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ダイバーシティ推進活動
「2019年度 第5回・第6回・第9回ダイバーシティ推進責任者会議」を開催しました。
2020/09/18
「2019年度第5回、第6回、第7回ダイバーシティ推進責任者会議(課題検討会/情報共有会②③④)」を、2019年8月27日、9月12日、12月17日に東京ウィメンズプラザにて開催しました。
■課題検討会/情報共有会 テーマ: 「意思決定層への女性登用」
2019年度の課題検討会/情報共有会は、女性活躍推進の取り組みの上で重要な課題である「意思決定層への女性登用」をテーマに、会員同士で意見交換を行い自社の課題解決のヒントを得ることを目的とし、4回シリーズで実施しました。 各回とも、議論するテーマに関連する課題や取り組みの事例を会員企業より紹介した後に、テーマについて紹介者も交え参加者同士でディスカッションをおこない、課題解決のヒントを探るという構成で進行しました。
① 7月23日開催 第4回ダイバーシティ推進責任者会議
「意思決定層への女性の登用」に関する課題の洗い出し
② 8月27日開催 第5回ダイバーシティ推進責任者会議 「男性の意識」に対する深掘り
③ 9月12日開催 第6回ダイバーシティ推進責任者会議 「無意識のバイアス」事例抽出
④ 12月17日開催 第9回ダイバーシティ推進責任者会議
まとめ (「オールド・ボーイズ・ネットワーク」)
② 8月27日開催 「男性の意識」に対する深掘り
企業事例紹介: 「イクボスをキーファクターとした役員・管理職の意識醸成」
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 濱畑 めぐ美 氏
シリーズ2回目では、1回目で洗い出した課題の中から、特に今後注力していきたい課題として「男性の意識」を取り上げ、深掘りをおこないました。
企業事例として、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 濱畑 めぐ美氏より 「イクボスをキーファクターとした役員・管理職の意識醸成」について、同社で実施している具体例を提示いただきました。 イクボスの育は育成の「イク」であり、部下、自分、職場の3つを育てることができる「ボス」とし、経営トップ自ら率先してイクボス宣言をおこなうことから始め、イクボス研修や宣言の実践を部室店長、全管理職と上から下へと広げていき、意識付けに成功した事例を説明いただきました。具体的な仕組みをイメージすることができ、大変参考になる取り組みでした。
続いて「男性の意識が変わらないのは何故か」をテーマに、3グループに分かれディスカッションを実施。意思決定層へ女性を登用する際に障壁となっている男性の意識について、事例紹介の内容も参考にしながら率直な意見交換をおこなった結果、男性の意識が変わらない原因として以下の点があげられました。
○思い込み: 女性に対する固定観念、仕事のやり方に対するこうあるべきといったルール
○粘土層の存在: 成功体験がありなかなか変えたくない、変わらない
○働き方の理解不足: 制度は自分から率先して使わない
○コミュニケーションの問題: 相互理解の困難さ
○ダイバーシティの理解不足: 届いていない、腹落ちしていない
この中で最も大きな課題として取り上げられたのが、無意識のバイアスである「思い込み」。男性の意識を変えていくためには、思い込みの存在を理解することから始め、単発的な取り組みではなく、継続的に施策を実施していく必要があるとの意見に集約されました。
③ 9月12日開催 「無意識のバイアス」事例抽出
企業事例紹介: 「ダイバーシティ研修~自分の軸を探る~」
ピジョン株式会社人事部人事総務部 チーフマネージャー 有川 裕子 氏
シリーズ3回目は、2回目で深掘りした「男性の意識」のキーファクターとなる「無意識のバイアス」について議論を深める会となりました。
企業事例としてピジョン株式会社 有川 裕子氏より「ダイバーシティ研修~自分の軸を探る~」について紹介いただきました。同社では、見た目の違いではなく、多種多様な知識と経験を持つ人が集まったタスク型ダイバーシティを標榜しており、自分の信念や大事にしている事(自分軸)を認識し、自身の今後のキャリアや組織への貢献に結び付けていくことを目的としたダイバーシティ研修を行っています。管理職一歩手前の女性を対象としていたこの研修を、男性社員にも広げて実施したところ、男性たちが自身の持つ無意識のバイアスに気づくという効果があることが分かり、継続して実施しているとのことです。無意識のバイアスに対する具体的な研修内容として大変参考になる事例共有でした。
グループディスカッションでは、組織において考えられる「無意識のバイアス」事例を洗い出し、その対策を検討。以下のような項目があげられました。
○女性への固定観念: 女々しい、男勝り、女性のくせに、男性は過程よりも仕事を優先する など
○能力への固定観念: 女性に向いているポストがある、女性リーダー像=バリバリ仕事をしている など
○男性上位の思考: 女性の下には付きたくない、女性目線の意見、女にしておくのはもったいない など
○過去への固執: もっと働いてよ、休暇を取る人はやる気がない、職種・経歴による偏見
これらのバイアスが「女性への余計な配慮」「女性の仕事の機会の搾取」「評価の偏り」「従来の男働き」といった現象を引き起こしていること、このことが「オールド・ボーイズ・ネットワーク」そのものであり、結果的に女性活躍推進を阻んでいるということを確認しました。
最後に、「無意識のバイアス」への対応施策として、セミナーや研修に加え、チェックシートアセスメントや見える化など、各社が実施している事例が共有されました。
④ 12月17日開催 まとめ (「オールド・ボーイズ・ネットワーク」)
事例紹介: 「D&I推進の現状と課題~実効性のある女性登用へ」
株式会社東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長 宮原 淳二 氏
シリーズまとめの4回目は、3回目で確認された、女性の活躍を阻んでいる「無意識のバイアス」を中心とした「オールド・ボーイズ・ネットワーク」がテーマ。
J-Win男性ネットワークで活動しているメンバー3名を迎え、男性管理職が女性の後押しや引き上げをどのように実践しているのか、実際にどのような思いで女性活躍を推進しているのか、参加者と意見交換を行いました。
事例紹介として、J-Win男性ネットワークで活動中のメンバーでもある株式会社東レ経営研究所 宮原 淳二氏より、実際に男性管理職を対象とした研修でおこなっている内容などをお話しいただきました。人は動きたくなる根拠があり、行動し、結果となるという「人が動くABCモデル」など心理的な面からの話や、管理職登用時の男性と女性のエンパワーメントの違いの解説、クイズ形式のケーススタディの説明など、楽しく分かりやすい研修内容について紹介いただきました。
続いて、今年度の男性ネットワーク活動で進められている3つの分科会の内容と進捗状況について、代表メンバーより共有されました。
男性ネットワークメンバーを交えてのグループディスカッションでは、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」を男性管理職自身がどのようにとらえられているのかなど、意思決定層への女性登用の障壁となっている「男性の意識」を中心に、事例の共有や議論がおこなわれました。
参加者からは、「男性も女性部下に気をつかっている。守りに入っていることが分かった」「各社の取り組みが知れて良かった。どの会社も男女のジェンダーだけに注目したセミナーでは、対応が難しくなっていると感じた」「ローテーションなど、仕組みをつくるヒントをいただきました」などのコメントが寄せられました。
会の最後に、まとめとして事務局より
「第8回ダイバーシティ推進責任者会議(内永理事長とのラウンドテーブル)」
における議論のポイントを提示し、「意思決定層への女性登用」をテーマとした今年度4回の「課題検討会/情報共有会」を終了しました。
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