「J-Win Next Stageネットワーク 第3回定例会」が、2017年9月20日(水)に機械振興会館、大阪大学中之島センターで開催され、東京会場と大阪会場、合わせて118名のメンバーが参加しました。
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古代インドにはさまざまな宗教が存在していましたが、紀元前5世紀に生まれた仏教だけが、アジア諸国に広まりました。僧侶だけでなく、政治権力者や商人、そして一般の人たちにも大切にされてきたことが、仏教が広まった要因として大きいと考えられます。シルクロードを行き交った、動く企業ともいえるキャラバン隊も、仏教を生きる支えにして各地へと広がっていったのです。
「利他」を実践するうえで大切なのは、自分を振り返ることです。仏教が教えている「如実知見」とは、ものごとをあるがままに見るということ。自己中心的な先入観や偏見でものごとを見ていないかなど、常に自己をみつめわが身を省みることが、自己中心性からの脱却につながります。また、仏教は、ものごとは関係、つながりで成り立っているという「関係性」を重視する思想です。つながりを大切にするということは、人の心や社会に調和と安定をもたらします。【入澤 崇 氏のPROFILE】
1955年広島県因島生まれ。龍谷大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。1990年龍谷大学文学部仏教学科に着任。ベゼクリク石窟壁画の復元事業や数多くの仏教遺跡調査に従事。2004年から5年間アフガニスタン仏教遺跡調査隊の隊長を務める。龍谷ミュージアム館長、文学部長を経て、2017年4月に学長就任。専門は仏教文化学(アジア各地域における仏教の受容と変容を研究)。「仏教は果たして西にどこまで広まったか」といった国際的なテーマで研究を行なっており、学長として大学経営の第一線でご活躍。仏教の教えである利他の精神を育む教育の推進を第一に掲げる。