＊肩書などは拡大会議実施当時のものです。
「2016年度J-Win拡大会議」が、2017年3月3日（金）にホテルイースト21東京・イースト21ホールで開催されました。

第一部は、内永ゆか子J-Win理事長による「2016年度J-Win活動に向けて」と題した挨拶からスタート。また、安倍晋三首相からも「女性活躍推進をさらに後押ししていく」という心強い祝辞も紹介されました。

続く特別講演は、公益社団法人 東京青年会議所の波多野麻美理事長を講師に迎え、ダイバーシティ推進の意義について経験を交えてお話いただきました。（◆講演内容は後述）
その後また、J-Winにおける1年間の活動の集大成として、第6期女性メンバーの分科会活動について、12分科会それぞれの代表者による発表と、Next Stageの活動について報告がありました。

　休憩を挟み、「2017 J-Winダイバーシティ・アワード」の表彰式が行われ、女性活躍推進に関して先進的な取り組みを行っている企業や、顕著な貢献のあった経営者・リーダーを表彰。各企業で実践されている取り組みに大きな注目が集まりました。受賞企業各社による受賞スピーチは、この受賞を新たなスタートとして次のステップに進んでいくという高い志と熱意が伝わるものでした。


第二部 懇親会では、はじめにご来賓としてご出席を賜った女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣（女性共同参画）加藤勝信様、厚生労働省 大臣政務官 堀内詔子様よりご祝辞をいただきました。J-Win活動に対する期待や励ましのお言葉をいただき、女性メンバーは活動の意義を改めて実感しました。また、海外研修などでもご支援をいただいている各国の大使館の方々、アメリカ大使館、カナダ大使館、フィンランド大使館からもご出席をいただきました。
　続いて、日頃からJ-Winの活動をサポートいただいているアドバイザリーボードメンバーの皆様をご紹介。ここでアドバイザリーボードメンバーで、第一部で「2017 ダイバーシティ・アワード」個人賞経営者アワードを受賞された、アフラック日本における代表者 社長　山内裕司様から内永理事長にJ-Win10周年のお祝いの花束が贈られました。またJ-Win女性ネットワークメンバーを代表し歴代の幹事長、副幹事長の皆様からも駆けつけ、嬉しいサプライズとなりました。続いての乾杯のスピーチは、アドバイザリーボードメンバーのイオン株式会社取締役 取締役会議長の横尾博様よりご発声をいただき、ご歓談タイムとなりました。ご歓談の時間は女性メンバーが、自社や他社のエグゼクティブの皆様とのお話をできる貴重な場でもあり、ネットワークを広げる機会となりました。
　そして、会の最後は第６期女性メンバーの卒業セレモニー。まずは内永理事長へ、卒業する女性メンバー全員の感謝の気持ちとキャリアアップへの覚悟をつづった寄せ書きが贈られた後、内永理事長からは卒業に向けてのメッセージと、卒業の証の記念品が、12分科会のリーダーに授与されました。卒業式の最後は、卒業生を代表メンバーからの新たなステージに向けての決意の表明と、卒業生全員での「Women to the Top!??Yes!!」の力強い宣言で幕を閉じました。



以下に特別講演にご登壇いただいた、東京青年会議所の波多野麻美理事長様のご講演の内容をダイジェストでご紹介します。

＜特別講演＞　　＊肩書などは拡大会議実施当時のものです
東京青年会議所におけるダイバーシティ推進
公益社団法人 東京青年会議所
理事長 波多野麻美氏

●多様な個性を強みに変えるダイバーシティを目指して

私は25歳の時に東京青年会議所（東京JC）に入会し、14年目の今年、女性初の理事長になりました。東京青年会議所における女性比率は14%、国内の青年会議所全体では7%にとどまります。世界に目を向けると、日本と韓国を除く各国は女性メンバーの方が多く、日本は女性活躍という面で遅れているのが現状です。こうした現状も踏まえ、積極的にダイバーシティを推進していきたいと考えています。私自身のこれまでの経験から、ダイバーシティについて3つのフェーズに沿ってお話ししたいと思います。

①活動の機会を得る

私が入会当初に所属した委員会の委員長が、女性活躍の重要性を認識し、女性に機会を与えていこうとしているタイミンングでした。ここでの、①責任あるポジション②女性活躍を後押しする風土③ビジョン・押さえてほしいポインﾄの徹底共有④モチベーションアップ、という4つの環境のおかげで、委員会の女性メンバーが増えて定着し、23委員会の中で女性比率が一番高くなりました。まずはリーダーが環境を整えて推進していくことが大事だと実感しました。

②ダイバーシティの可能性を知る

私は、シアトルのインターンシップで衝撃を受けました。人種や性別、年齢、宗教など、多様な人が集まる組織の中で、社長に対してどんな若手でも積極的に発言し、若い女性がチームリーダーとして活躍していました。考えてみれば、会社を良くするためには発言は当然のことで、能力が高い人なら年が若くてもリーダーとして活躍するべきです。自分が日本の固定観念の中で生きていたことを実感しました。そして、「違うって面白い、個性は宝だ」と感じたのです。異質な人が存在することで、気づきやヒントを得たり、革新的なアイディアが生まれたりもします。また、ダイバーシティを推進していく上では、さまざまな主張をまとめる、リーダーのフレキシブルな対応が重要であると感じました。

③ダイバーシティマネージメントを実践

2015年には、アジア太平洋開発協議会で議長を務めました。14カ国58名からなる会議体は、多様なチームリーダーからさまざまなアイディアや主張が集まる場で、まさにダイバーシティそのもの。それぞれの個性と向き合い、その特徴をとらえて「タグを付ける」ことと、性別や世代、価値観、趣向などの特性をとらえて「カテゴライズをする」ことのバランスを大切にしながら、真摯に向き合うことで、ひとつの成果を出すことができました。個性を組織の強みに生かすのがリーダーの仕事であり、ダイバーシティは新たな価値を生み出すための手法だということを学びました。

●東京JCのダイバーシティへの取り組み

東京ＪＣでは、多様な個性を強みに変える、ダイバーシティ マネジメントの推進を目指しています。労働人口の減少や大介護時代の到来、価値観の多様化、AI・ICTによる技術革新など、社会を取り巻く環境が変化する中で、ダイバーシティ マネジメントは必須です。企業経営はもちろん、小さなコミュニティの中でも、これからどんどん求められていくでしょう。女性活躍推進に関しても、女性が持つ個性を大事にしながら、リーダーシップを発揮し、他の女性メンバーが活躍できるよう後押ししていきたいと考えています。これから「女性初」という価値観がなくなっていくことが、女性が社会で活躍しているというひとつの証だと思っていますので、そのために私も取り組むべきことを推し進めていきたいと考えています。