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ダイバーシティ推進活動
2021年2月15日に「第9回J-Win男性ネットワーク」定例会を開催しました
2021/06/08
J-Win 第9回男性ネットワーク定例会を2021年2月15日に開催し、男性ネットワークメンバー18名がオンライン参加しました。
■ アジェンダ
(1) 分科会活動状況の共有
(2) 古賀様からのご助言と講話
(3) 参加者感想
(4) 古賀様総評
■ 経営者に学び、気づきを得る
古賀伸明様 (公益財団法人 連合総合生活開発研究所 理事長、 J-Win理事)
男性ネットワーク活動の目的は、企業の経営戦略であるダイバーシティ&インクルージョンを推進・加速させること。そのためには、男性管理職自らが女性活躍推進を阻んでいる「オールド・ボーイズ・ネットワーク」の存在に気付き、自分事として受け止め、課題を抽出し、議論を深め、解決策を導き出し行動を起こしていくことが重要です。
第9回男性ネットワーク定例会では、まず初めに4つの分科会(チーム名:理想の管理職・バイアスについて考える・本気で1on1推進・Sixteen%)より活動状況の共有がおこなわれ、その後、公益財団法人 連合総合生活開発研究所理事長の古賀伸明様より講話をいただきました。
■ 講話
ダイバーシティの意義について考えてみたい。
ジェンダーギャップ指数で、日本が世界から大きく取り残されている現状をどう見れば良いのか。これまでの経験則だけで答えを見つけることは難しく、あらゆる仕組み、システムを変えていかなければならない。私たちの働き方、暮らし方についても、これまでの価値観が通用しないことから大胆な変化が求められる。
日本にとって、2つの大きな視点がある。1つ目がグローバル化と民主主義、国家主権と市場経済は本当に共存できるのか。2つ目の視点が、成熟化社会、超少子高齢化、人口減少社会といったこれまで経験したことがない環境の中で働き、暮らしていかなければならないこと。成長から成熟という文化の深み、厚さを追求していく。目標に対し、いかに早く到達するかという時代ではなく、目標を自らがつくる、無から有を創り出していく時代になっている。
業界の垣根も無くなる。グローバル化で国境も無くなっていく。デジタル技術の進展によって経済を支えるのが有形から無形へと変わっていく。モノやサービスをどれだけ創るか、と言うことよりも何を創ったら良いのか、という問いに答えなければならない。
企業も思慮深い資本主義、株主優先からかじを切り、社会全体を見据え、あらゆるステークホルダーにとっての価値を高めていく必要がある。世界経済会議でも、資本主義の再定義をテーマに「グレートリセット」を掲げている。企業には、配当より従業員の雇用を求め、解雇を避けることが求められる。企業そのものが社会的な課題に取り組まなければならない時代になっている。
これからの時代に何が必要か。
1つ目はトライ&エラー。多少不確実であっても、トライして、失敗から学ぶ。チャレンジすることに重きを置き、失敗から学ぶ風土、文化をどうやって創っていくか。
2つ目は多様性。多様な意見を統合させて、新たなトレンドをどう創っていくかがダイバーシティ。これまでの枠組みとか価値観にとらわれず、新しく多様な視点がダイバーシティの価値となる。さまざまな個性や意見を持つ人が、それぞれの価値観を主張し、議論し、チャレンジすべき方向性を決めていく。
既存のビジネスモデルにとらわれていては、企業の存続は叶わない。イノベーションを生み出すにはダイバーシティが必要だ。それを実践・実行していくのが男性ネットワークのメンバーであり、第一線で活躍する管理職の皆さん。
性的役割分担意識は払拭されているか、評価・人事制度はうまく機能しているか。昇格人事では、男性の場合は実績と実務能力に加え可能性でも評価される傾向にあるが、女性には実績と実務能力だけに焦点があてられている。女性の可能性を観ずに、家事・育児との両立など減点法で評価しているのではないか。女性個人の意識の問題があると言う人がいるが、管理職の魅力、やりがい、人生を豊かにすることなどを伝えているのだろうか。オールド・ボーイズ・ネットワークの世界では、女性の人材育成を行ってこなかった。それゆえ、ロールモデルも特定の人に限られていた。
制度・組織より、風土・文化。それを創り出していくのが上司や管理職の皆さんの役割。上司、管理職の覚悟が企業、組織を変えていく。働く側の意思を尊重しながらダイバーシティ経営というものを考えていって欲しい。若い人の意識は、私や皆さんとも違う。彼らは意識を持って変えようとしている。管理職である皆さんの変革への躊躇が、若い人の芽を摘むようなことになってはならない。
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