(*文中の肩書は拡大会議実施当時のものです)
2016年3月4日(金)、ホテルイースト21東京の大ホールにて、「第9回 2015年度 J-Win 拡大会議」が開催されました。この会議は会員企業のエグゼクティブやダイバーシティ推進ご担当者の方々、女性メンバーと直属の上司、そして行政や学識経験者、マスコミの方々をお招きし、一年の活動をご報告する場として毎年3月に開催されています。今年も600名を超える方々にご参加いただきました。
第一部は、内永理事長による「2016年度J-Win活動に向けて」と題した挨拶でスタート。 次に、拡大会議開催にあたって安倍内閣総理大臣から頂戴した祝辞が紹介されました。
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皆さんご存知のように、日本は超少子高齢化社会に突入しています。労働力となる生産可能年齢層は今後年々減少を続けてくでしょう。2050年には、韓国や中国、東南アジアの国々も日本以上のスピードで高齢化が進むと予想されています。このような厳しい時代にあっても持続可能な発展を確立するために、女性活躍の推進は急務です。
しかし、大学や企業、そして社会の活性化に必要なのは女性活躍だけではありません。多様な人材の個性が輝いてこそ、真のダイバーシティと言えます。多様性に富んだ組織は、社会の変化にスピーディーに対応できる柔軟性を身につけます。そのしなやかさは業務の効率化や、生活者視点での新たな製品・サービスの開発などにもつながるでしょう。つまり、女性だけでなくあらゆる人材にとって魅力的な職場環境となるのです。個人にとっても、多様な個性を認め合うことは自己実現につながります。女性活躍推進、ひいてはダイバーシティの実現が、ワークライフバランスの改善による健全な組織体制の構築、グローバルな競争力の強化、そして組織と社会の持続的成長を可能にするのです。
女性教員や研究者が活躍できる環境をつくるための、名古屋大学における具体的な取り組みをご紹介します。まず、施策を進める上で大切なのはトップが女性活躍推進に対する姿勢をきちんと示すことです。名古屋大学では、全国の国立大学に先がけて、、平成14年度に男女共同参画室を設立しました。その後、濵口前総長の強力なリーダーシップのもと、実態調査および意識調査のために部局長を対象としたヒアリングとアンケートを定期的に行うなど、常にその課題を明確にしてきました。【松尾清一氏プロフィール】
1981年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。専門分野は内科学一般、腎臓内科学。名古屋大学医学部附属病院長、同副総長、同予防早期医療創成センター長、同学術研究・産学官連携推進本部長等を経て、2015年4月より現職。2015年、国連ウィメン(UN Women)の「He for She」キャンペーン「IMPACT10×10×10」に「世界の10大学」リーダーの一人として選出。