J-Win 第3回男性ネットワーク定例会が2020年9月1日に開催されました。今年度の定例会はコロナ禍の影響によりオンラインでの開催。　男性ネットワークメンバー22名が参加しました。

■ アジェンダ
（1）内永理事長とのラウンドテーブル
（2）グループディスカッション
　 ・ラウンドテーブルからの気付きの共有
　 ・D&I推進・女性活躍推進の課題（分科会活動で深掘りしたいテーマ）抽出
（3）グループディスカッションの共有と課題（テーマ）の抽出

〈本日のゴール〉
第1回（7/16開催）男性ネットワーク定例会では「なぜ女性活躍推進なのか、なぜD&I推進なのか理解する、男性ネットワークの目的を理解する」をテーマに内永理事長より講話がありました。第2回（8/6開催）では、OBを囲んで「男性ネットワーク」をテーマにグループディスカッションの実施。深掘りしたいテーマ（課題）や男性NWで得たいものについて話し合われました。
そして第3回となる男性ネットワーク定例会では「女性活躍推進・D&I推進を阻むもの・課題を知り、分科会のテーマ（課題）を抽出する」というもの。内永理事長とのラウンドテーブルが行われました。

〈内永理事長への質問〉

●Ｄ＆Ｉ、女性活躍推進の理解・浸透について（抜粋）
・多様性を大事にしていくために価値観ワークなどを通じて相互理解から始めていますが、理解が進
んでもそれを活かすところまでなかなか進みません
・D&Iへのトップの巻き込みのアイデア（コミットを表明していないケース）
・D&Iの現場への浸透の方法、女性管理職の雇用とリテンションについて
・女性の登用によってもたらされるプラスの効果　
・組織が本気で女性登用をしたくなる成功体験の良い収集方法
・D&I先進国における現時点での課題、その課題解決に向けた取り組み

●女性の育成・登用について（抜粋）
・能力はあるのに管理職には向かないと自己判断している女性に対して、管理職になる意欲を持ってもらうにはどうすれば良いのか
・女性社員の管理職登用へのモチベーション（昇進意欲）の、更なる向上について
・女性メンバーの育成・登用に際して、それをフォローする上司・管理職の業務や時間の使い方についても変革が必要ではないかと思う 事例があれば教えていただきたい

●女性の意識について（抜粋）
・会社内で女性活躍推進を進めるためには、男性はOBNに気づき、自分事として受け止めてもらう事を浸透さる。対して、女性はどのようなことを意識して頂くのが宜しいのでしょうか？　
・J-WINの活動を行うことでマインドセットが変わると聞いたが、どんなきっかけ、どんな理由でマインドセットが変わるのか？　

●オールド・ボーイズ・ネットワークについて（抜粋）
・OBNがあることで理事長自身が不利益を被ったと思う具体的な例を伺いたい
・女性社員のモチベーションを下げる男性の「行動・言動」について知りたい　
・OBNがあっても女性が活躍できる仕組み・制度・施策について
・女性もオールド・ボーイズ・ネットワーク化してしまい、若手女性にとってロールモデルになっていない状況もあり、どうしたら良いか
・D&I先進国におけるOBNの存在の有無、および日本との相違点、また先進国となるまでの歴史的プロセスなど。D&I先進国における現時点での課題および、その課題解決に向けた取り組みなど
・ＯＢＮの改善例はあるか

●ワークライフバランス（抜粋）
・女性メンバーの育成とライフイベントの考え方として、本人の意見を尊重すべきか
・日本社会は一度ループから外れると、そのループに戻るのは相当な労力を要すると思う　海外とはこの点が異なるように思うが、結婚、出産、育児といった人生のイベントを経験しながら、男性同様に管理職として女性が活躍するにはどうすれば良いのか？
・育児休業を経験、もしくは時短勤務の女性社員は昇格に差が生じている。その差を極小化する具体的な人事制度や育成プランの例があれば知りたい


内永理事長とのラウンドテーブル終了後は、4つのグループに分かれてグループディスカッションが行わ
れました。ディスカッションでのテーマは、①女性活躍推進、D&I推進が加速しないのはなぜか、②分科会で深掘りしたいテーマについて。その後、グループディスカッションで話し合われた内容をメンバー全員で共有し、課題抽出に向けた意見交換が熱心に行われました。

〈個人ワークより〉
・潜在的に染みついた、日本社会の構造、役割分担（男は外で働き、女は家で家事）
　　⇒ 横並び主義の日本社会構造（入学、入社、働き方、振舞い方、等々）
　　⇒ 同質なものを好む国民性から、D&Iも進まない
・ライフプラン、特に出産、育児との両立 目標となる女性管理職が少ない
・女性への決めつけ（女性＝家庭・育児が大事と考えているだろうという思い込み）
　 　自身の思考・行動特性の押しつけ（自分の歩んだ道を前提に物事を進めてしまう）
　 　長時間労働（短時間勤務の仕組み）
・男性には女性活躍推進の必要性の理解、腹落ちが出来ていない　　女性自身の思い込み
　　（管理職は出来ない）を捨て、一歩踏み出す勇気も無い
・技術系業務では、女性社員が非常に少ない
・能力は十分と評価するも、管理職昇格や転勤を伴う異動に積極的でないケースがあり、
　　業務が限定されてしまう。
・仕事と家庭の両立を妨げる労働環境（例：恒常的な長時間労働、転勤）　　歪んだ平等意識
　　（例：○○を経験していないのに経営職になるのは如何か？）
・トップ(経営層)の意識　(女性活用を本当に経営戦略だと認識して行動しているか)　　OBNの認知　
　　(そもそもオールドボーイネットワークを認識していない)
・男性管理職層の女性への過度な配慮　　女性社員のモチベーション（昇進意欲）の低さ
　　～出産・育児等に伴う制限や管理職になることの意義等
・育児・家事などを経験している管理職（男女ともに）が多くない
　　（産休育休への理解が不足しているのでは？）
・産休育休後のキャリア形成の困難さ（休職期間中の評価/復帰後の仕事の質量/制度が
　　整備されているが故の長期休職/保育園が未整備など）
・短時間で結果を出した人を評価する風土醸成（長時間労働への礼賛是非/トップダウン型
　　からボトムアップ型へ）
・単一的なキャリアパスの弊害（男女関わらずキャリアアップ目指す人と、それ以外の人を切り分ける、
　　或いは柔軟に可変できる制度が必要）