「2019年度 第1回ダイバーシティ推進責任者会議」を2019年4月25日(木)に東京ウィメンズプラザにて開催しました。
J-Win会員企業のダイバーシティ推進部門担当者の皆さまにお集まりいただく本会議。2019年度初回である今回は、2018年度男性ネットワークの活動報告に続き、J-Win事務局より今年度の活動方針(女性ネットワーク活動およびD&I推進支援活動)を説明。また、J-Win Next Stageネットワーク「ミレニアル世代研究会」から、企業で人材育成に関係されている皆さまに協力いただいた、若手社員の育成に関する調査結果の報告が行われました。
【第1回ダイバーシティ推進責任者会議 アジェンダ】
■2018年度男性ネットワーク活動報告
■2019年度J-Win活動方針
■若手社員の育成に関する調査結果の報告/Next Stageネットワーク「ミレニアル世代研究会
■理事長挨拶
(*社名・肩書は発表当時のものです)
■2018年度男性ネットワーク活動報告
女性の活躍を進めるために、男性管理職として課題を考え、今後取るべき具体的な施策や行動を導き出すことを目的とした男性ネットワークの活動。2018年度は3つのグループに分かれ、各チームの自主的な運用で活動してきました。各グループのメンバーからの報告後には活発な質疑応答が行われ、女性活躍推進における「男性の意識」の課題についての、参加企業の皆さまの関心の高さが伺われました。
●「D&I本質の浸透」チーム
アフラック生命保険株式会社 岡田 貴之 氏
東京海上日動火災保険株式会社 櫻井 淳 氏
"「何故D&Iを推進しないといけないのか」ということが理解・浸透していない"ということを課題としてD&Iの本質とは何か、本質を理解・浸透するにはどうすべきか?というテーマで議論を行い、D&Iの本質を理解し、メンバーの企業において全社的な浸透を図ることを目的に活動を行った。メンバー企業の女性活躍推進の基本的な考え方や推進状況など現状を把握しながら、議論を進めた。結果、やはり"男性管理職の腹落ち"が必要であり、腹落ちさせるために3ステップのアクションプランを提案し、女性が活躍するという現実を作っていく。D&Iの本質が理解され、文化として当たり前になっている世界を作っていくことが大切である。
●「コミュニケーション」チーム
東京急行電鉄株式会社 佐藤 敬久 氏
「女性社員のキャリアを後押しするコミュニケーションの在り方とはどのようなものか」をテーマに活動をした。向上心のある社員が増え、制約を前提としない働き方をし、公正な条件のもと、それぞれが思い描く成長を遂げられる環境をあるべき姿として目標とした。活動はメンバーが自ら会社の関係者にヒアリングするなど情報収集と深い議論を交わし進めた。そして、女性のキャリアを後押しするコミュニケーションに必要な要件をまとめ、環境整備のための会社への期待と男性管理職である自分たちが行うべき行動を提示した。
●「女性自身」チーム
EY Japan 一藤 隆弘 氏
採用時には女性のほうが優秀という声が多く聞かれるが、数年後には男女の逆転が起きてしまうのはなぜか?という疑問から、自分たち男性管理職は、女性社員が抱えている課題が理解できていないのではという課題から出発した。女性自身が抱える課題を理解し、その解決策を探っていった結果、女性が管理職になりたいという意識が低い原因は、女性自身にあるのではなく、周囲の環境にあることを再認識した。そして、その原因に対応するために、メンバー企業が行い効果を上げている具体的な事例を参考に、3つのアクションを提案した。
■2019年度J-Win活動方針
●D&I推進支援活動
-チェンジエージェント育成を目的に男性ネットワークの拡大を実施
-推進責任者会議での様々な機会の提供による課題解決のための支援
-データ入力負荷軽減を含めた「J-Winダイバーシティ・アワード」の見直し
-会員企業とのコミュニケーション強化によるニーズ把握とプログラムへの反映
●女性ネットワーク活動の重点取組
<Executiveネットワーク>
-意思決定の場に参画出来る力をつける
-Executiveネットワークのブランド化(認知度向上)
<Next Stageネットワーク>
-考え抜いて実践/自らの実行力を高め職場・ビジネスで実践
<High Potentialネットワーク>
-自ら考え、自ら行動する力をよりつけるために、活動運営や仕組みの強化を図る
■若手社員の育成に関する調査結果報告
Next Stageネットワーク「ミレニアル世代研究会」
損害保険ジャパン日本興亜株式会社 神谷 恵美 氏
ミレニアル世代の強みを活かし、VUCAの時代に勝ち残るために、変化の時代に必要な人材育成の指針や方法とは何か?を導出することを目的に研究活動を行っている。当事者と会社側(人事部)の双方に対して、アンケートやインタビューなどの調査を行い、ミレニアル世代の実態を把握し、ミレニアル世代をどのように育成していったら良いかを検討した。従来型の階層別研修としてのカリキュラム設計となっており、明らかに意識や価値観の違うミレニアル世代を意識した育成は実施されてない現状で、実際に現場で育成に携わる自分たち自身が対応していく必要性を再認識した。
■内永理事長挨拶
●これからが本当の女性活躍
J-Win会員企業における女性の割合を見ると、女性社員の割合が約3割に対して管理職一歩手前が25%程度、課長職は10%程度、部長・役員は5%以下となっています。女性活躍の進捗状況は、課長までのパイプライン形成は出来つつあります。女性活躍の目的は、モノカルチャーな組織風土を改革しイノベーションにつなげることであり、「意思決定層」で女性が活躍することが必要です。本社人事と各部門トップが連携し、そこにダイバーシティ担当部門が入り込み、管理職一歩手前および課長職まで進んできた女性をさらに上位の役職へと育成・登用していく、これからの推進が重要と言えます。
●女性活躍推進はやり方が定まっているものではない
会員企業のダイバーシティ推進の担当者は、今年4月時点で約3分の1が新任の方に交代されました。ダイバーシティ推進というのは新しい分野であり、プロセスやステップが定まっているものではありません。先例を取り込みながら進める必要があります。J-Winの会員は多様で、相互に学べることが多々あります。この場を多いに活用して、推進に活かしていただきたいと思います。