High Potentialネットワーク

開催日:2022年03月11日

「2021年度J-Win拡大会議」が行われました。

「2021年度 NPO法人 J-Win拡大会議」を2022年3月11日(金)に国際文化会館(港区六本木)からのオンラインライブ配信にて開催しました。拡大会議には、第11期 High Potentialネットワークメンバーとその上司の方々、会員企業の人事部門やダイバーシティ推進ご担当者など、多くのJ-Win関係者の皆様にご参加いただきました。女性3層ネットワーク、D&I推進3層システムでの1年間の活動報告と、2022 J-Winダイバーシティ・アワード表彰式、第11期High Potentialネットワーク卒業セレモニーが行われ、参加された関係者の皆様にとってはJ-Win活動全体についての理解をさらに深めていただきました

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【プログラム】

  • 開会挨拶 J-Win理事長 内永ゆか子
  • 第11期High Potentialネットワーク活動報告
    ・活動総括
    ・分科会活動報告
  • 企業支援活動報告
    ・男性ネットワーク活動報告
  • 2022 J-Winダイバーシティ・アワード表彰
  • 来賓ご挨拶 衆議院議員 野田聖子様
  • 第11期High Potentialネットワーク卒業セレモニー
  • 閉会

開会挨拶 J-Win理事長 内永ゆか子
〝多様性が企業戦略にとって極めて大事であるということ〟

High PotentialネットワークをベースとしてJ-Winはスタートし、15周年を迎えています。2007年、創立時の女性メンバー数は234人で、その後、Next Stageネットワーク、Executiveネットワークが生まれ、この女性ネットワーク活動に並走するように企業支援活動としてのダイバー推進責任者会議、男性ネットワーク、CEO会議/実行リーダーの会と様々なプログラムを立ち上げ、D&I推進を企業の中で加速させていくためのお手伝いをして参りました。
今年度、2021年で私共J-Winの活動にご参集頂いた方々は、合計で6,221名になります。
これまで、変化が激しい世の中にあって、多様性ということが企業戦略にとって極めて大事であることを言い続けてきました。日本経済が失われた20年だ、30年だ、とよく言われていますが、その要因はかつての成功体験から逃れられず、ビジネスモデルの変革に抵抗していることです。今、企業には変革が求められています。その変革の原動力となるのが多様な人材の活用によるイノベーションの創出だと思っています。

本日の拡大会議は2021年度J-Win活動の報告会であり、第11期生の卒業式であり、J-Winダイバーシティ・アワードの授賞式でもあります。皆さんが考え抜いた成果を、企業の皆様に披露して頂きたいですし、アワードを受賞された皆様もD&Iを推進してきた中でどのような工夫をされたのかということを示していただきたい。これをひとつのステップストーンとして、今度は第12期、そして次の年、さらに次へと一緒に頑張って参りたいと思います。

第11期 High Potential ネットワーク活動報告

第11期High Potentialネットワーク 中山 弥智幹事長(株式会社みずほ銀行)より活動の総括が報告されました。

「第11期High Potentialネットワークは、設立5年目の関西、4年目の九州メンバーを含め、会員企業98社から総数254名で1年間の活動を行って参りました。 第11期のスローガンは、『Change Ourselves! Change Our World!! ~自分を変えよう!私たちの世界は私たちが変えよう!~』です。昨年同様、定例会や分科会活動、海外研修などほとんどのプログラムがコロナ禍の影響によりオンラインでの実施となりました。
J-Winでの1年間の活動を通して実感できたものとして、問題を解決するための自信のようなものが大幅に向上したように感じています。キャリアアップ意識もより高くなり、メンバー自身が目指す姿が明確になったことなど、大変学びの多いHigh Potentialネットワーク活動であったと実感しています。

