世界経済フォーラムが発表する日本のジェンダー・ギャップ指数は10年間の推移で見てみると94位から121位までランクダウンしています。日本も積極的に取り組んでいますが世界のスピードに追いついていないのです。さらに2016年の女性活躍推進法の施行により、世の中の関心事は女性活躍から働き方改革へと移ってしまったのも、日本のダイバーシティが進まない要因の一つとなっているのではないでしょうか。
J-Winでは女性活躍を阻む3つの問題として、「女性の意識」「ワークライフバランス」、そして「オールド・ボーイズ・ネットワーク」を掲げ、女性ネットワーク活動や企業支援活動を推進しています。しかし、これらの活動を進めていく上で一番大切なことは、トップの意識とリーダーシップであることがわかっています。トップが動かなければ日本のダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)は加速しないのです。
D&Iは経営戦略の要であり、トップの強力なリーダーシップが必要です。
J-Winの海外研修先であったオーストラリアでChampions of Change Coalition(CCC)との出会いがありました。女性だけでは変えられない、権限のある男性の関与が不可欠ということで立ち上がり、オーストラリアにおけるD&I推進、女性活躍において大きな影響力を示すまでに至っています。J-WinでもCCCを参考にして、日本におけるCEO会議を立ち上げることにしました。遅れているD&I推進を一気に加速する経営トップの会にしたいと考えています。
発足にあたっては、D&Iに真摯に取り組んでいらっしゃるJ-Win会員企業のCEOの皆さんにお声がけをしました。20社にお願いして16社の企業よりスタートメンバーとして参画いただけることになりました。このCEO会議メンバーとは別に、企業で具体的な活動をするために役員の皆様による実行リーダーの会も立ち上げさせていただきました。CEO会議と両輪で活動していくことでさらに実行力を発揮できるようになるでしょう。
■ 発起人メッセージ
渡邉光一郎氏
この会議に参加されているCEOの皆さまは、J-Winの活動を理解し、経営の中心にD&I・女性活躍推進をビルトインされていると思うので、本日は私が感じていることをお話ししたい。
昨年、経団連が「。新成長戦略」を発表した。コロナ禍でのニューノーマル、そしてSDGsに代表されるような新しい社会構造、さらには株主至上主義からマルチステークホルダー型資本主義を目指し、Society5.0 for SDGsへの取り組みを加速していく必要がある、としている。
マルチステークホルダー型資本主義を進めるときには、エンゲージメントがキーとなる。組織におけるエンゲージメントと労働生産性には正の相関があり、組織をどう活かすか、個をどうリスペクト出来るか、という点においては、まさにD&Iの推進そのものとも言える。
この会議では、好事例をお互いに学びあいながら、Champions of Change Coalition等を先進的なベンチマークモデルとして、我々も新しいステージに入っていきたい。
私も自社の中でもrespect each other、learning from each other、glowing each otherと言い続けている。この会がこのような思いで推進されることを期待する。