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「社会全体のデジタライゼーションに向けて」
内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
内閣参事官 奥田 直彦 氏
政府では「国民が安全で安心して暮らせ、豊かさを実感できるデジタル社会の実現」という基本的な考え方をもとに、IT化やデジタル化によって便利で安心できる暮らしや、生産性を上げていける社会を構築することを目指しています。そのための重点課題としてまず挙げられるのが社会基盤の整備です。例えば、「5Gなどのインフラ再構築」「AI、セキュリティ対策などの基盤技術の向上」「スタートアップやオープンイノベーションの推進」「人材育成」「デジタル格差対策」などに取り組んでいます。さらに、戦略として2つの柱があります。1つはデータの利活用です。IT大綱に基づいてデータを安全・安心に利用できる環境整備や、信頼性向上のためのデータ流通・利活用ルールの整備、官民データ連携の促進などを進めています。2つ目は、我が国の社会全体を通じたデジタル・ガバメントです。こうした取り組みから、自動運転の推進やスマート農林水産業の実現、マイナンバーカードの普及と利活用により実現する、健康、医療、福祉分野でのデータ連携、また、外国船が待ち時間なく入港できるようになることで湾港の生産性を高める「サイバーポート」の実現などが期待されています。こうした、先駆的な取り組みを推進することで、国民生活で利便性を実感できるデジタル社会が実現するのではないかと考えています。
デジタライゼーションに向けた取り組みを推進するために、今年5月に「デジタル手続法*」を公布しました。行政のデジタル化に関する基本原則などを定めるとともに、個別施策を講じる点にも触れています。例えば、行政手続きをデジタル化していく上で重要な役割を果たすマイナンバーカードの利用拡大や、データを活用した本人確認のシステム化なども、施策として盛り込まれています。また、デジタル化の推進においては、クラウドサービスの活用も重要です。クラウドの活用により、システムの効率化や行政サービスの利便性向上を図ることが期待されています。その一方で、十分なセキュリティ対策も急務です。政府ではクラウド導入における安全性評価の仕組みを策定し、基準を満たしたクラウドの導入を進めるよう環境整備を進めています。~講演の感想~
【奥田 直彦 氏のPROFILE】
1994年4月 総務庁入庁。2005年4月 総務省行政管理局行政情報システム企画課課長補佐。2007年7月 同 統計局統計情報システム課課長補佐。2010年7月 同 統計局総務課調査官。2014年7月 同 統計局統計情報システム課長。2015年7月 同 行政管理局管理官。2016年6月 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室参事官。2019年8月 総務省行政管理局行政情報システム企画課長。併任 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室参事官。