2016年3月4日(金)、「2016 J-Win ダイバーシティ・アワード」の表彰式が行われました。
企業賞受賞4社、個人賞受賞3名の授賞理由、および審査委員長 樋口 恵子氏(東京家政大学 名誉教授)の講評をご紹介致します。
発表資料はこちら（ニュースリリースへリンク)

企業賞：

個人賞：

「2016 J-Win ダイバーシティ・アワード」企業賞

【アドバンス部門】

■ 大賞：第一生命保険株式会社
代表取締役社長 　　　　　　渡邉 光一郎　様
＜授賞理由＞ 　DSR経営による持続的価値創造の実現を目指し、経営トップの強い信念と実行力のもと、女性活躍推進の第一フェーズから女性リーダー早期育成の新たなフェーズへと確実に進展させている。女性リーダーを組織全体で体系的に育成するとともに、ワークスタイル変革をトップダウンとボトムアップから加速している。こうした力強くスピード感ある推進により、さらなる発展が期待できる。 特に評価された施策・取組みは、次の通り ●女性リーダーの早期育成に向けた体系的な取組み 　－役員の女性リーダー育成への直接関与の強化 　　・女性社長塾（役員候補者向けの社長によるメンタリング） 　　・役員によるメンタリング・スポンサーシップ 　－上位職女性による女性リーダー育成支援 　－マネジメント研修における男性上司向けマインドセットと女性リーダー候補者の育成計画策定 　－2期連続で女性執行役員を登用し、社外取締役とあわせ、女性役員は合計４名に。 　　女性管理職比率も23.3％に上昇する予定　（2016年4月見込み） ●「ワークスタイル変革」をトップダウンとボトムアップから加速 　－4万名超の営業職員の、提案から新契約手続きの全工程を専用タブレットで完結 　　・お客様満足度向上/手続き期間短縮/業務効率化 　－内勤職員によるワークスタイル変革と業務効率化を前提とした付加価値創造

■ 準大賞：株式会社リクルートホールディングス

執行役員 　　　　　　　　　　　冨塚 優　様

＜授賞理由＞ 経営理念の「個の尊重」を基本に、女性活躍推進の次なる進化として、マネジメントと働き方変革に挑戦している。Career Cafe 28 BOSSによるマネジメントへの取組みを進めるとともに、「働き方変革プロジェクト」を発足し、全ての従業員を対象としたリモートワークを本格導入し(*1)、場所と時間にとらわれない新しい働き方を実践している。こうした先進的な取組みにより、さらなる進展が期待できる。 特に評価された施策・取組みは、次の通り 　●マネジメントへの取組み 　　－Career Cafe 28 BOSS （女性メンバーをもつ管理職向け研修） 　　　・女性活躍推進の意義/早期育成の理解/コミュニケーション手法を学ぶ研修 　●本格的な働き方変革に着手 　　－全ての従業員を対象としたリモートワークを本格導入(*1) 　　　・グループ計約2,000名が対象 　　　・オフィス変革（社員の席を固定しないフリーアドレスエリアの導入） 　●女性の意識改革への取組み 　　－女性経営者育成プログラム 　　－Career Cafe 28（若手女性社員研修） 　　　*1 実施企業：リクルートホールディングスの他、リクルートアドミニストレーション、 　　　　　　　　　リクルートマーケティングパートナーズにおいて導入

【ベーシック部門】

■ ベーシックアチーブメント 大賞：アフラック

日本における代表者・社長　 　　　山内 裕司　様

＜授賞理由＞ 「活力ある企業風土」の実現のために、2015年を女性活躍推進元年として、女性活躍を一気呵成に推進している。経営トップのリーダーシップのもと、トップから各部門に至るまでのPDCAを回す強固な推進体制を整え、全社全層への施策実行と強化層への集中施策により、女性リーダーのパイプライン強化を進めている。こうしたスピード感ある取組みにより、さらなる推進が期待できる。 特に評価された施策・取組みは、次の通り 　●経営トップのコミットメントと強力な推進体制 　　－数値目標公表（2020年指導的立場に占める女性の割合を30%以上） 　　－日米経営陣のコミット（ Aflac Women in Leadership Global Conference 共同宣言) 　　－タウンホールミーティング全国開催（社長との直接対話、延べ650名） 　●全社全層への施策実行と強化層への集中施策 　　－全社全層を対象に年間を通じて施策実行 　　－強化層女性社員（課長代理手前）へ集中した施策実施 　　　・育成計画策定、キャリアプラン研修、メンタリングなど 　●働き方の変革 　　－「Work SMART」 　　　・仕事の進め方を抜本的に見直し残業時間の削減 　　－業務プロセスの可視化 　　　・全社業務手順書の策定・整備 　　　・「営業原典文書システム」 ポータルの整備（営業・マーケティング部門）

