2016年度 第6回ダイバーシティ推進責任者会議を、2016年11月10日(木)TKP九段下神保町ビジネスセンターカンファレンスルーム4A で開催しました。 参加人数は16名(16社)でした。
今回は、「管理職のアカウンタビリティ」および「女性の育成」という関係が深い2つの領域をテーマとしました。
ダイバーシティ活動を推進されている会員企業のご担当者様を対象に、 日頃抱えていらっしゃる課題や疑問などを、他の出席者や内永理事長との共有、そして対話を通じて解決のヒントを 見つけていただくことを目的にラウンドテーブル形式で開催しました。
事務局より「管理職のアカウンタビリティ」の現時点での定義を示し、昨年のアワードの事例を分析した結果から「管理職のアカウンタビリティ」への取り組みの結果、「昇進させる環境が整った」「女性の研修参加が増えた」「女性登用の機会がアップした」「業務の効率につながった」などの4つの効果があることを提示しました。
また、「女性の育成」について事前いただいた課題を紹介しながら、「管理職のアカウンタビリティ」と「女性の意識改革」との関係が深いことも示しました。
●事前に収集した会員企業からの課題:管理職のアカウンタビリティ
・D&I推進に対する理解
十分に理解しているか不安、自分事でなく他人事、総論賛成・各論反対、行動(実践)が伴わない
・男性上司の意識
無意識のバイアスにより、本人と対話せず低い目標設定に留まる
指導や育成の意識とレベル不足。期待の伝え方や正確なフィードバックに不安
人により認識と行動にバラツキがある
・評価に女性育成のKPIを設定していない
●事前に収集した会員企業からの課題:女性の育成
・育成体制やプログラムが不足、整備できていない
・男性上司が、無意識のバイアスで男性と同様な業務をアサインせずに、補助的な業務に留まる
・女性のロールモデルの見える化、女性管理職による女性社員の育成の拡大
その後、「管理職のアカンタビリティ」に関して企業様から具体的に課題についていくつか提示しただき、その課題について、その解決に参考になる別の企業様の事例などを紹介していただきました。
企業様相互の事例紹介の後、内永理事長より、「管理職のアカンタビリティ、で重要なのはD&Iの価値を管理職が理解することであり、そのためにはトップがD&Iを経営戦略の一つとして位置付けている。という強いメッセージを発信することが需要である。女性のためではなく、経営戦略なのであるということを分からせることである。」と管理職のアカウンタビリティに対するポイントを提示しました。
また、女性の育成に関しては、現場での育成が重要であることもお話しされ、IBMで行われていた女性のエグゼクティブを育成する'エリートリソースプログラム'が紹介され、その内容について質疑応答しながら、詳しく内容をご説明しました。
<参加者のアンケートコメント抜粋>
- そもそもアカウンタビリティを自社の定義で考えていたため、根底が違っていたが、勉強になった。
- 直接ご質問できて、回答いただけたため、ヒントになりました。
- 女性の育成と女性の意識の話は別物。育成の要はやはりOJTですよね。そのための人材リソースリストの話など参考になりました。女性は過去の成功体験が少ないから、既存の考えに疑問を呈することができるという話が良かったです。
- 「ダイバーシティは決して優しいだけのものではなく、厳しいものだ。企業の戦略としてやるものだから」というお話は、女性に対してだけでなく、管理職説得に有効だと思いました。
- ダイバー推進が企業戦略であることを理解させることが、最も大切なポイントであること