High Potentialネットワーク

開催日:2021年12月10日

「J-Win 第11期High Potentialネットワーク12月度半日合宿」を開催いたしました

「J-Win 第11期High Potentialネットワーク 12月度半日合宿」を、2021年12月18日(金)に開催し、東京、関西、九州メンバー、226名のメンバーがオンラインにて参加しました。

【12月度半日合宿ゴール】
分科会活動をさらに自分事化し、他分科会を参考に自分科会活動を深化させるグローバル企業とはどのような企業か、自社/自分がグローバルな環境で成長するためにどうするべきかを理解する
多様な人財との交流を通じてライフプランをブラッシュアップする

第1部 分科会の深化

第1部は【分科会の深化】と題し、分科会活動をさらに自分事化し、他分科会を参考に自分科会活動を深化させるために、分科会の苦労した点、工夫している点や、特に意識している点の共有を行いました。

<発表者共有より抜粋>

  • 課題は分科会メンバーの意見をどうまとめていくかに苦労する、という意見と、分科会活動を自社に持ち帰ることがポイントだという意見が共通であった。
  • 用語の定義、ゴール設定など、悩んでいるところが共通していると感じた。また心理的安全性を確保する取り組みをできている分科会があり、それは組織を築く上で大事だと気づかされた。
  • 25名前後の大人数で、全員で意見を言える場が難しいので、アンケートで全員の意見をヒアリングする取り組みや、打合せを1時間以内にするという基本ルールを作って、リソースの重要性を認識しファシリテーション等を工夫する取り組みなど、自分科会に持ち帰りたいと思った。

第2部 グローバリゼーション講演

High Potentialネットワークメンバーは、11月に3日間に渡って行われたオンライン海外研修にてグローバルに触れる機会を持ち、さらにグローバリゼーションとは何かを自らの中でブラッシュアップするために、講演を行いました。

以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。

「JTのグローバル化」
JT International Senior Vice President 筒井岳彦氏

  1. 筒井氏のキャリアについて
    今はスイスのジュネーブで仕事をしている。若くしての役員への昇進は、大変なことも多いと感じている。
  2. JTグループの会社概要
    JTグループは経営理念である4Sモデル(株主、社会、従業員、お客様)を大切にしている。4つのステークホルダーのバランスを取ることは、結果的に経営のバランスを保てることだと考えている。たばこ事業、医薬事業、加工食品事業を行っている。従業員約6万人の内、約4万人は海外で従事している。来年1月からたばこ事業の本社機能をスイスのジュネーブに1本化すべく準備をしている。収益は海外たばこが1番で、全体の6割となっている。海外に約35のたばこ工場を持っている。
  3. JTの変革への道のり
    日本専売公社から現在の民営化したJTの姿になるまでの道のりは、時代の変化・外部要因に対応すべく改革を実施してきたことに注目したい。自ら民営化を望んだ公社はJTだけだった。民営化すると多角化、グローバル化を図った。現在も運営している医薬・加工食品含め、様々な事業に取り組んだ。 JTでは、会社の経営が健全なときに、希望退社を募ったり、工場閉鎖を行った。これが次の思い切った経営判断へつながった。健全な危機感があるからこそ難しいことに取り組むことができるし、現実を直視すること・未来を見据えることが大切である。これは経営が傾くと難しい。状況に迫られての意思決定ではなく主体的に意思決定するDNAがある。
  4. JTのグローバル経営
    売上の成長基盤は海外たばこ事業が牽引し、基盤強化により力強い利益成長を実現した。
    海外で戦うには、経営のスピード感や雇用の流動性など、大きな違いがある。海外では外資系的経営が必要で日本の経営とは別にやってきた。またフェーズが変わり、来年からたばこ事業の組織を大きく変革し、たばこ事業の本社機能をスイスのジュネーブで一本化する。
    組織体制は21人の役員構成で5人が日本人。ポジションの中で日本人の必要があるのは1ポジションのみ。国籍は重要ではなく、何ができるかが重要。任せる経営を行う。任せる事のできるガバナンスの体制を持つ事、経営情報が見える化されていることが重要。
    グローバルではキャリアの作り方がジェネラリスト型ではなく、プロフェッショナル型。「国内の当たり前」と「海外の当たり前」は異なり、会社との距離感を考えたほうが良い。JTではジェネラリスト型とプロフェッショナル型の両方に価値があるので、良いとこ取りを試行錯誤中。そのためには、対話を徹底的にすることが必要。
  5. 最後に(プロジェクト/変化/変革について思うこと)
    何のために変革をするのか、変革の目的を達成したら何が起こるか、を構造的に考えることが大事。やったことがないことを決めるためには、早めに雑談することによりストレス、難易度を下げると良い。
    また、地図を作ると良い。スタートからゴールを直線的に結ぶ最短距離が必ずしも成功につながるのではなく、二次元的、三次元的にどう目的地にたどり着くのか、フレキシブルに考えて取り組むと良い。アプローチは手段なので、実現にこだわることが重要。
    最後にコロナショックについて、グローバルにコロナ感染を捉えるのは難しく、グローバルとローカル同時の危機管理は難しい。ただコロナによって働き方が変わり、近くが少し遠くなり、遠くがすごく近くなった。密度が下がっても頻度が上がったことで、結果は変わらないのではないか。

