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ダイバーシティ推進活動
2019年度 第8回ダイバーシティ推進責任者会議」を開催しました
2019/12/20
2019年10月30日(水)に「2019年度 第8回ダイバーシティ推進責任者会議」を東京ウィメンズプラザにて開催しました。
■内永理事長とのラウンドテーブル
ダイバーシティを推進されている会員企業のご担当者様を対象に、日頃抱えていらっしゃる課題や疑問などを、他の出席者や内永理事長と共有し、対話を通じて解決のヒントを見つけていただくことを目的として、ラウンドテーブルを開催しました。 テーマは、本年度のJ-Win活動の重点項目である「部長職・役員である上級管理職登用に向けての取り組み」。今回は、新任のダイバーシティ推進担当者の参加が多かったこともあり、はじめに、内永理事長より女性活躍推進についての現状の説明と、ダイバーシティを担当される参加者に対するメッセージを伝えました。
ダイバーシティ推進者はダイバーシティ推進の本質を理解すること、したたかになることが必要
世界経済フォーラムが毎年発表している「ジェンダーギャップ指数」の推移にある通り、日本のダイバーシティは世界に対して遅れをとっており、その差はますます広がっています。日本の企業がグローバルで勝ち残るためにはダイバーシティが必要であり、その第一歩が女性活躍なのです。マイノリティの中のマジョリティである女性の活躍推進は、多様性の中でも一番ハードルが低く、効率も良く、効果が期待できます。ですから、女性からはじめるのは当然なことです。なかなか進まない状況の中で「まだ女性なのか」という声もありますが、政府の掲げる数字を達成することが目的では無く、政府の声を追い風にしながら企業を変革し成長させることが目的なのです。そのためには、意思決定層である部長・役員に女性リーダーを輩出することが必要で、管理職一歩手前までの育成が進んできた今からが本当の女性活躍推進といえます。その本質を理解しつつ、J-Winを上手く活用して推進してください。
また、今年度4月に会員企業に行ったアンケート結果から、ダイバーシティ推進担当者が注目している課題が「男性の意識」であることがわかっています。「どのように男性役員や管理職を巻き込んでいったらよいか」という悩みをよく聞きます。企業の中で全員に理解してもらうことは無理かも知れませんが、2~3割の理解者がいれば組織は変わります。ぜひ、3割のキーになるステークホルダーを作ってください。また、一番良いのはトップに動いてもらうことです。そのためには、ダイバーシティ推進担当者がしたたかになることも必要です。
続いて、事前に参加者から収集した各企業の課題に対して内永理事長から意見を提示し、さらに参加各企業における状況の紹介や意見交換などが積極的に行われました。以下に内容を抜粋してご紹介します。
推進を加速するにはトップに動いてもらうことが重要
経営層や幹部が、女性に責任ある仕事を任すことに消極的で、女性が入ると面倒という気持ちがあるという課題について。役員や男性管理職を動かすのに一番良いのは、トップに言わせること。社長と、女性候補者が所属している部署の役員、人事トップの3人に動いてもらえれば女性活躍は進む。そのために、まず、トップとのパイプを作ること。また、総論賛成各論反対の人に対しては、具体的にどうしたら動いてくれるのかを詳細に詰めていく事も大切で、一人で背負わず、相談したりバックアップしてくれる人を作ってほしい。
実力による男女評価は本当に平等なのか
意思決定をする層に女性をどうやって上げていくかが課題だが、多くの企業ではダイバーシティ担当者は人事の権限を持っていない。人事に権限が移ったとたん、旧泰然とした昇進制度になる。人事はよく「上級管理職の評価は男女イコールで公平に、実力主義で」と言うが、本当に公平なのかが疑問。現在の実力は過去の経験やトレーニングによるもので、男性と女性では、経験も場数もロールモデルの存在も大きな差がある。男性は十分な教育と環境の中で育っているが、女性はそうではない。現時点の能力だけで評価するのではなく、将来の可能性、ロールモデルとしての役割や外に対するアピール効果、リクルーティングのエビデンスといったプラスアルファの要素を評価するべき。可能性に着目した方が、これからの会社にとってもプラスになる。このことをわかっている企業のトップは、アファーマティブアクションを起こしている。
また、男性を含め評価者の一番の課題は、「自分自身がバリアだ」と言うことに気が付いていない点。アンコンシャス・バイアスは存在するものだと思って活動する必要がある。評価については、評価ポイントを数値化することでバイアスも少なくなり、公平な視点で見ることが出来るようになる。
女性のリーダー候補者の早い段階でのスクリーニングが必要
相変わらず、管理職を目指すことに積極的な女性が少なく、女性の意識が課題だという会社が多く存在する。優秀だが一歩踏み出せない人の後押しをしてほしいが、それでもネガティブな人は置いていくしかない。学校教育ではなく、あくまで企業の人材育成としてみることが重要。女性全員を昇格させることが目的ではなく、意思決定層に女性を登用することで、企業の変革を促すことが目的である。そういった視点で人を見たり情報を取ったりしていると、選抜対象者が自ずと見えてくるもの。
女性候補者を早い段階からスクリーニングすることも必要で、将来の管理職候補として、たとえば100名の中から30名をどう選ぶかが、大事な最初の関門になる。
技術系の女性には技術系メンターをつけて実績を作る
開発部門でなかなか女性が育たない、24時間張り付く業務が多くそこで脱落してしまうなど、技術系女性のキャリアについて。技術系はパテントやプロジェクト、論文などの実績がないと上のポジションに上げにくいが、実績を出す時期とワークライフバランスの問題が出てくるタイミングが重なると言われている。対応するには、実績を出すための仕組み作りとコミュニティが大事。IBMでは技術系のメンターを付け、パテントや論文のアドバイスやサポートをした。実績が出せるようになると周囲も評価するようになった。結果IBMでは技術系のラインで、ジェネラリストのラインと同じ比率にまで女性活躍を推進できた。
<参加者のアンケートコメント抜粋>
-とても心強いアドバイスをいただけた。なぜ女性なのか?という問いの答えが出た
-社長を動かす仕組みを考えること。女性が陥りやすいところなど、視野が狭くなっていることへの気づきがあった
-自分自身にもバイアスがあることに気づかされた。大きな気づきだった。バイアスをなくしてアプローチ方法を考えたい
-個別面談やスクリーニングを取り入れられている事例をお伺いでき、参考になった
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