「J-Win Next Stage ネットワーク 第6回定例会」を、2021年1月21日(木)に開催し、150名のメンバーがオンライン参加しました。

■『仕事の取り扱い説明書』

大正11年大阪市大正区で創業した大型膜面構造物（テント構造物）メーカーの太陽工業株式会社。東京ドームなどの大型ドームやサッカーW杯開催スタジアムの屋根、さらには、５年ごとに開催され多くの来場者で賑わう国際博覧会など国の威信をかけたプロジェクトでは、日本のみならず世界各地で豊富な実績を誇っています。本定例会では、太陽工業株式会社の代表取締役社長 荒木秀文氏に、仕事に向き合う姿勢を今一度見直し、仕事を通じてチャレンジすることの大切さについて、詳しくお話いただきました。

以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。
(＊肩書き等は講演当時のものです。)


●大事にしていたのは「人」

若い頃からピンチをチャンスに変えることを念頭に置き、仕事をきっちりと仕上げること、仕事の報酬は仕事であることを早くから体得していた。様々な経験を経て、チームメンバーと仕事を進める中で、いつも大事にしていたのは「人」であった。
入社10年目、社長にアメリカ渡航を任命され、7年連続赤字の工場に着任した。そこで取り組んだ事は、ビザのないメキシコ人達の生活を豊かにするように成果報酬制を導入すること。「HIDEの言う通りにすると収入が上がる」と彼らは喜び、工場は黒字化した。アメリカでの仕事を振返り、「お互いの思いを共有すれば、協力して働ける体制が生まれ、喜びを分かち合える」ことを実感した。

●ゲストに第9期High Potential ネットワーク　卒業メンバーが登場

J-Win 第9期High Potential ネットワーク　卒業メンバーで、現在カンボジアで社長を務めている長谷川裕美氏がゲストで登場。
　 「突然の任命だった。カンボジアの子会社の社長を引き受けたのは、社長という1番のポジションになりたかったから。」「海外赴任の不安もあったが、前任者でも、現場担当者でも、誰でも聞くことが出来るのが私の強み。」 任命時、荒木社長からは「背負ってね」との、励ましのお言葉があったそうです。

●荒木君、お前が社長になれ
適前社長と共に大事にしてきたことを挙げると、「社会貢献」「社員の誇り」「仕事の報酬は仕事」の三つである。そうした考えに基づいていくつかの企画を実行してきた。その結果、自らが社長に昇進することになった。
福島原発のカバーや「メディナアンブレラプロジェクト」、コロナウイルスの防護服製作を実行に移してきた。自ら発案したリサイクルバッグ『マクタンク』の企画では、Disneyとコラボを実現するに至った。いずれの企画も社員の誇りに繋がっている。
組織運営における人材マネジメントがいかに重要か、チームメンバーとしての経験が会社の財産になる。

●経営層に近づけば近づくほど子供に戻れ
社会の構成員の一人として、会社をどう役立てるべきなのかというビジョンはいつも明確であった。本当に困っている人々への手の差し伸べる判断を早くすることで、成功に繋がっている。経営層になるほど、幼少期の思考パターンに戻るべきである。

―リーダーとしての役割、気持ちの持ち方、価値観の置き方という心構えや人間力とならんで、経営判断の実務においても高いプロ意識で取り組まれておられ、目の前の仕事に手を抜かず徹底的にやれているか、自問できました。

―社長のお話でパワーをいただきました。特に、「人」を大切になさり、人はすべて平等であるということをご自身の体験をお話しいただくことで改めて教えられました。

―パワフルなご経験から、マネジメントにあたってのエッセンスや、決定をするときの腹のくくり方など、すごく共感が出来て面白かったです。

―荒木様の人を巻き込む熱量に圧倒された。エピソードは「昭和」な仕事ぶりで時代を感じたが、現場がその気になって主体的に動きだすための人を巻き込むパワーは現在にも通じるものだと思い、大変参考になった。

―現在関わっているプロジェクトが日々各種報道に翻弄されているため、どうモチベーションを保ちながらチャレンジすればいいか考えるきっかけになった。