Next Stageネットワーク

開催日:2021年08月26日

「J-Win Next Stage ネットワーク第2回定例会」を開催しました

「J-Win Next Stageネットワーク第2回定例会」を開催しました。
今回の定例会もオンラインでの開催となり、Next Stageネットワークメンバー187名が参加しました。

2021年度Next Stageネットワークの活動テーマ「問いを立て、徹底的に議論し、考え抜く~本質をつかむ力を身につける~」に沿い、複雑で目まぐるしく変化するVUCA時代における「課題発見・課題解決力」の重要性と、「哲学思考」でのアプローチを学びました。 Next Stageネットワークメンバーは、自身の思考のクセに気付き、思考方法・課題へのアプローチとして「哲学思考」が適用できる領域・業務などを考える機会としました。

問いを深め、本質を突き詰める

以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。
(*肩書き等は講演当時のものです。)

講演「問いを深め、本質を突き詰める『哲学思考』入門」
クロス・フィロソフィーズ株式会社 代表取締役社長
吉田 幸司 氏

経済格差のトレンドとコロナ危機

哲学思考

「哲学」とは「知恵を愛し求める」が由来。
「哲学する」とは、筋道を立てて追究していく知の営みである。答えを準備した問いを出したくなる人がいるが、前提を疑う、既存の言説・権威を批判してみる、など、物事を深掘りするために有効である。
ビジネスの世界における哲学の重要性は高まっている。哲学思考・哲学コンサルティングの導入を始めている企業も沢山ある。複雑で目まぐるしく変化するVUCA時代に、「組織やチームで共有できる普遍的なもの、存在意義」の提示が必要である。
会話の前後で考えが変わることをよしとしない風潮もあるが、当人が新しい発想を得て成長したとも言える。自ら課題を発見する、課題を設定することの重要性を認識しなければならない。
哲学シンキングにおいては、「問い」からスタートすることで力関係がリセットされセーフティな場となる。「問い」を考えるだけで終わらせず、その問いを整理し議論することも重要である。

女性の活躍

会社と女性社員の考える女性活躍像には「ずれ」がある。哲学することで「女性の活躍とは何か」という点に対する認識のずれを見出すことができる。問いを深め本質的課題を突きつめると、解決策は全く変わってくる。

 

~全体の感想 参加者アンケートより~

・Why思考について学ぶ機会はありましたが、いまひとつ府に落ちないところがありました。今回ご説明いただいた「問い」を「分類」、「展開」し「つなぐ」、というプロセスはとても分かりやすく非常に勉強になりました。
・考えを深め本質に近づいていくプロセスは、自分のイメージしていた哲学とは違っていて興味深かった。悩みの本質とは、解決策が見つからないことではなく、何が真の問題かわかっていないことというお話が腹落ちしました。
・「問いを立て、徹底して議論し、考え抜く~本質をつかむ力を身につける~」という今年度のテーマについて深く掘り下げることができ、今後の定例会への参加の準備ができるようになった。
・これまでとの講演とは一味違い、文字通り、考えて考え抜く時間でした。それをグループワークで共有できたことも大変有意義でした。
・直観で答えを出す傾向があり、問いを立てて考え抜くことに苦手意識がありました。今回の講演とワークショップを通じ、訓練すれば自分でも問いを立てて考え抜くことができるかもしれない、という感触を得られました。
・哲学とは経済活動とは距離があるものだと思っていたが、むしろ新たな価値創造にはなくてはならない視点だと知ることが出来た。
・問いを持つことの大切さ。講師から「最初と最後で意見が異なった場合、それは、その人が成長した証拠」というコメントが響きました。その視点で、業務に関わりたいと思います。

【吉田 幸司 氏のPROFILE】

クロス・フィロソフィーズ株式会社 代表取締役社長
上智大学哲学研究科博士課程修了、博士(哲学)
日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を経て、日本で初めて哲学を事業内容とした
クロス・フィロソフィーズ(株)を設立、代表取締役社長就任。
上智大学理工学部 物質生命理工学科 非常勤講師のほか、
日本ホワイトヘッド・プロセス学会理事、哲学シンキング研究所センター長、
『BIZPHILO』編集長など 幅広くご活躍されている。
組織の対話文化醸成や人材育成、ビジョン構築・共有などに使えるワークショップ
「哲学シンキング」や社会課題に関する「哲学コンサルティング」、経営者向けのコーチングや
セミナーを行っている。
『日本経済新聞』、『週刊ダイヤモンド』など、メディア掲載・出演多数。