High Potentialネットワーク

開催日:2022年11月10日

「High Potential ネットワーク オンライン海外研修」を開催しました

「J-Win 第12期 High Potentialネットワーク オンライン海外研修」を、2022年11月8日(火) ~ 11月10日(木)の3日間にわたり開催しました。オンライン開催のため、230名を超すHigh Potential ネットワークメンバー全員が参加することができました。

3回目となる今回のオンライン海外研修の訪問国は、アメリカ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドの4ヵ国。
訪問国の様々なバックグラウンドを有するゲストにご講演いただき、ご講演後には質疑応答の時間もとられました。DAY3にはネットワーキングイベントとして、イギリス、オーストラリア駐日大使館にご協力いただいてざっくばらんな座談会が実施され、一方通行に学ぶだけではなく、相互に交流する機会も得られた海外研修でした。

オンライン海外研修の目的

  1. 文化的背景を含め訪問先のD&Iに関して知見を得て、日本の現状を理解して自身のアクションプランに繋げる(D&I先進国及びその国の企業の成功事例や戦略に触れ違いを体感する)
  2. 海外企業の企業価値向上に繋がる先進的な取り組みやテクノロジーについて知り、視野を広げる(先進的な取り組みやテクノロジー、イノベーションを生む環境と経営戦略などについて学ぶ)
  3. 各国で活躍するロールモデルとの対話を通じて、グローバルリーダーを目指すための一歩を踏み出す(双方向のコミュニケーションへ挑戦し、グローバルに活躍するロールモデルの経験や多様な考え方を深く知り、視座を高める)

オンライン海外研修プログラム

海外研修プログラム

日程別詳細(ページ内リンク)

 

DAY1

1) アメリカ 米日財団理事 Fish氏 オープニング基調講演

海外研修のオープニングは、Fish氏による基調講演。
Fish氏は日本人と米国人の相互利益に特化した唯一の米国民間助成財団である米日財団の理事です。また、商業銀行持株会社Citizens Financial Group,Inc.(CFG)元会長兼CEOとしての17年間に、CFGの総資産及び預金高を30倍にし、全米10大商業銀行持株会社の1つにまで成長させた、輝かしいご経歴もお持ちです。

英語が苦手なメンバーに配慮し、ゆっくり聞き取りやすいスピーキングで、素晴らしい講演を行ってくださったFish氏。「Ladies, be ambitious!」と力強いエールを送ってくださり、参加メンバーたちは深い感銘を受け、これから始まる海外研修への期待がさらに高まりました。

2) オーストラリア CCC  Troy氏 講演

オーストラリアの男性経営者たちが男女不平等の根本的解決に向けて設立した、Champions of Change Coalition(CCC)のアドバイザーであるTroy氏。オーストラリアの男女平等に関する政策や女性活躍の最新状況に加え、女性がリーダーとして活躍するにはどうすればよいのか、CCCでの活動を踏まえてアドバイスしてくださいました。

3) ニュージーランド NCWNZ Suzanne氏、Betty氏、Aleisha氏 講演

ニュージーランドのNational Council of Women of New Zealand(NCWNZ)から、代表のSuzanne氏、理事のBetty氏、Wellington支部代表のAleisha氏にご登壇いただきました。NCWNZは、「ジェンダー平等の実現」をビジョンに掲げ、ニュージーランドで活動している団体です。

オークランド工科大学の教授でもあるBetty氏は、D&Iがニュージーランドに定着した過程と、それが企業や社会に与えた影響についてご説明くださいました。
Aleisha氏はニュージーランドの先住民族であるマオリ族の歴史と文化に加え、ニュージーランドの多様性と受容の文化に関してご講演くださいました。
女性首相を有し、ジェンダーギャップインデックス世界4位のニュージーランドにおいても、様々な歴史的背景があって今に至っていることを学ぶことができました。

 

DAY2

1) アメリカ IBM Watson Research Center Anna氏 講演

ボストンを拠点とするIBM Watson Research Center CTOのAnna氏のご講演は、テクノロジー領域におけるD&Iの現状や課題、テクノロジーの今後の展望について。COVID-19以降、アメリカでは女性管理職の割合やD&Iに対する企業のモチベーションが下がっているそうですが、豊富なデータを示しつつ、経営戦略としてのD&Iの重要性についてお話しいただきました。
講演最後には、「よいメンターを見つけること」のアドバイスとともに、変革を牽引するリーダーを目指すよう、激励のお言葉をいただきました。

