「J-Win Next Stageネットワーク 第4回定例会」が、2017年10月16日(月)に機械振興会館、大阪大学中之島センターで開催され、東京会場と大阪会場、合わせて104名のメンバーが参加しました。
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2017年度Next Stageネットワーク活動テーマ リ・クリエーション(自己の再構築) ~加速する未来を勝ち抜くために 〇時代環境の変化をいち早く捉え、ビジネスセンスを研ぎ澄ます 〇未知の分野にチャレンジし、破壊的な変革の波をチャンスに変える |
「未来予測2018-2030 ~過去の延長線上に『未来』はない~」
株式会社アクアビット 代表取締役 田中 栄 氏
私が発刊している「未来予測レポート」は、「過去の延長線上に未来はない」ということを伝えようとしています。社会が構造的に変わり、あらゆる産業やビジネスの枠組み、価値観、ライフスタイルなど、さまざまなものが変わろうとしています。変化する未来を知らずに、企業が中長期の戦略を立てることはできません。戦略立案の共通認識となるべき、未来社会を創る3つのメガトレンドについてお話しします。
もうひとつ注目すべき点は、世界の動向です。世界の人口は爆発的に増えており、2015年時点で73億人、2050年には98億人に達すると予測されています。さらに、2022年にはインドが中国を上回り世界ナンバーワンの人口大国になると言われています。これは、中国規模の国がもうひとつできるということです。今はお金さえ出せば、食料やエネルギー、資源などが基本的には好きなだけ買えます。しかし、今後新興国を中心に人口増加に加えて経済成長が重なると、あらゆる需要が飛躍的に増加し、「モノが足りない」ことが新しい前提となります。たとえば、中国では自動車の需要が急速に伸びていますが、原料となるニッケルの40%近くをインドネシアから輸入していました。しかし、限られた資源に危機感を感じたインドネシアは輸出を停止。こうした、需要増加を背景にした「囲い込み」が本格化します。また、仮に車が必要数作れたとしても、その台数をまかなう石油を輸入できるかという課題があります。中国は将来を見据えてEVの開発に本気で取り組み、かなり高性能なEVを開発するまでに至っており、我々も謙虚に学ぶべきレベルに達しています。実はEVは環境のためではなく、エネルギー対策であり、安全保障なのです。このように、サステイナビリティ(持続可能性)が、世界の「ものづくり」の常識を変えようとしています。~講演の感想 ~アンケートコメントより~
【田中 栄 氏のPROFILE】
1990年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社CSK入社、社長室所属。CSKグループ会長・故・大川功氏の下で事業計画の策定、業績評価など、実践的な経営管理を学ぶ。1993年にマイクロソフト株式会社入社。WordおよびOfficeのマーケティング戦略を担当。1998年、ビジネスプランナーとして日本法人の事業計画立案を統括。2003年2月に株式会社アクアビットを設立し、代表取締役に就任(現職)。2015年5月、KPMGあずさ監査法人総合研究所顧問に就任(現職)。「未来予測レポート」シリーズの著者。エレクトロニクス、自動車、エネルギー、医療、食料等、幅広い分野を横串で将来を予測。