D&I推進者会議

開催日:2023年01月13日

「ダイバーシティ推進責任者会議 内永会長理事とのラウンドテーブル」を開催しました

2023年1月13日(金)、ダイバーシティ推進責任者、担当者向けの内永会長理事とのラウンドテーブルを日本教育会館(千代田区)にて開催しました。

冒頭、内永会長理事より新年のご挨拶がありました。昨年はコロナに続き、ウクライナでの戦争があり、Steadyで安心な世の中というわけにはいかないということを皆さんが実感されたであろうこと、過去に大成功を収めた企業にとっても、過去の成功体験にとらわれない考え方や戦略が必要であること、そのために多様性が大事であることが改めて共有されました。
また、最近ではそれを自覚している経営トップが増えているものの、配下の経営層が必ずしも同意していないこともある。しかし、経営層の納得度を上げ、多様な価値観を活かしていくことこそ会社の成長にとって必要だということをダイバーシティ推進実務者の皆さんには理解していただきたい、このラウンドテーブルの機会を活用していただきたいというお話でした。

内永会長理事とのラウンドテーブル

ラウンドテーブルでは、参加者の皆さんからの質問に、内永会長理事は一つひとつ回答し、アドバイスしていきました。

ラウンドテーブルで共有された主な内容は以下の通りとなります。

Q:役職・年齢の高い「昭和世代」のD&I推進への理解促進の方法。必要性の伝え方。
A:全員を納得させなければならないという考え方は捨てた方が良い。会社の戦略や方針でも100%もろ手を挙げて賛成というものは少ないだろう。30%賛成したら成功。10~20%賛成したら前に進められる。抵抗者に力を注ぐより、賛同者を盛り立てて、仲間を増やしていった方が有効だろう。
自分の頭で考えて、良いと思うのではあれば、進める側としては信念をもってあたらなければならない。

Q:役員層も含めて、D&I、女性活躍について納得を得やすい、伝え方について。
A:過去に作り上げてきた成功のビジネスモデルを生きてきた人たちの集団で、新しいビジネスモデルを考える、作っていくのは難しい。そのため、同じ成功体験を持たない、マイノリティの中の大きなグループの一つが女性である。意思決定の場、会社のカルチャーを変える場に入れることで、チェンジエージェントとして役立たせようと考えたらどうか。多様性があると良いことがあるかもしれない、会社が変わるかもしれないと思う機会が作られれば良い。
また、役員クラスには、投資家、特にESGを重要視する海外投資家との接点が新たな気づきにつながる可能性がある。

Q:管理職になりたくないという女性は多いが、パイプラインを拡充させるには?男女とも健全に管理職を目指していける組織にしていかないといけないと思っている。上級・中間管理職が忙しすぎる。生き生きと楽しそうにやっているなと思えれば自分もやってみたいと考えるようになるのではないかと思う。
A:皆さん自分の人生の長い時間を仕事で過ごしている。会社の中で、何を達成しようとしているのか、目指しているのか。
女性に関して言うと、管理職になりたくないという人に頼み込んでやってもらうというものではない。ただ、実力がありながらも、手挙げしにくい人たちをいかに見つけて、面白さを知らせていくかというのは大事な仕事。自分のポジションが上がったら、自分がどんな仕事をしたいか、できるか、そんな人にいかにチャンスを与えられるか。両立にしても実はポジションが上がった方が、時間が調整しやすいこともある。特に女性は周囲にロールモデルもいないので、メリットを知らせることが必要。また、仕事以外にしても全てを完璧に自分だけでやろうと思うことから解放されるように認識を変えた方が良いということを伝えた方が良い。
また、育成に関しては下から見てどう育てていこうかという観点と、今後、何年後の経営を考えて、どんな人材、構成が必要かを考えて、こういう人を育てようという上から見た観点がある。下から見ることも必要だが、経営者の視点から、この人はと思う人材にタフアサインメントを経験させて育成していくことも重要。

Q:女性活躍と業績の関係を表すデータはないか。データがあると説得しやすいが紹介してもらえないか?
A:海外のデータはあるが、日本のデータでこれというものは今のところ少ない。そもそも日本の企業で実績として女性活躍そのものが進んでいる企業がなく、比較できない。女性比率50%で、管理職比率が10~20%といっても、また、それがあまりにも直近で、フィナンシャルに関係するようなデータとならない。海外のデータを使い、未来の予測として見せるしかないのではないか。

コロナ禍となってから初のラウンドテーブルは、会場で開催されたこともあり、内永会長理事との率直な質疑応答とともに、ダイバーシティ推進実務者の皆さん同士の久々のコミュニケーションも活発に行われ、充実した2時間となりました。