会場に寄せられたメンバーひとり一人のメッセージでは、J-Winでの学びを胸に、それぞれの企業で更なる活躍を目指していくことを誓うと共に、1年間、見守り、支えてくださった関係者の皆様に感謝の気持ちが述べられていることが伝えられ、第11期活動の総括が報告されました。

<分科会活動報告>

  • 東京1 Globalに活躍しよう
  • 東京2 ダイバーシティ時代のマネジメントとは~ダイバーシティを浸透させるためのマネジメント方法~
  • 東京3 真の働き方改革を実現しよう
  • 東京4 イノベーションを創出する2030年の人事制度とは
  • 東京5 DX時代に価値を創出するスキルとは
  • 東京6 Innovationを創出しよう
  • 東京7 M&Aを成功させよう
  • 東京8 ジェンダーギャップ指数で世界トップになろう
  • 関 西 関西を不死鳥の如くよみがえらせよう~進化成長する関西企業へ~
  • 九 州 次世代へつなぐ、「住み続けたい九州」をつくろう

企業支援活動報告

〈男性ネットワーク活動報告〉

企業のD&I推進支援活動のひとつであるJ-Win男性ネットワーク活動。会員企業の部長職・課長職を中心とした男性管理職をメンバーとして活動した今年度の活動について、2つの分科会より報告が行われました。

「女性が"活躍"できるためには」をテーマに、女性の本音を理解し、男性管理職が何をすべきかを考える分科会の活動について、TDK株式会社の門倉氏より報告がありました。
"活躍"の定義を、①高いパフォーマンスを発揮し、職位が上昇し、会社の経営、マネジメントに携わっている状態であること ②やりがいを持って働き続け、会社における個々の役割を果たしている状態であることとした。
現状の把握と本音を理解するためにアンケートを実施。上位職への昇格意志や仕事へのやりがいが、男女差・年齢別で異なることから、それらの〝違い〟を管理職が正しく理解した上で行動しなければならないこと。現在の管理職が働きかけることによって、「活き活きと活躍している女性」を増やし、将来の管理職を増やすことに繋げていく、などが報告されました。

次に、三井情報株式会社の増渕氏より、女性社員キャリア(管理職)志向醸成施策の検討をテーマに、女性のエンパワーメントを推進する分科会の活動報告が行われました。女性管理職を増やすためには、女性自身が管理職になりたいと思わないことが問題であると考え、キャリアップ意識を阻害する理由の中にオールド・ボーイズ・ネットワーク(以下、OBN)が潜んでいるのか、どのように改善すべきかを把握、可視化することを目的にアンケートを実施。
仕事のやりがいやロールモデルの存在から、多くが管理職昇進に肯定的であるものの、自身キャリアビジョンは描けていない。管理職として活躍する自身のイメージを持つことにより意欲が向上するのではという仮説を立て、女性管理職からのオンライン講話会やライフラインチャートを利用した1on1ミーティングを実施したところ、女性の意識が大きく変化したとの結果を得ました。

企業におけるD&I推進は有効な経営戦略であり、女性を意思決定層への登用を加速させていくためには、その中心にいる男性管理職の理解と行動が不可欠です。分科会活動を通して、OBNの存在やアンコンシャスバイアスに自ら気づき、腹落ちすることで、参加メンバーひとり一人が企業における女性活躍推進・D&I推進について多角的に捉えることができた1年間となりました。

2021 J-Winダイバーシティ・アワード表彰式

女性活躍推進に関して先進的な取り組みを行っている企業(アドバンス部門/ベーシック部門)や、顕著な貢献のあった経営者・リーダーを表彰しました。

企業賞 【アドバンス部門】※アドバンス部門準大賞2社は、会社名50音順に表記
・準大賞:日本アイ・ビー・エム株式会社
・準大賞:株式会社ベルシステム24ホールディングス

企業賞 【ベーシック部門】
・ベーシックアチーブメント 大賞:株式会社日立ハイテク
・ベーシックアチーブメント 準大賞:三井住友信託銀行株式会社

個人賞 【経営者アワード】
・日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長執行役員 山口 明夫 様

