「J-Win Next Stageネットワーク第3回定例会」を、2019年9月25日（水）に機械振興会館、大阪中継会場で開催しました。

■日本国憲法を理解する

今回は、首都大学東京　教授の木村 草太氏を迎え、「日本国憲法の歴史と未来」と題した講演を行いました。
日本国憲法の成り立ちと歴史的背景、他六法との関係性から、現在、新聞やニュースなどで取り上げられているタイムリーな話題についても、憲法上の観点からわかりやすく解説いただきました。
普段の生活のなかで特段意識していなくても、誰しもが必ず関わりをもつ日本国憲法。日本の企業で活動する中でも、正確な憲法の知識をもとに物事を理解していくことが必要となります。憲法を身近に感じるとともに、これからも関心をもち続け、理解を深めていくことの重要性について認識する機会となりました。



(＊肩書き等は講演当時のものです。)


●立憲主義と憲法

●西欧における立憲主義の発展
　－イギリス／アメリカ／フランス／ドイツ

●日本国憲法
　－自衛隊と憲法
　－人権の体系
　－夫婦別姓訴訟と同性婚訴訟





Q：　日本国憲法が世界と比較して最も特徴的だと思われる部分はどのようなところか。
A：　先進国の中でも武力行使に慎重。武力による国際貢献が求められる状況で日本のような大国が参加しないのは役割を果たしていないという意見もある一方、行使しないことにより外交上の選択肢が広がり、独自の貢献が出来ている。こういう特徴を持つ日本はどのような貢献を行うのが良いのか、を考えることが必要。

Q：　リーダーになろうとしている私たちのような人に大切にしてほしいことは。
A：　多様性への感覚。会社の中で色々な国籍や信仰を持つメンバーが増えていけば、色々な文化が入ってくる。例えばハラール対応の食事が必要など。働きやすい環境を作り、介護が必要となった社員にはこんな仕組みがあった方が良いということを多様性の観点から判断を求められることがあると思う。憲法も色々な国民がいるということを前提に、それぞれを尊重するにはどうしたら良いか考えているもの。多様性を尊重するにはどうしたら良いか、を考えてもらうと良いと思う。



-　憲法の成り立ちや、構成、最近の憲法改正の議論についての解説、ダイバーシティへの議論など、大変参考になりました。人権の尊重、表現の自由など、自らの日常生活の基盤を豊かにするために定めている重要なものであると改めて感じました
-　憲法の理解が深まったことに加えて、物事の解釈の仕方で受け取る意味合いが大きく異なることを改めて理解し、一つの物事を相手が同じように理解しているとは思わずに進めることが必要と感じた
-　報道などの表面的な情報だけでなく、そこから一歩踏み込んで論点を探る、自分ごととして意見を持つ、ということに取り組んでいきたい
-　出席者からの質問で、社内制度を作る際に目的審査基準をもとに考えるという視点を与えていただき、法律の知識を色々な場面で応用できるという気づきが生まれました