男性ネットワーク
開催日:2023年02月13日
「2022年度 男性ネットワーク 第11回定例会」を開催しました
2023年2月13日(月)、第11回男性ネットワーク定例会をオンラインにて開催しました。
今回は「男性エグゼクティブから学ぶ」と題し、元日本労働組総連合会会長で公益社団法人国際経済労働研究所会長、NPO法人J-Win 理事の 古賀伸明 様よりご講話をいただきました。
「これからの時代はこれまでとは異質なものであり、違った考え方や価値観を受け入れてこそ新しい可能性が広がる。同質の協力は足し算にしかならないが、異質の協力は掛け算になる可能性が高い」など、多様性がもたらす意義についてお話しいただきました。
ご講演、質疑応答の終了後には、男性ネットワークメンバーによるグループディスカッションが行われ、女性を受け入れる組織体制からコミュニケーションの取り方まで、自社でD&Iを進める上での施策についてなど、活発な意見交換がなされました。
講話 古賀伸明 様
古賀様が企業に入社したのは1975年。男女の賃金や仕事の役割、さらには労働組合の活動内容も今とはかなり異なるようです。どちらかというと、性差や役割分担を前提に「女性を守る」という視点が強かったのでは、との振り返りから講話が始まりました。
ダイバーシティ&インクルージョンがなぜ必要なのか。その問いに対しては今の時代をどう見るかということが重要。これまで当たり前だと思っていたことが既に当たり前ではなくなってきている。
日本をとってみると、経済や社会が成熟化したことにより業界の垣根は無くなり、デジタル技術の進化によって経済を支えるものが大きく変わっている。同じものを効率的に作るのではなく、何を作るのか、それが問われる時代。
新しい何かを生み出すのはいつの時代もイノベーションしかない。そしてイノベーションを生み出すのは人であり、企業は社会的課題を解決することで生き残る時代になっている。
解決策のひとつが多様性。今までの枠組み、既存の価値観にとらわれない視点がアイデアを生み、異なる価値観を持った人同士が議論し、トライ&エラーを繰り返す中で新しいビジネスモデルをつくっていく。多様な個性と価値観を持った人たちが入り混じる組織が、極めてパフォーマンスのいい組織になってくると思う。
これからの時代はこれまでとは異質なもの、違った考え方や価値観を受け入れてこそ新しい可能性が広がる。「同質の協力は足し算にしかならないが、異質の協力は掛け算になる」可能性が大きい。
そういった体制・制度づくりにはどうすればいいのか。1番重要なのはトップのコミットメント。2番目は現場で実践する管理職の役割。
トップダウンとボトムアップの融合が必要だとよく言われるが、制度よりもそれを推進するマインドや風土が更に重要であり、そのマインド、風土を作るのは管理職であり上司。上司の覚悟、管理職の覚悟が職場を変えると思う。
古賀様からは、男性管理職の男性ネットワークメンバーが目指す「Change Agent」に向けて、熱いメッセージが届けられました。
講演後に行われた質疑応答では、男性ネットワークメンバーより「女性の重要プロジェクトへのアサインについて」や「古い体質を持つ職場ではどこから始めたらいいのか」などといった、アドバイスや意見を求める質問が挙がりました。男性が決めつけている性的役割分担や女性との議論の重要性など、改めて腹落ちすることも多かったようです。
古賀様からの講話、その後のグループティスカッションを通して、男性ネットワークメンバー一人ひとりが自社のD&I推進を加速、定着させる立場にあることを明確に理解し、チャレンジへの意欲を新たにする定例会となりました。
次回の男性ネットワーク定例会では、12の分科会の最終活動報告が行われます。