2) オーストラリア Lion  Sarah氏 講演

オーストラリアのD&I先進企業であるLion社のSarah氏は、Lion社が長年取り組んできた数々のD&I施策の歴史と、それが社内の文化に浸透し、ビジネスや社員の働き方にプラスの影響を与えていることをご紹介くださいました。

続けて、Lion社の女性活躍プログラム、「Women at Lion」に参加しているKatie氏、Kellie氏、Nicole氏の3名が、このプログラムでの学びが自身のキャリアにどう活かされたかについて、実体験を語ってくださいました。
「アイスクリームはバニラ味だけでなくストロベリー味もあるでしょう」という言葉で、多様性の重要さを表現されたことも印象に残りました。

3) ニュージーランド NCWNZ Suzanne氏、Betty氏、Aleisha氏,、Zeena氏によるディスカッション

昨日に続きNCWNZから4名にご登壇いただき、D&Iの重要性や課題などについて、ニュージーランドの文化やお一人おひとりのバックグラウンドも交えながら、パネルディスカッション形式でお話いただきました。

日常に存在している男性主導の社会構造に対し、女性が団結して声を挙げてinclusionしていき、お互いのユニークさを尊重し合える社会を作る必要がある、とのメッセージをいただきました。
また、Suzanne氏はマオリ式の自己紹介と歌を披露してくださり、オンライン研修ながら現地の文化を身近に感じることができた時間になりました。

4) イギリス NatWest Markets Tonia氏 講演

イギリスで女性起業家を積極的に支援している投資銀行、NatWest MarketsのVice PresidentであるTonia氏に、金融部門によるジェンダー平等社会実現に向けた活動をご紹介いただきました。
女性役員の割合などジェンダーに関連する各種KPIが、金融商品や様々なインデックスに組み込まれることで、多くの企業や投資家を動かし、企業や社会全体の風潮を変えていくことにつながることを理解することができました。

 

DAY3

1) アメリカ E&Y LLP Lynlee氏 講演

日系企業での勤務経験も持つLynlee Brown氏は、米国におけるD&Iの現状とESG、女性のキャリアについて、ご自身の経験を踏まえてご講演くださいました。
日系企業と米国企業における女性の働く環境や文化的背景の違い、子育てをしながらのキャリアアップや仕事への向き合い方など、J-Win High Potentialネットワークメンバーにとって身近で参考になるお話をお伺いしました。

2) 駐日英国大使館、駐日オーストラリア大使館ゲストとのラウンドテーブル

駐日英国大使館からNaomi Davies氏、駐日オーストラリア大使館からStacey Nation氏、Janine Pitt氏、Tomiko Roberts氏、Joanne McMillian氏、合計5名のゲストをお招きし、少人数でのラウンドテーブルを行いました。

D&Iやキャリア形成、女性活躍の状況などについてフランクな会話が交わされ、あっという間に1時間が過ぎました。このラウンドテーブルを通じてお互いの国や文化を知り、メンバーたちは改めて日本の良さや海外との違いなどを見つめることができました。

3) ラップアップ

研修の締めくくりは、3日間の海外研修を振り返ってのラップアップ。
各講演で印象に残ったことや学んだことをメンバーと共有し、日本と各国との違いや、今後日本はどうなるべきかについてディスカッションしました。

 

今回の海外研修では現地に直接赴くことはできませんでしたが、素晴らしいロールモデルの講演を通じて、各国のD&IやESG、テクノロジーの現状を知り、今後、グローバル社会で活躍する上で有意義な研修となりました。
また、すべての講演後にはQ&Aコーナーが設けられ、メンバーから積極的な質問が飛び交い、時間ぎりぎりまで活発なディスカッションがなされました。英語が苦手なメンバーはオンライン同時通訳機能を使ってこの海外研修に参加しましたが、研修が進むにつれ、英語に自信がなくても果敢に質問に挑戦するメンバーが増え、グローバルリーダーを目指す「Take Action」の一歩を踏み出すことにもつながりました。

海外の現状を知り視野が大きく広がると同時に、日本の現状を見つめなおし、リーダーを目指すアクションプランにもつなげることができた、実り多き3日間の海外研修でした。

運営に携わった海外研修実行委員メンバー

当日運営に携わった海外研修実行委員メンバー