「J-Win 第10期High Potentialネットワーク　11月度定例会」を、2020年11月12日（木）に開催し、東京メンバーに加えて、関西・九州のメンバーも参加の合同オンライン開催として、225名のメンバーが参加しました。

■グローバル社会における企業の成長戦略を学ぶことで、グローバルな視点を持ち、世の中の変化に対し、柔軟に対応できる人材になることを目指す

＜狙い＞
・　グローバル社会で日本企業が成長していくために何が必要かを理解する
・　グローバル人材に求められるスキルや思想について理解する
・　多様な人材をまとめるリーダーとなるために何が必要かを知る

第10期11月度定例会のテーマは「視座を高め、知見を広げる／グローバル」

スイスに駐在中のJTインターナショナル シニア・バイス・プレジデント　筒井　岳彦　氏による講演を、オンラインを通じて行いました。
筒井氏は、キャリアの1/4はたばこの製造部門、その後は企画部門にて社内改革に携わられてきました。
2014年に30代で執行役員になられ、その年齢の若さに関して日本では驚きをもって捉えられることが多いが、スイスでは年齢と役職について問われることはなく、現在活躍中です。定例会ではJTグループの会社概要に始まり、JT変革への道のり、グローバル化、グローバル経営と順を追ってお話しいただき、最後にプロジェクトにおいて大切なこと、変化・変革について思うことについて、熱く語っていただきました。
　

以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。
(＊肩書き等は講演当時のものです。)


１．筒井氏のキャリアについて

若くしての役員への昇進は、日本では驚きをもって捉えられることが多いが、スイス（海外）では年齢と役職について問われることはなく、日本と海外との違いを感じている。

２．JTグループの会社概要

JTグループは経営理念である４Sモデルを大切にしている。たばこ事業は国内と海外に分かれており、国内と海外たばこ事業（JTインターナショナル、以下、JTI）では社風・給与体系・雇用習慣が全く違う。海外たばこ事業は完全なる外資系である。
JTグループの売上収益はたばこ事業が９割。特に営業利益の７割を海外たばこ事業が占める。世界70以上の国と地域に拠点を持ち130以上の国と地域で製品を販売している。

３．JTの変革への道のり

専売公社から現在のJTの姿になるまでの道のりは、時代の変化・外部要因に対応すべく改革を実施してきたことを注目したい。
JTには、健全な危機感（会社が傾く前に持つ危機感）を持つDNAが刻まれている。現実を直視すること・未来を見据えることが大切である。経営が良い時に難しい改革を実施してきた。

４．JTのグローバル経営

グローバル市場で戦うために、JTIの運営においてはポジションに国籍・年齢は関係ない。役員の国籍もバラバラである。日本人に拘らず、適材適所で人材を活用するために、JTIはJTから独立している。
仕事に対応する「responsibility（責任）」について、日本よりも責任の所在が明確であり、そういった文化を踏まえてコミュニケーションをとることがポイント。

５．最後に（プロジェクト／変化／変革について思うこと）

プロジェクトにおいて大切なこと、それは、目的をよく考えること、手段と混同しないこと。行き詰まったら、雑談（カジュアルな会話）により周囲に確認・相談をすること。
ゴールに向かって地図を作るとよい。スタートからゴールを直線的に捉えるのではなく、面で考えること。
実現にこだわり、柔軟にアプローチをすること。
大々的な改革案を発表するだけにとどまらず、実際に変化をすることが大事。
丁寧なコミュニケーションをとることも大事。変化に対する抵抗があることは当たり前。変化によってどんなメリットがあるのか、納得感を持つことがポイントだ。

～講演の感想　～参加者アンケートより～

―コミュニケーションが重要で、相手を説得するには目的、メリットを明確に伝える。そのときに手段と混同しないことが重要という点が印象に残った。

―「地図を作る＝GOALを達成するために「こういうことをやろう」という道筋を作る。一直線な計画を立てがちだが、実際は壁がある。予めそのあたりを十分想像して、迂回路も考えておく」というアドバイスを実践しようと思った。

―企業のグローバル化の流れは加速することが必至であり、自身をもっとグローバル人材になるべくスキルを高めなければという危機意識を持った。

―講演を通じ、グローバルだけでなくトップを目指すうえでの覚悟、苦労も参考になった。



講演終了後は筒井氏とのLive!アンケートを利用した質疑応答を行い、引き続き個人ワークを実施。個人ワーク後におこなわれたグループワークでの意見交換では、「グローバルについてどのような気付きがあったか、 グローバルな視点を自身の仕事に活かすために何ができるか」ディスカッションし、「明日からのアクションプランを宣言」することにより、グローバルな視点を持ち、世の中の変化に対し柔軟に対応できる人材になることを目指す、意識のきっかけにすることができました。



～全体の感想　～参加者アンケートより～

―グローバルと関わってない人は今回の定例会は縁のない内容だと考えていたが、筒井様の講演を聞いてグローバル事業ではなく、企業運営上の考え方だと理解した。違いを理解することも、暗黙のルールをやめて、言葉にして伝えること、対話の重要性を感じた。コミュニケーションはグローバルだけではなく、普段の仕事上もきちんとやらないといけないものだ。

―コミュニケーション、相手との違いを拒絶せずに対話により理解を深める。自分の当たり前を相手に押し付けないことは対話だ。また、「地図作り」による目的の共有と意見のすり合わせも重要だ。議論したこと明日からまず一つ実行していく。