2016年度 第5回目ダイバーシティ推進責任者会議を、2016年10月14日(金)、TKP九段下神保町ビジネスセンター カンファレンスルーム4A で開催しました。 参加人数は20名(19社)でした。
今回は、「女性の意識改革」というテーマで、ダイバーシティ活動を推進されている会員企業のご担当者様を対象に、日頃抱えていらっしゃる課題や疑問などを、他の出席者や内永理事長との共有、そして対話を通じて解決のヒントを見つけていただくことを目的にしました。
事務局より「女性の意識改革」の実現に向けて、「キャリアに対する意識」「会社の仕組み」「社会環境・働く環境」「自己実現」という4つの要因で施策を立てることを、会員企業様に事例や事前にいただいた課題を交えてご紹介し、内永理事長から上記4つの要因を踏まえてお話しました。
●事前に収集した会員企業からの課題
・キャリアアップの意識が欠ける
いまのままで良い、管理職に魅力を感じていない、責任が重くなる、自信がない
・男性上司の意識
無意識のバイアスにより、チャンスを与えていない、キャリアやライフプランが共有できていない
●J-Winが考える「女性の意識改革」を推進するための要因
・キャリアに対する意識
キャリアアップは楽しいというマインドの醸成やキャリアアップの正確な理解。メンタルバリアの破壊、ロールモデルの発見
・会社の仕組み
管理職評価への組込み、男性管理職の意識改革、キャリアアップの機会提供、メンター制度、ロールモデルの提供
・社会環境・働く環境
男女の役割に対する固定観念(エリア格差が残る)、ワークライフマネジメントできる、情報共有の仕組み
・自己実現
自分はこうなりたい、こうしたいという目標を持つこと
・女性管理職322名への意識調査。管理職になる前、53%が抵抗感あり。要因は、仕事・育児・家事の両立不安、周りの管理職を見て魅力を感じない、スキルがない。
・同じ人に管理職になった後、意識調査。88%がなってよかったと回答。良かった点は、視座が上がった、自分自身の成長につながった、やりがいが増えた、発言権が増し、仕事がやりやすくなった。
・男性は自信がないと言わないし、自信がなくても自信があるという。女性は自分に厳しい、ここのバリアを取り除かいないと。キャリアが上がって、管理職なることがどういうことかという認識が薄い、理解が足りない。女性は、幸か不幸か周りに女性の管理職がいなかったので、肌で感じることが出来なかった。
・J-Winの女性リーダー育成活動の活動前のアンケートで、トップを目指したいかと聞くと40%がはい。1年後の活動終了後に同じように聞くと96%に上がる。たった1年で会社の仕組み、ワークラフバランス、環境が変わるわけがない、マインドが変わった。心のバリアをどのようにはずすのかが一番の課題
・キャリアが上がっていくことの効力は、
①自身のキャリア形成
②モノカルチャーの中で、昔からのやり方にクラックを入れて違うのではないかという発想のキッカケ
③ロールモデルとして役に立つ
会社にとってとても価値のあること
・いま一番やらなきゃいけないことは、意識を変えること。加えて、働き方を変える、ロールモデルを作る、男性管理職の意識を変えること
そして、内永理事長とのラウンドテーブルに移り、皆様がお持ちの課題、悩んでいることをお話しいただき、内永理事長から、ご自身の今までの経験を踏まえ、個々の状況に適したアドバイスをお伝えしました。
また、内容によってはご出席の皆様からコメントも多数飛び出し、活発なやり取りが行われました。
<参加者のアンケートコメント抜粋>
- まず女性の意識を変えることが重要であること。何から手を付けて良いか悩んでいたが、良かった。研修の優先順位などとてもクリアになった
- ライフイベント時の評価の方法(成果と能力に分ける)の工夫はとても参考になりました
- すべての女性を支援するのではなく、意欲のある女性を会社は支援するというメッセージを会社が明確に出す考え方がヒントになった
- 女性のためではなく、会社のためにダイバーシティを推進するということを改めて認識しました
- トップが効果と進捗状況を確認するなどトップ主導が大事だと感じました
- 女性の"活用""意識改革"には、抵抗がありましたが、「キャリアを上げることがエキサイティングである」ことを伝えるという言葉が腑に落ちました
- 管理職の人たちが変わらなければならないと思いました。意欲の高い若手社員を育てていくためにも、キャリアアップへの夢を伝えていくことが非常に大切だと思います