High Potentialネットワーク
開催日:2021年04月22日
J-Win 第11期High Potentialネットワーク 4月度定例会を開催いたしました
第11期 High Potential ネットワークのキックオフとなる「J-Win第11期High Potentialネットワーク4月度定例会」を、2021年4月22日(木)にオンライン形式で開催、250名程のメンバーが出席しました。昨年度に引き続き新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、リモート環境下での活動のスタートとなりました。
ダイバーシティが経営戦略であることを理解する
活動のスタートにあたり、ダイバーシティが企業の経営戦略であることの理解とともに、J-Win活動の目的・プログラム概要・一年間の流れを共有。メンバー全員が、大きく変貌する世界の動きや日本企業が置かれた現状を再認識し、所属する企業の一員としての自覚を持って、活動に参加することの大切さを学ぶことからプログラムは始まります。
内永理事長による講演「経営戦略としてのダイバーシティ・マネジメント」では、急速に変化する時代に打ち勝つための経営戦略や、その中でのダイバーシティの重要性、女性がキャリアアップすることの意義などについて語られました。講演後の質疑応答はオンラインでのチャットを活用。女性活躍を阻むオールド・ボーイズ・ネットワークについての質問なども寄せられ、内永理事長からは体験談を踏まえ、上司とのコミュニケーション方法などについてアドバイスがありました。多くのメンバーが画面の前で大きくうなずき、今後キャリアアップを目指していくことを念頭に、1年間J-WinHighPotentialネットワーク活動を前向きに取り組むための心構えにもなったようです。
以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。
「経営戦略としてのダイバーシティ・マネジメント」
J-Win理事長 内永ゆか子
ビジネスの変化のスピードが加速する時代に企業が生き残るために
「第10期の活動は、すべてオンラインで終わってしまったのですが、今年こそは後半で皆さんに実際にお会いできるのを楽しみにしております。第11期の皆さん、J-Winによくいらっしゃいました。」 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって働き方は大きく変わり、多くの企業でテレワークが導入されるようになりました。これが大きなトランスフォーメーションに向けての第一歩となるのかも知れません。
J-Winの活動をスタートするにあたり、ダイバーシティが企業にとってどのような意味があるのかをまず理解していただきたいと思います。世界は急速にフラット化しています。世界中の出来事が瞬時に目の前の仕事に影響してきています。電話が固定電話から携帯電話へ、そしてスマートフォンへとあっという間に変わってきたことに象徴されるように、あらゆるものやサービスが急速に変化しています。企業間の競争もめまぐるしくなる中で、従来のビジネスモデルだけを踏襲していては、競争に打ち勝ち、走り続けることが難しい時代であり、ビジネスモデルそのものを変えていくようなチャレンジが求められています。こうした時に、これまでの同じ成功体験を持った人たちが一生懸命考えても、新しいビジネスモデルを生み出すことにつながりにくいものです。そこで必要なのが多様性、ダイバーシティの考え方です。まったく違うバックグランド、価値観、発想や背景を持った人たちの意見を柔軟に受け入れ、イノベーションが生み出されるきっかけを創っていく。だからこそ世界中の多くの企業が、このダイバーシティに注目しているのです。
経営戦略として求められている女性活用
世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップインデックス2021で日本は120位となりました。安倍内閣の女性活用を前面に押し出した政策により、企業では女性管理職、女性役員の数も増えたと言われていますが、世界では最下位のグループ。その理由は簡単です。このランキングは相対値での比較ですから、私たちが良くなっても、世界がもっと良くなれば遅れていくのは当然です。このことは、世界の企業が多様性を極めて大切にして、真剣に取り組んでいることの現れです。
企業が生き延びるために、企業が強くなるために多様性が必要なことは先ほど述べました。多様性と言うとすぐ外国人をイメージする方もいますが、多様性の第一歩は女性からです。理由は簡単、人口の半分は女性です。企業のなかにも女性は多くいます。大切な違いがあるとすれば過去の成功体験を共有していないこと。だから最もハードルが低いダイバーシティは女性になるのです。身近にいて多くを理解している女性ですら活用できないのであれば、他の多様性を活用するのは極めて難しいと考えます。
第11期 High Potentialネットワークメンバーへのメッセージ
自分のキャリアに対する目標を明確に持つこと。上司から定年退職の時にどのポジションまで上がっていたいですか、と聞かれたことがあります。自分のキャリアアップの目標は高くしましょう。視座を上げれば会社の見方も変わってきます、経営層の発言の理解力も変わってきます。
与えられたチャンスにチャレンジすること。せっかくのチャンスが与えられても、自信がない、まだ早いと尻込みする人が多いのも事実です。自らがチャンスの芽を摘まないで、どのような理由であれ訪れたチャンスを受けて、チャレンジしてください。
個人としての価値、強みを持ってください。オールラウンドプレイヤーになる必要はありません。
社内外の人とのネットワークを大切にしてください。キャリアアップしていく中で、能力よりも大切なものに人的ネットワークというものがあります。社内であれ、社外であれ、このネットワークはあなたが活用できる力ということになります。
メンターを活用すること。Top Executiveにメンターに相応しい人を見つけたら「私のメンターになってください」と直接お願いしてみてはいかがでしょうか。
そして、馬に乗ったら降りない。人生は楽ではありません。大きいことにチャレンジできれば、喜びも大きくなります。会社という力を借りて大きな仕事にチャレンジしてください。
キャリアアップのチャンスは訪れます。その時に考えてほしいのはなぜ会社が女性活躍推進をやるのか、ということです。女性のため、あなたのためではありません。多様な人材を活用して、会社の中に新しい発想、新しい価値観を創り上げるため、そのステップのひとつとしてやっているのです。ぜひその点を理解し、これからのJ-Winネットワーク活動にも取り組んでいただきたいと思います。
講演の感想 ~参加者アンケートより~
- ビジネスをやること、管理職になって頑張ることは、人生を豊かにする事である。自分の人生を振り返った時に、やり切った、充実した人生だったと思えるようになってほしい、と理事長からのキャリアアップに向けた熱いメッセージがとても心に響きました。
- 「企業が勝ち残っていくためには、カルチャーを変える必要があり、そのための女性活躍推進」というお話が、自分自身の中にストンと落ちてきました。J-Win活動を通じて、視野や人脈を広げ、自社のために貢献できる力を身につけていきたいと感じました。
- ダイバーシティは経営戦略であるこという考え方を初めて知り、自分も含め今後の社内でのダイバーシティー活動にも活かしていきたいと思った。また、現在正直なところ自分が管理職になっていく自信がないですが、過去J-Winへ参加された方々がこの活動を通した様々な学びの中からキャリア思考が上昇したということを聞き、今後自分に起きる変化にも注視していきたいと思います。
- 自分も含めて、女性の場合は「小さな子供を抱えているから」とか、「今までのやり方がこうだから」など、不要な遠慮をしてしまっていたり、意見を出せずにいることで自らチャンスを逃していると思う。女性を取り巻く環境だけでなく、女性自身がもっと積極的になれれば日本のダイバーシティ活動にも大きな変化が現れると感じた。今回の講演を聞いたことで、自分も与えられたチャンスはしっかり掴んでチャレンジしよう、というポジティブな気持ちに変化できた。