2018年9月10日(月)に「2018年度 第5回ダイバーシティ推進責任者会議」を機械振興会館にて開催しました。

会議では、J-Win事務局より今年度のJ-Winの活動(女性ネットワーク、企業支援)の中間報告、「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」の開催概要、募集要項などの説明を行いました。 そして、女性リーダー育成活動の一環であるHigh Potentialネットワークの分科会活動について、5名の卒業生(各分科会リーダー)にお越しいただきました。各社から派遣された多彩なメンバー(各分科会20-30名で構成)を、どのようにまとめて活動を推進したか、どのように成果に結びつけたかなど、その工夫と知恵を分科会活動から得られたものと題して、リーダーの方々からご紹介いただきました。各分科会内での合意形成の過程やゴールに向かってチームをまとめたきっかけなど、実践的な経験を通じたリアリティあふれるお話を聞けました。

また、この会議に引き続き、女性リーダー育成プログラムの一環である「第8期High Potentialネットワーク 9月度定例会」を開催。ダイバーシティ推進責任者・担当者の方に、育成活動の様子を実際に見ていただき、活動への理解を深めていただく良い機会となりました。


■会員企業の女性活躍推進の現状とJ-Winの女性ネットワーク(J-Win事務局より)

各職位の女性比率を見ると、管理職一歩手前までは育成が進んでいるものの、意思決定層(課長職以上)への登用を進め、パイプラインの形成が課題という状況。J-Winの女性リーダー育成活動は、High Potentialネットワーク(対象：管理職および管理職一歩手前)、Next Stageネットワーク(対象：上級管理職(部長職・役員)を目指す層)、Executiveネットワーク(対象：執行役員以上)の3層ネットワークにより、女性リーダー輩出のパイプライン形成に対応している。

■High Potentialネットワークの分科会活動から得られたもの

(写真左から)　※会社名、肩書きは会議実施時のものです


●分科会名：Natural Beauty
　　藤田観光株式会社
　　東京ベイ有明ワシントンホテル　販売予約課　担当課長　河上 紗織　氏

●分科会名：若手女性育成
　　DBJアセットマネジメント株式会社
　　総合企画部　課長　長久 晶子　氏

●分科会名：「部長の壁」を超える
　　東日本旅客鉄道株式会社
　　新潟支社　総務部　新潟駅開発・支社ビル整備推進室　室長　古田 恵美　氏

●分科会名：技術系
　　富士通株式会社
　　プロダクト事業部　コンバージドプロダクト部　マネージャー　小杉 美加代　氏

●分科会名：次世代キャリア教育
　　アフラック生命保険株式会社
　　マーケティング企画部　マーケティング企画課　課長代理　住田 俊恵　氏

●Natural Beauty
分科会では、女性のカラダとキャリアアップについて、専門書に書かれている「女性」というくくりではなく、「働く女性」のリアルな体験談や工夫を知りたい、共有できないかと先輩女性社員にインタビューを行い、カラダマネジメントのリアルなストーリーが詰まった知恵袋「Natural Beautyのススメ」を作成。情熱を持って伝える／決断するために自分の軸を持ち、考え抜くことをリーダーとして学び、友達ではないビジネスネット構築と自己実現に向け覚悟と当事者意識を持つことメンバーとして学んだ。

●若手女性育成
分科会では、若手女性育成プランという3つのキャリアステージ別の"壁"に応じた研修を作成・実施し、若手女性のマインド醸成やパイプラインの強化を行った。その際、"ももも女子"(仕事も、家庭も、プライベートも)というキャリア像をキャッチコピーとして展開。プロジェクト全体でゴールを繰り返し共有する、体制・役割の明確化と共有、ミーティング毎に今日のゴールを設定、WBSの作成・共有などをリーダーとして、プロジェクトマネジメントの実践で学んだ。

●「部長の壁」を超える
分科会では、経営層への第一歩となる部長を目指して何をするべきかを課題として活動。現役の経営層・部長へのヒアリング調査から、ビジョン策定力／新たな価値を創造する変革力／巻き込み完遂力が重要な要件と認識。部長へのヒアリングやシャドーイングにより部長昇進への5つのアクションを策定した。活動を通じて、経営層や部長職の醍醐味、覚悟と実績を積むことの大切さ、同じ目標を持つ女性同士での相互啓発の重要性、スポンサー(支援者)の重要性を学んだ。

●技術系
分科会では「企業・社会をリードする技術系女性を増やす」をテーマに、3つのサブグループに分かれて活動。アンケートを中心として文献調査・インタビューで広く検証し、「私の選択　～技術系女性応援ブック～」にまとめた。活動を通じて、多くのエグゼクティブの話が刺激になり、ネットワークができて、視野が広がり励みになり、キャリアについて、じっくり考える時間が持てた。また、SWE(Society of Women Engineer)への参加で世界を知った。

●次世代キャリア教育
分科会では、活躍している女性管理職へのヒアリングを通じて考え方や行動変容をエピソード集として集約し、企業の次世代を担う私たちのような世代に対し、キャリアに関する悩みや課題のタイプ別に乗り越え方を学ぶキャリア教育プログラムを作成。多様なバックグラウンドを持つメンバーと腹を割って本音でキャリアに関する悩みや課題を議論することによって"私たちが変わる" というプロセスの大切さに気づき、各メンバーがそれぞれのリーダー像を描けるようになった。

High Potentialネットワークの分科会OGによる活動の共有については、参加者より「当社の研修で活用したい」、「活動の過程や費やした時間を通じて、すべてが学びであることを理解できた」、「ネットワーク自体が貴重な財産であることが伝わった」、「リアリティのある話が聞けて良かった」、「また企画してほしい」などのコメントをいただきました。
事務局では、参加企業の皆様にとって、より実り多く有意義な時間となるように、今後も運営を行ってまいります。