High Potentialネットワーク
開催日:2021年11月24日
「J-Win 第11期High Potentialネットワーク・関西11月度定例会」を行いました
「J-Win第11期High Potentialネットワーク・関西11月度定例会」を開催しました。経営者の考え方・経験について学び、高い視座・視点を持って企業・経済の発展に必要なことを考えるきっかけとすることが目的です。定例会ではサントリーホールディングス株式会社代表取締役副会長 鳥井 信吾氏にご講演いただきました。今回は東京・九州のメンバーにも講演と質疑応答に参加していただき、関西メンバー22名(15名が会場参加、7名がオンライン参加)、東京・九州メンバー81名がオンライン参加となり、合計103名のHigh Potentialネットワークメンバーによる定例会となりました。
【目 的】
経営者の考え方・経験について学び、高い視座・視点を持って企業・経済の発展に必要なことを考えるきっかけとする。
【ねらい】
「サントリーのものづくり」を学び、企業経営がどうあるべきかを考えるヒントとする。
【ゴール】
経営者の視点に立って、企業が置かれている状況や課題に向き合い、企業が発展していくために何をしたいか宣言する。
以下に講演の様子をご紹介します。(*肩書き等は講演当時のものです。)
講演 「鳥井信治郎と大阪」
サントリーホールディングス株式会社 代表取締役副会長 鳥井信吾氏
鳥井信吾氏より経済の面から見た関西について、そしてその関西で起業したサントリーホールディングス創業者の鳥井 信治郎氏が、どのように起業し、経営者として事業に取り組まれてきたのか。考え方、本物へのこだわり、ウイスキー、ワイン、ビールと自社製品への想い、それぞれの開発について、そして、継続的なイノベーションにつながる思考法の転換についてご講演いただきました。示唆に富むお話を興味深くお聞かせいただきました。
ご講演後にはHigh Potentialネットワークメンバーとの質疑応答。「その時代を生きた『鳥井信治郎氏』はどのように海外からの情報を得て、ウイスキーという事業で成功できると確信したのですか」、「次々に新しいことに挑戦する社風の秘訣は何ですか」、「創業者の熱いパッションとマーケティング力が御社の強みかと思いますが、社員がマーケティング力を発揮できる理由を教えてください。」などの質問がメンバーから挙がりました。鳥井氏は一つ一つ丁寧にご回答くださり、メンバーにとっては多面的な学びを得る機会となりました。
講演の感想 ~参加者アンケートより~
- 「ブランドを構築する」という着眼点が当時の日本では珍しく、興味深く感じました。
- 従来のニセウイスキーではなく、本物志向のウイスキーを日本で初めて作ると決めた強い気持ちや、決して妥協しない姿勢で品質を上げる姿勢に、短期的利益よりも長期的な会社ブランド確立の経営者視点を感じました。店頭に当たり前に並んでいる商品が、強いこだわりを持って作られてきたものだと分かり、改めて「山崎」を飲んでみたくなりました。
- 創業者の鳥井信治郎氏の人柄や生き様がそのままサントリーさまの成功につながっているのだと改めて感じるとともに、時代が変わっても、本物は生き残り続けるのだと改めて実感しました。
- 鳥井さまが社員さまのお名前を一人一人上げておられ、顔の見える、信頼しあえる関係があるからこそ、企業&企業人としての成功があるのだと感じました。
- 他社がビール販売に傾注する中、サントリーは信念をもってウイスキーの販売に拘るなど、世間や周囲に流されないものの考え方が素晴らしいと思いました。私は社内でマーケティングを担当していますが、すぐに社会のトレンドや世間に振り回されそうになるため、自分自身にものの考え方をしっかり持ちたいと思いました。
- 効率だけを重視するのではなく、あえて本場の方法をやり切って日本人の嗜好の向上を図ったという信治郎氏の起業家精神に感銘を受けました。
- 「やってみなはれ」の精神は、職位を問わず必要な心持ちだと感じた(職位が上がっても必要)。また、自社製品への愛を感じた。愛着がなければ、「より製品・サービスを良くしたい」という行動に深みがでないのだと思った。
- 歴史の長い企業であり、長期的企業戦略で着実に成長すること、誰もやらないことに積極的に挑戦できる企業風土を感じた。
【鳥井信吾氏のPROFILE】
サントリーホールディングス株式会社 代表取締役副会長
生年月日
1953年1月18日生
学歴
1975年03月 甲南大学理学部卒業
1979年06月 南カリフォルニア大学大学院修了
略歴
伊藤忠商事株式会社を経て
1983年06月 サントリー株式会社入社
1987年09月 同社 京都ビール工場、山崎蒸溜所を経て、大阪工場長
1992年03月 同社 取締役、生産企画部長を経て、生産第一部長
1999年03月 同社 常務取締役、SCM本部長
2001年03月 同社 代表取締役専務取締役
2002年03月 同社 マスターブレンダー(現任
2003年03月 同社 代表取締役副社長
2009年02月 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役副社長
2014年05月 ビーム サントリー社 取締役(現任)
2014年10月 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役副会長(現任)
団体歴
1993年01月 社団法人大阪青年会議所 理事長
2009年09月 公益財団法人サントリー芸術財団 代表理事(現任)
2010年05月 公益財団法人サントリー文化財団 理事長(現任)
2012年05月(~2014年5月) 一般社団法人関西経済同友会 代表幹事
2014年07月 大阪商工会議所 副会頭(現任)
公職
1991年05月(~1992年5月) 通産省産業構造審議会委員
2003年04月 在大阪デンマーク王国 名誉領事(現任)
2013年04月(~同年9月) 内閣官房 アジア文化交流懇談会委員
2015年06月 ロート製薬株式会社 社外取締役(現任)
2020年01月 在大阪スペイン王国 名誉領事(現任)
2020年02月 象印マホービン株式会社 社外取締役(現任)
2020年06月 ダイキン工業株式会社 社外取締役(現任)
受賞
2012年01月 デンマーク王国 ダネブロー騎士勲章受章
ワークショップ
ワーク内容「あなたも社長になってみなはれ!」「仮想企業」を想定し、経営に向けて最も重要だと思う課題を1つ設定。グループ内で設定した課題について、どのような解決策が考えられるか、その解決策をグループ内でまとめるというワークショップを行いました。
短時間のワークでありながら、経営トップの視点で考えることが視座を高めることにつながるものとなりました。
ワークの感想 ~参加者アンケートより~
- 非常によく考えられたワークで、勉強になりました。「仮想企業」というアイディアに留まらず、理論的に考えるようなワークの枠組みがきちんと用意されていた為、チーム内でのディスカッションも論理的に進めることが出来ました。
- 大きな紙を真ん中に置き、議論しながら、付箋を貼り変え、仲間別けや順序を付けて考えていくことで、議論の内容を整理しながらすすめることができた。また、周りのメンバーが高い視点で意見を発言していて、大変勉強になった。
- 前提条件に一部曖昧な部分もあったが、みんなの知識等で足りない部分を補って進めることができた。一つ一つの対策に対して、想定される効果・コストから優先順位をつけて検討することができた。
- 割り当てられたグループの仮想企業がこれまで興味を持ったことのない分野の企業で「難しい」と感じましたが、課題を考えるためにいろいろ調べると、今世界がどんな方向に向かっているのか、その中で日本の企業の課題はなにか等が見えてきて、社長の視点を疑似体験することができました。当日も、自分が考えてきたこととは異なる良いアイディアを聞くことができ、大変勉強になりました。