「2019年度 第2回ダイバーシティ推進責任者会議」を2019年5月23日(木)にTKPガーデンシティPREMIUM秋葉原にて開催しました。
今回の中心プログラムは、毎年恒例である「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」受賞企業によるベストプラクティス発表およびQ&Aセッション。はじめに事務局より「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」の結果から、職位別の女性の活躍状況、J-Winが推奨する取組8領域や具体的な施策の実施状況などを紹介。続いて4社によるベストプラクティス発表を行い、4社の発表者を囲んだ少人数のQ&Aセッションを実施しました。
各グループとも参加メンバーから積極的に質問が飛び出し、活発な議論が展開。先進企業のD&I推進の取組事例の詳細や工夫したポイントなどを具体的に共有し合い、自社へのヒントを持ち帰る、充実した会となりました。
■2018年度J-Win会員企業におけるD&I推進状況
■「2019 J-Win ダイバーシティ・アワード」受賞企業4社の取り組み紹介
また、本会議に続き、J-Win Next Stageネットワークメンバーによる2018年度活動の集大成である「2018年度Next Stageネットワーク活動報告会・交流会」を同会場で開催。各企業が「意思決定層への女性登用」を促進するために重要な意味をもつNext Stageネットワークの活動について、ダイバーシティ推進部門の方に理解を深めていただく機会となりました。
■2018年度J-Win会員企業におけるD&I推進状況
※詳細は「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」特集を参照ください。
「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」応募企業全社平均における正社員の女性比率は28.1%であり、管理職一歩手前までのパイプライン形成は着実に進みつつある。しかし、この管理職一歩手前で人材が滞留している様子がうかがえる。過去3年間この傾向は変わっておらず、管理職、特に意思決定層である部長職、役員という上級役職層への女性の輩出はD&I推進の喫緊の課題である。採用(新卒、キャリア含む)の女性比率では、過去3年とも正社員の女性比率を上回っており、継続的に女性の採用が強化されている。一方、平均勤続年数の男女格差指数(女性の平均勤続年数÷男性の平均勤続年数)は前回(2018アワード)の0.82から変わっておらず、定着における男女差の解消の歩みは依然鈍い。各社の取り組みの傾向については、女性活躍の業務目標への位置づけ、KPIの設定、意識調査の実施など、D&I推進体制に関する実施率が高い。また今回の特徴として、男性の意識改革を促進するための取り組み(男性管理職へのマネジメント研修、男性社員対象の無意識のバイアスやイクメンセミナーなど)が半数以上の企業で実施されていることが挙げられる。
■「2019 J-Win ダイバーシティ・アワード」受賞企業4社の取り組み紹介
※各社の取り組みの詳細は「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」特集を参照ください。
●全日本空輸株式会社 【アドバンス部門 大賞】
人財戦略室 人事部 ダイバーシティ&インクルージョン推進室 室長 宇佐美 香苗 氏
2015年ANAグループ経営トップによる「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を起点に、D&Iが経営戦略であることを改めて位置づけ、経営層から管理職、現場の社員に至るまで、グループ全体でD&Iの価値を共有する推進体制を継続している。また、様々な取組を実施検証し横展開することにより、短期間で複数の女性役員輩出に繋げた。加えて、男女役割分担意識のあった職種に、女性あるいは男性の活躍の場を増やすなど、職域の拡大も意識的に行っている。
●日本航空株式会社 【アドバンス部門 準大賞】
人財戦略部 部長 福家 智 氏
人財戦略を重要な経営課題の一つとして据え、経営の明確な意志として目標を掲げるトップダウンと、グループ横断ネットワークのボトムアップで、全社一体となった女性活躍の推進を行っている。正確な分析をもとに女性リーダー輩出に対する課題を把握し、様々な施策を展開している。ライフイベントに対応した取組の仕組み化や、育児や介護などを理由に一度仕事から離れた女性の再就職支援、人事評価制度の見直しなど、あらゆる職場で女性活躍拡大に向けて挑戦している。
●デロイト トーマツ グループ 【ベーシック部門 ベーシックアチーブメント 大賞】
デロイト トーマツ合同会社 人事・タレント ダイバーシティ パートナー 林 敬子 氏
「Inclusiveな風土を醸成し、誰もが認めるD&I推進企業」実現のために、グループCEOのリーダーシップのもと、グループ内の主要法人トップ自らが積極的に関与する推進体制を構築し、経営意思決定の場における女性登用を進めている。D&Iをグループの重点課題に掲げ、働き方の柔軟性・多様性、ワークライプマネジメントなど全方位的な施策を展開することで、Inclusiveな職場環境を実現している。また、女性を対象としたリクルーティングセミナーの実施など若い世代に対する意識醸成にも積極的に取り組んでいる。
●SGホールディングス株式会社 【ベーシック部門 ベーシックアチーブメント 準大賞】
人材開発部 シニアマネジャー 小林 香織 氏
トップの強力なコミットメントのもと、「収益の30%を女性が担う体制の確立と企業文化や業界の地位向上」に向けて、「わくわくウィメンズプロジェクト」を軸にグループ一丸となったダイバーシティ&インクルージョン推進を継続している。男性中心の業界の中で、女性の活躍の拡大の為に、労働環境の整備、職域拡大・管理職登用、女性参画のビジネス展開など様々な施策を実施するとともに、男性の意識改革にも取り組んでいる。
<参加者のアンケートコメント抜粋>
-Q&Aセッションは大変良い時間だった。各プレゼンも丁寧なもので学びになった
-自社の施策の策定について、とりかかりの糸口が見つかり良かった
-課題の捉え方や経営層の巻き込み方など取り組みが素晴らしかった