「2018年度 NPO法人J-Win拡大会議」を、2019年3月14日(木)にホテルイースト21東京にて開催しました。
会員企業のトップエグゼクティブやダイバーシティ推進部門の方、女性メンバーとその上司の方、講師やメンターなどJ-Win活動にご協力いただいた方、行政、メディアほか約750名の皆様に参加いただき、J-Winの1年間の活動を報告しました。
今年度は、新たなプログラムとして、J-Winの三層の女性ネットワークメンバーによるパネルディスカッションや、男性ネットワークの活動報告を実施。12回目となる「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」の表彰式も執り行い、参加者の皆様にJ-Winの活動全体について理解を深めていただく会となりました。
【写真アルバムはこちら(J-Win Facebookページ)】
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ダイバーシティの第一歩である女性活用は、世界中で急速に進んでおり、ビジネスで競争に打ち勝つために、極めて重要な経営戦略になっています。日本の取り組みも相当進んできてはいますが、世界と比べると相対的には遅れているというのが現状です。J-Winでは、「High Potential」「Next Stage」「Executive」という三層のネットワークが相互に助け合いながら活動していますが、今年度はその連携を強めてきました。2019年度はさらに、「経営トップの方々への働きかけの強化」「男性ネットワーク活動の拡充」「グローバルネットワークの構築」の3点を重点項目とし、積極的に取り組んでまいります。
第8期High Potentialネットワーク 山本 ときこ幹事長(全日本空輸株式会社)より活動の総括を報告。
続いて、Executive、Next Stage、High Potential各ネットワークのメンバーによるパネルディスカッションが行われました。
ダイバーシティを「社会(教育)」「家庭」「職場」という三つの視座から考えてみます。戦前から高度成長期に至るまでは、家族が個人より優先される時代でした。家長である男性が家族を扶養し、女性は家事で家庭を支えるという役割分担が一般的だと考えられていました。それが高度経済成長期以降になると、個人が家庭よりも優先される時代を迎えます。社会では高学歴化や少子高齢化が進む中で、核家族が増え、住居や育児、介護など、さまざまな問題に直面して、家族だけでは家庭を支えきれないという課題も顕在化しました。女性の結婚・出産後の再就職が難しい点も浮き彫りになりました。一方で、職場の環境も変化します。男女雇用機会均等法が施行され、生活の維持向上や子供の教育費などのためだけでなく、自己実現のために働く女性も増えました。しかし、施行後しばらくは、男女の賃金格差なども大きく、理想論と言わざるを得ない状況だったという印象です。また、リーマンショック以降の世界経済の影響を受け、非正規雇用が拡大するなど不安定な雇用も増えました。こうした中で、働きやすい職場環境や待遇面の改善などが求められ、女性の活躍を中心とするダイバーシティ活動に積極的に取り組む企業も多くなりました。ただ、活躍する女性像が画一化し、その範疇に入らない個性ある女性を排除するような動きになってもいけないと少し危惧しています。企業においては、人事部にダイバーシティ推進室を置いて女性管理職比率の向上や、育休などのさまざまな制度の整備に取り組んでいるケースが多いかと思いますが、部署単位ではなく、会社を挙げて取り組んでいただきたいと願っています。【中鉢 良治氏のPROFILE】
東北大学大学院 工学研究科博士課程を修了後、1977年ソニー株式会社入社。記録メディアの開発などに従事。2005年に同社取締役・代表取締役社長兼エレクトロニクス CEO、 2009年に同社取締役・代表執行役 副会長に就任。2013年に独立行政法人産業技術総合研究所理事長、2015年に国立研究開発法人産業技術総合研究所の理事長に就任。その他、総合科学技術会議有識者議員や東日本大震災復興構想会議委員なども務める。
2017年度からスタートした、J-Win D&I推進支援活動の取り組みである男性ネットワーク活動。第2期となる今年度の活動について、メンバーを代表して北村 真吾氏(株式会社ベルシステム24)より報告が行われました。
女性活躍推進に関して先進的な取り組みを行っている企業や、顕著な貢献のあった経営者・リーダーを表彰。