候」「自然」「ヘルス」「先端技術」「産業の回復」などに加え、「多様化した世界における地政学的協力」などのプライベートセッションも数多く設けられました。フランクに腹をわって話そう。より多くの国が協力できれば、ビジネスもより大きくなります。外から見れば、まだまだ大きな期待をされている日本に気づかされます。
世界経済フォーラムは対話の場です。対話による信頼の醸成、新しい出会い、世界の潮流を学び解決に向けた行動に踏み出す。自社のことをわかっている、産業のことをわかっている、日本のことをわかっている日本のグローバルリーダーが、これからをどう読み取っていくのか。それをみんなが知りたがっています。
ジェンダーダイバーシティについてもセッションが行われています。
どうやって男女差をなくしていくか。女性が足らなければ、どうやって引き上げるのか。女性自身がパワーをもってやっていかないと次の世代にもつながらない。引き上げられる立場になったのであれば、それをやらなくてはいけないなどの意見が交わされました。
ただ世界規模でのコロナ感染は女性にとってもつらい環境となりました。学校閉鎖で会社を辞める人が多い。ヘルスケアも女性が多い。辞めた人たちがいる中で、どうやって復活させていくのかが大きな課題となっています。
ジェンダー・ギャップ解消に向けアクセラレーターとなる4つの観点が発表されています。
ポストコロナ・未来の仕事を考えるにあたりジェンダー平等を根付かせる、産業セクター内外での賃金のジェンダー格差の解消、女性の就業促進、管理職・リーダーシップポジションへの女性の登用促進です。
この取り組みは経済分野におけるジェンダー平等の加速を目指し、多くの日本企業が参加する「男性リーダーの会」の活動とも連携しています。
江田 麻季子氏のプロフィール
2000年 インテル株式会社入社
2010年~2013年 同社 アジアパシフィック地域のマーケティングディレクター
2013年~2018年3月 同社 代表取締役社長
2016年~2019年 内閣府規制改革推進会議委員
2018年4月 世界経済フォーラム日本代表就任 現在に至る