個人賞 【リーダー・アワード】
・EY Japan Consulting  パートナー  佐々木 惠美子 様

【受賞結果・授賞理由はこちら】

ご来賓のお言葉

〈ご挨拶〉
衆議院議員女性活躍担当大臣 野田聖子様より祝辞を頂戴しました。

4年振りに男女共同参画の担当大臣となり、今国会では内閣府特命担当大臣(地方創生、少子化対策、男女共同参画)、女性活躍、こども政策、孤独・孤立対策を担当しています。
これらに共通して言えることは「人」なんですね。
現在の日本ではその「人」が減少傾向にあり、年金や税金、様々な問題を抱えています。その担い手である「人」が、近未来へ繋げられるかどうか見えなくなっている不安があります。
人間力を強めていくことの必要性から、多くの皆さんより貴重なアドバイスを頂き、新しい時代の新しい行政組織を設置する取り組みを行ってきました。また、女性政策では男女共同参画の会議の中で女性版の骨太方針というのを打ち出しています。骨太というのはご存知のように予算と直結する政策です。J-Winの皆様を始め、多くの女性リーダーの皆様に先導していただいたおかげで、やらなければならないことをやれる最大のチャンスを迎えていると感じています。決して気を抜かず、手を抜かず、取り組んで参りますので、皆様の力強いリーダーシップのもとで心地よい日本づくりのためにご尽力いただきたいと思います。ありがとうございました。

第11期High Potentialネットワーク卒業セレモニー

〈はなむけの言葉〉
TDK株式会社 代表取締役社長の石黒 成直氏より第11期High Potentialネットワークメンバー254名の卒業生に「はなむけの言葉」が贈られました。

グローバル化、多様化を力強く推進するTDKという会社で、6年前に社長に就任した際には、受けるからには楽しくやってやろうと考えていました。
それは、これまで自らが立ち上げ、仲間と一丸となって目標に向けて変革が進んでいくのを目の当たりにして、震えが止まらないほどの感動を覚えた経験によるものです。
今日、みなさんに申し上げたいのは、机上で学ぶだけではなく、経験して学ぶこと、そのことの尊さ、強さ、揺るぎなさは、何よりも勝るものだということです。
経験は後ろに引っ込んでいては出来ない、待っていてもやってくることではない。むしろ、不確実な世の中だからこそ自らが行動を起こしてみる。やってみるということの尊さ、手を挙げて挑戦しないと実現しないからこそ、挑戦することは本当に尊いものだということをみなさんと共有したいと思います。
みなさんも勇気を奮って挑戦をしてください。時には失敗して挫折して落ち込んでください。そして、成功して達成してその喜びを仲間と共に爆発させてください。

High Potentialネットワークメンバーのこれからの人生、未来がより楽しくなることに向けての期待とエールが熱く届けられました。

〈感謝の言葉〉
卒業する第11期High Potentialネットワークメンバーを代表して、常 軼菁氏(チャン・イジン:TDK株式会社)が分科会メンバーからの行動宣言を受け取り、挨拶を行いました。

「TOPを目指す準備や心構えが私たちを成長させてくれる。〝Women to the TOP!〟は、理事長から頂いた贈り物、TOPを目指す道のりの中で見えてくる風景を堪能したい」と、今後も成長し続けることを誓いました。スクリーンには、会場、オンライン参加のメンバーが、それぞれのスマートフォンから1年間の活動風景写真やコメントをリアルタイムに送信しながら全員一丸となって卒業セレモニーを演出しました。
第11期のスローガン『Change Ourselves! Change Our World!!』と、全分科会の行動宣言を記したリボンを付けたJ-Win旗を内永理事長と交わし、最後はHigh Potentialネットワークメンバーの気持ちを一つに合わせ、「Women to the TOP!」のコールで閉幕となりました。