2017年10月6日（金）に、「2017年度 第5回ダイバーシティ推進責任者会議」を東京ウィメンズプラザ・会議室にて開催しました。参加人数は19名（19社）でした。

今回は、会員企業の担当者の皆様が、D&I活動を推進される中で日頃抱えている課題や疑問などに対し、他の出席者や内永理事長との共有、対話を通じ解決のヒントを見つけていただくことを目的として、ラウンドテーブルを実施しました。

■ラウンドテーブル　：テーマ「男性の意識改革」

テーマは、企業のダイバーシティ推進において重要項目としてあげられる課題の一つである「男性の意識改革」。
はじめに事務局より、「男性の意識改革」「管理職のアカウンタビリティ」 について、J-Winダイバーシティ・アワードや女性リーダー育成活動、男性ネットワーク活動などで得られた課題を説明。そして、「まずは、女性活躍推進に関する数値目標を管理者評価に組み込みことで男性の行動変化を促し、成功事例を作り、共有することで理解を深める、広げる」という施策の考え方を提示しました。
次に、事前に参加企業より提示された課題について、男性（特に管理職）の「腹落ち」、「分業意識などの固定観念」、「女性への苦手意識」等に分類して共有。その後、参加者より、それぞれが抱える課題について具体例を交えながら説明および意見交換を行いました。

【共有された課題・意見】

男性の「腹落ち」に関するもの 　- 表面的な理解はできているが、自分ごととして向き合いきれていない 　- 「女性活躍＝女性への配慮」という思い込みがあり、期待を明示的に表明しない 　-　ゴールイメージを理解していない

「分業意識などの固定観念」に関するもの 　- 現在女性が担当している業務＝得意な分野である、という思い込みの存在 　- 育児中の女性に業務を任せないのは優しさである／要求の厳しいお客様や高負荷の 　　業務を女性に担当させてはよくない、等の思い込みの存在

「女性に対する苦手意識」に関するもの 　- 女性部下の育成に対して、大変だ、難しいという意識がある 　- 女性とのコミュニケーションに対する苦手意識がある（妊娠期の体調面などを聞くことは 　　NGと思っている、等）

■内永理事長コメント

議論や質問を受け、内永理事長からは以下のようなコメント、回答を示しました。

●すべての男性の意識を変えることは不可能。コアとなる30%が変われば組織は変わるものである。また、トップが本気で取り組み、その姿勢を見せることは重要。推進担当者はトップを味方につけて、ゴールイメージをしっかり持ち、ぶれずに、スピーディに取り組むべき。
●課題が山積しているのは当然。すべての解決をパーフェクトにめざす必要はないので、優先順位をつけ、うまくいったことをアピールしながら進めれば良い。会社の変革には「思い切り」「決断」「スピード」が大切。
●長時間労働を是正するには、結果で評価するシステムに変えることが必須。また管理職の目標・評価項目に女性活用の項目を取り入れることで、女性活用を行うと評価される、と認識させることが有効である。

■参加者のコメント

＜アンケートコメント抜粋＞
－毎年課題が同じような気がしますが、根が深い問題だということだと感じています。
－改めて、トップのコミットメントが大切だと感じました
－とにかく行動に結び付ける仕組みを取り入れる。100%を目指さない、30%で良い。内永事長からのアドバイスが大変有り難かった
－モヤモヤがすっきりしました。細かいことを気にしすぎ、との通りだと思いました。グラグラせず、軸をもって突き進みたいと思いました。

内永理事長のコメント、アドバイスを受け、参加者の皆様は、「男性の意識改革」に限らず、D＆I推進担当者として直面する課題へどう対応するかについて、改めて認識を深めていただいたようです。