■ ベーシックアチーブメント 準大賞：株式会社千葉銀行
取締役専務執行役員 　　　　　　 大久保 壽一　様
＜授賞理由＞ 「ダイバーシティで強くしなやかに」をスローガンに、頭取の強いリーダーシップのもと、数値目標達成に向けた計画を策定し、女性リーダー輩出に取り組んでいる。銀行全体の意識改革に取組み始め、男性の育児参加を促進するとともに、業務効率化のプロジェクトチームを立ち上げ、働き方の改革に取り組んでいる。こうした果敢な推進により、さらなる進展が期待できる。 特に評価された施策・取組みは、次の通り 　●女性登用の数値目標を見据えた計画的育成 　　－輝く女性応援ワークショップ（管理職前の女性から選抜、本人・上司を対象） 　　－女性リーダー育成体系の見直し（階層が上がる毎に段階的に研修を受講） 　　－上級管理職候補者育成 　　　・頭取とのラウンドテーブル、女性社外取締役とのラウンドテーブル 　●管理職の意識改革 　　－イクボスセミナー実施（2015年度上期:男性育休取得率　57.9%） 　　－本部評価制度における女性活躍推進項目の設置 　●働き方の改革 　　－「業務効率化及び早帰り推進委員会」による業務プロセスの見直し 　　－本部評価制度における業務効率化項目の設置

「2016 J-Win ダイバーシティ・アワード」 個人賞

■ 経営者アワード： 損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社　グループCEO　取締役社長　櫻田 謙悟　様

グループCEO　取締役社長 　　　　　櫻田 謙悟　様

＜授賞理由＞ 「Diversity for Growth」をスローガンに、強力なリーダーシップを発揮してダイバーシティを推進している。「女性経営塾」を自ら指導し、精力的に将来の経営層を育成するとともに、女性活躍推進の仕組みを全国に展開し、グループ全体で推進する組織風土の確立に多大な影響力を発揮している。こうした女性活躍推進に対する確固たる使命感とリーダーシップは、称賛に値する。

株式会社リクルートホールディングス　代表取締役社長 兼 CEO　峰岸 真澄　様

代表取締役社長 兼 CEO 　　　　　　　　峰岸 真澄　様

＜授賞理由＞ ダイバーシティはリクルートの企業フィロソフィーそのものであるとし、企業経営に盛り込み、グループ各社の自律的な推進を牽引している。女性経営者候補育成プログラムを、自ら指導するとともに、女性が活躍する社会実現のために、働き方の変革に本格的に取組み始めている。こうした変化する時代を先取りした挑戦とリーダーシップは、称賛に値する。

■リーダー・アワード： 全日本空輸株式会社　業務プロセス改革室 イノベーション推進部 部長　荒牧 秀知　様

イノベーション推進部 　　　部長　荒牧 秀知　様

＜授賞理由＞ ANA創立60周年の「強く生まれ変わる」のメッセージのもと、「業務プロセスの大改革」に果敢に着手した。ITツールを活用し、各部門の業務の見える化を徹底的に行い、時間や場所にとらわれない職場環境を整備し、女性の働きやすさを大いに向上させた。こうした全社レベルでの業績向上に繋がる行動力とリーダーシップは、称賛に値する。

審査委員長講評　樋口　恵子 氏　東京家政大学名誉教授
J-Winダイバーシティ・アワードにご参加の皆様に、本年はあらためて敬意を表したいと存じます。時代に先がけて、時代の風を感じ取り、ダイバーシティ＆インクルージョンをすすめてきた皆様の先見性と実行力に対する敬意です。昨年8月、女性活躍推進法が成立、本年4月1日より施行されます。政策がようやく皆様の活動に追いついてきたのです。 　本年はそういう、歴史的区切りの年。J-Winの活動にとっても、スタートラインを再確認する年でもあります。 ファイナリスト10社(*2)を私ども審査委員が訪問させていただき、今年も新たな発見が多々ございました。女性の昇進、活動範囲の拡充に力を注ぐことはもう「あたりまえ」であって、男性社員を含めた「働き方の改革、見直し」に、ほとんどの企業が取り組み、成果をあげておられました。 　地域の自治体をはじめ団体と共にD&Iをすすめる先進的な動きが出てきたのは、ことしの特徴でした。日本の未来のキーワード「地域」のリーダーシップを発揮する企業の新しい挑戦が始まっていることを心強く感じた次第です。

*2 ファイナリスト10社は以下の企業です(企業名 50音順)
【アドバンス部門】
　・あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
　・イオン株式会社
　・損害保険ジャパン日本興亜株式会社
　・第一生命保険株式会社
　・株式会社リクルートホールディングス

【ベーシック部門】
　・アフラック
　・全日本空輸株式会社
　・株式会社千葉銀行
　・日本航空株式会社
　・プルデンシャル生命保険株式会社

以上