「J-Win Next Stage ネットワーク 第8回定例会」を、2021年5月19日(水)に開催し、230名のメンバーがオンライン参加しました。

■管理職に必要なこと

部下全員のポテンシャルを引き出し、その総力で部署の業績を上げるのがマネージャーの仕事。言葉では簡単に言えますが、実際のマネージャー業は日々心を削られるようなストレスだらけのいばらの道です。外国人として日本でキャリアをスタートさせ、これまで数々の偏見や悔しい思いをたくさんしてきたとおっしゃる　アース製薬株式会社 社外取締役　ハロルド・メイ氏をお招きし、リアルな管理職体験談と図太くやっていくためのサバイバル術としての「6つのコツ」についてお話しいただきました。
　
以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。
(＊肩書き等は講演当時のものです。)


●管理職に必要な６つのこと

必要なことは以下の６つの心得である。
一つ目は「覚悟」。覚悟とはコミットメントであり、少々のことではくじけないという決意のこと。
二つ目は「野心」。業務に直結した野心を持つ。三つ目は「完璧を求めない心」。部下には様々な人がおり、全員から確固たる支持を得るのは無理だと理解しよう。全員と心を通わそうと頑張りすぎなくてもよい。四つ目は「鈍感力」。嫉妬はいつも近くにあり、人間は嫉妬する生き物である。成功者への対抗心を侮るべからず。ネガティブな感情をさらりとかわし、悪意に心をすり減らさないことが大事だ。五つ目は「愛情」。自分の商品、会社、ブランドをとことん好きなる！そして、六つ目は「クリエイティビティ」。マーケティングはScience とArtのコンビネーションが大事ということである。

●ハロルドさんの考えるリーダーとは？
リーダーとは、まず、時間軸の長い、3年先、5年先の将来を見据えることができる人である。
次に自分がすべて行うのではなく、人に託すことができる。自分の愛車のキーを渡すように、部下を信頼して仕事を任せることができるか。仕事を任せてサポートはしながらも部下の力を最大限に引き出し、成功させること。そして部下が目立ったとしてもそれを喜べること。それを見ている人は必ずいる。
そして、発想の転換ができる。視点を変えることにより、新たな価値を見出すことができるのである。

●自分を信じること（Fake it, until you make it!）
TEDのビデオ(AMY CUDDY)をご紹介しょう。何かをできるようになるまで、できるようなフリをするべきだ。動物も自信があると、身体を大きく見せる。このパワーポーズをとることで、心の状態が落ち着き、リスクがあることへのチャレンジを後押ししてくれる。自信をもって決断し、自信があるようにみせること。

―メイ様のお考えがストレートに伝わってきて、何が管理職として必要なのかハラオチした。また、「気が合う人はせいぜい20%、あとの80%は距離を置いてもよい」「最初からできるわけではない」など、自分の悩みに対して安心できるメッセージも多かった。

―プレゼンの心構えから、リーダーに必要な６つの心がけ、リーダーがやった方が良いこと、リーダーの要素などパッションをもって教えて頂きました。自分はパッションがないといつも言われている中で、そこをどう出していくか考えるきっかけになりました。

―相手への伝わり方は半減。100ではなく300の熱量で発するとやっと少し伝わるくらいに思った方が良い。今後のメッセージ発信では肝に銘じたいと思います。

―自分も知っている製品、トレンドを生み出したリーダーのお話を聞けたことは貴重だった。特に発想の転換には感銘を受けた。またcompany ladderは上がれば上がるほど孤独になる、嫉妬を受けるという話も興味深かった。

―メイ様のご講演はその内容、プレゼンともにすばらしく、部下をその気にさせて結果を出すリーダーとはかくあるべき、ということを教えていただきました。事前に拝読した著書にも大変感銘を受けましたが、講演会でメイ様のお人柄に触れ、大ファンとなりました！