講演の感想 ~参加者アンケートより~

  • 「実現にこだわり、柔軟にアプローチする」というお言葉に、はっとさせられました。手段の目的化は陥りやすい罠であると改めて気を付けさせられるお言葉でした。
  • 「健全な危機感を持つことにより課題の先読みが可能になり、先読みが出来るがゆえに 追い込まれる前に 沢山の選択肢を残した状態で先手を打ちに行くことが出来る。」という事を、経営判断を題材として話していただいたが、現時点の自身の業務遂行においても大切な視点だと感じた。
  • 「ハレーションが起こることは前提として、それを上手くマネジメントできるか/そこまでしてやる価値のあることなのかを考える」という言葉が印象的だった。
  • 「グローバルな世界で活躍したいなら自己投資を。志の高さが大切。たどりつきたいと思う気持ちと、そのための努力が大事。努力に勝るものはあまりない。」「若く経営陣になった苦労は、先輩経営陣に比べて経験が足りなかったこと。でも誰よりも10年後までいる可能性が高いので、誰よりも意思決定が自分事だと気づいた」というお言葉が非常に刺さった。
  • トップ・ミドル・現場の三位一体型考え方が相乗効果を生むことの大切さや、我々が今いる現場やミドルの立場での重要なことを気づかせていただきました。
  • グローバル人財として付加価値を出すのは、志の高さが重要である。必要なことは自己投資するのが当たり前。
  • (創造力でなく)創発力と、一糸乱れない実行力。この2ワードがとてもインパクトがあり、実行力を高めるために人財をリードするためのルール・思想を固定し引っ張っていく仕組み作りが重要と痛感した。
【筒井 岳彦氏のPROFILE】
1975年 東京都生まれ
1997年 早稲田大学理工学部卒業
1997年 日本たばこ産業株式会社 入社 小田原工場
2001年7月 本社 製造統括部 製造部
2003年11月 本社 経営企画部
2005年10月 本社 事業企画室 調査役 JT International 出向
2012年3月 本社 経営企画部長
2014年6月 執行役員 企画副責任者
2016年1月 執行役員 ビジネスディベロップメント担当
2020年1月 JT International Senior Vice President,BUSINESS DEV & CORP STRATEGY
2021年9月 JT International Senior Vice President,REDUCED-RISK PRODUCTS
(現在に至る)

 第3部 ネットワーキング

第3部では、第1部・第2部とは違うリラックスした雰囲気の中、自由に歓談できる時間を設けました。多様な人財との交流を通じてライフプランをブラッシュアップする「ライフプラン」をテーマに、分科会を超えたメンバーと話し合うことを通じて、ネットワーキングのきっかけをつかみ、半日合宿の締めくくりとしました。

ネットワーキングの感想 ~参加者アンケートより~

  • 私たちの共通点は女性というだけで、年齢も仕事内容も役職も居住地も様々ですが、仕事上の悩みやキャリアアップへの想いは同じということがわかり、心強さを感じた。
  • 様々な背景を持つ方々のライフプランや悩みを聞く中で、自身のライフプランを見直すことができた。また、ライフプランを言語化することで、あやふやだったことを明確にできた。
  • 時間が足りなかったので、まだ話したいと思う方と連絡を取り合うこととなった。活動を開始した春・夏よりもネットワーキングは強く広がっていると思う。
  • 今の私にないもの、自己啓発するために自分の環境を変える、変えてでも取り組もうとしていることを聞くことができ、仕事以外にも努力されていることを実感し、自分はまだまだだと思いました。
  • 異業種の方との交流は非常に刺激を受けると実感した。今後も他分科会の方とも交流が持ち続けられたら、その人脈は今後自身の財産・強みになるだろうと感じた。