High Potentialネットワーク

開催日:2021年06月18日

「J-Win 第11期High Potential ネットワーク・関西6月度定例会」が行われました

第11期 High Potentialネットワーク・関西では年間5回の単独定例会を予定しています。関西メンバーはこの単独定例会と分科会を同じメンバーで行うため、濃密なネットワークの構築ができるのです。今回はその単独定例会の第1回となる「J-Win 第11期High Potential ネットワーク・関西6月度定例会」を、2021年6月18日にオンライン形式で開催、22名の関西メンバー全員が出席しました。

■ ロールモデルからの学び

今回はロールモデルとして、NTTラーニングシステムズ株式会社取締役の前川祐賀子様(J-Win Executive ネットワークメンバー)をお招きし、スピーチとQ&Aセッションを行いました。関西メンバーそれぞれが具体的なキャリアイメージを踏まえ、明日からの「行動」を宣言するなど、関西定例会は和やかな雰囲気の中にも、しっかりと前を向き、歩みを始めようとするメンバーの気概が溢れていました。

【目 的】
ロールモデルからの学びにより、メンバーが課題を認識し、自分のキャリアと向き合うきっかけとする

【ねらい】
・管理職・役員のやりがい・魅力を知る
・ロールモデルの行動から取り入れたい考え方・取り組みを学ぶ
・主体的にキャリアを描くきっかけにする

【ゴール】
具体的なキャリアイメージをふまえて、明日からの「行動」を宣言する

以下にスピーチ、Q&Aセッションの様子をダイジェストでご紹介します。
(*肩書き等は定例会当時のものです。)

「キャリアビジョンを描く」
NTTラーニングシステムズ株式会社取締役 前川祐賀子氏

心のスイッチを押せるのは自分だけ

役員と言うといわゆるスーパーウーマンじゃないかと思われる方もいるかも知れませんが、私は決してそういったタイプの人間ではありません。これまでキャリアの節目で思い通りにならないこともありましたし、その都度悩みながら懸命にやってきました。

20代、30代、40代ではそれぞれのポジションで任された仕事に大きな魅力を感じて取り組んできましたが、50代になり、経営層として会社全体について、より多くの人と共に目標に向かって取り組む仕事が増え、「人を活かし、困難な仕事を共にやり遂げる(=喜び合える)こと」にやりがいを感じています。また、そういう立場になったからこそ、自分の価値観の発信も積極的に行うようにしています。働く女性の悩みは世界共通ですが、関西メンバーの皆さんには、まず今の自分に自信を持ち、その気になってほしい。"Switch on yourself"―心のスイッチを押せるのは自分だけですから。

ロールモデルを囲んでQ&Aセッション(抜粋)

Q:家事育児との両立が難しく、心が折れそうなときのモチベーションの保ち方をお伺いしたいです。
A:「子育てはマラソン」。長期戦なんだから、自分ひとりで頑張っても両立できないと思います。私は「絶対自分でなければできないこと以外は人に任せる」と発想を転換し、仕事も家事育児もやり方を180度変えて、抱え込まないようにしたら楽になりました。両方を完璧にやろうと思わずに、人の力を借りながら上手に息抜きすることも大切だと思います。また「大変なことがあるから喜びも大きくなる、人生を二倍楽しめる」と思うことで、前向きな気持ちになれました。

Q:プロフェッショナルとしての意識を高めて、マネジメントとして他の領域に広げていくことを想像しているが、この道を極めたと思ったのは、どんな時でしたか。今、自分にはここが自分の領域と言えるものがないのです。
A:30代の半ばで、インターネット接続サービス(OCN)のマーケティングを担当していた時。競合がひしめき合う厳しい市場環境の中、上司や先輩、ミッションの異なる様々なチームと連携してシェア獲得に向け取り組み、数年かけて組織で目標を達成しました。またその時に、自分がやりたかったのはこういう仕事なんだと気がつきました。今やっていることを軸として、近接領域にも興味の幅を広げてチャレンジしていくと良いのではないかと思います。

Q:会社側にキャリアについての希望、やりたい事をどのくらい伝えてきましたか、どのくらい伝えていいのでしょうか。
A:私は自分の希望を強く伝えることはありませんでしたが、「将来こういう仕事のチャンスがあれば、是非チャレンジしたい」と、常日頃から上司には伝えていました。希望がすぐに叶わなくても、今の仕事に全力で取り組んでいればチャンスが巡ってくることがあると思います。ただ、強く言いすぎると「その仕事しかやりたくない」と誤解を生むこともあるので、伝え方、発信の仕方は工夫が必要だと思います。

Q:次の10年間のキャリアを見据えて業務にあたっていたのでしょうか。見据えるにあたり、何をポイントにしたらいいですか。
A:若いころは身近にロールモデルがいなくて、10年先の事は想像もつきませんでした。一つのステップを乗り越えると、ようやく先の景色が見える、という事の繰り返しでした。しかし今はそうではないと思うので、迷うのであれば、自分がロールモデルと考える人に会いに行って、どうしてきたかどんどん聞くと良いと思います。役員なんて私には縁のないこと、と思っているかも知れませんが、日本の一部上場企業の女性役員は今1,500人以上います。10年後にはもっと増えて、女性役員が普通の時代になるのではないでしょうか。そういう未来も想像しつつ、自分はどうしたいのか考えてみると良いと思います。

メンバーの感想 ~参加者アンケートより~

  • 前川様から頂いたたくさんのお話すべてが、私たちに対するメッセージだと感じた。私たちが明日から取り入れられること、明日から変えられることを、ひとつでも多く提供しようとお話してくださっているのがひしひしと伝わり、非常にモチベーションが高まった。
  • TOPになる自信や能力や経験には条件はなく、経験の積み重ねがその人をTOPにさせるのだと感じた。なぜ「とりあえず行動し、機会を逃さずやれるだけの事をやる」必要があるのか、かなり腑に落ちた。
  • ロールモデルのプライベート及びビジネス両面の経歴を共有いただくことで、今のキャリアに至るまでの苦労、工夫してこられたことを具体的に知ることができた。それを通じ、自分自身が今後どのようなことを意識してプライベートと仕事を両立・充実させていくべきか、イメージを作ることができた。
  • 「今の自分に自信を持っていい」というメッセージに強く共感した。一歩踏み出さない言い訳をするのは簡単ですが、自ら行動を起こすという主体性をもってキャリアを積んでいきたいと改めて感じた。

【前川祐賀子氏のPROFILE】

NTTラーニングシステムズ株式会社 取締役 マーケティング部長
1988年同志社大学経済学部卒。
日本電信電話株式会社(NTT)入社。
京都支店、関西総支社広報室、本社国際部で勤務後、南カリフォルニア大学大学院へ留学、MBA取得。
帰国後、国際調達室で日米政府協議、マルチメディアサービス部でOCNサービスの企画・マーケティングに従事。
NTT再編成でNTTコミュニケーションズ株式会社に転籍し、1年間の育児休職を経て復帰。
その後広報室でグローバル広報、アプリケーション&コンテンツサービス部 で法人向けサービスの企画を担当。
2018年7月~現職。