第10期 High Potential ネットワークのキックオフとなる4月度定例会がWEB中継形式で開催され、250名のメンバーがオンラインでの出席となりました。

■ダイバーシティが経営戦略であることを理解する

活動のスタートにあたり、ダイバーシティが企業の経営戦略であることの理解とともに、J-Win活動の目的・プログラム概要・一年間の流れを共有。メンバー全員が、大きく変貌する世界の動きや日本企業が置かれた現状を再認識し、所属する企業の一員としての自覚を持って、活動に参加することの大切さを学ぶことからプログラムは始まります。
内永理事長による講演「経営戦略としてのダイバーシティ・マネジメント」では、急速に変化する時代に打ち勝つための経営戦略や、その中でのダイバーシティの重要性、女性がキャリアアップすることの意義などについて語られました。講演後の質疑応答はオンラインでのチャットを活用。女性活躍を阻むオールド・ボーイズ・ネットワークについての質問なども寄せられ、内永理事長からは体験談を踏まえ、上司とのコミュニケーション方法などについてアドバイスがありました。今後、キャリアアップを目指していく中で、メンバーにとっては一つひとつの壁を乗り越えていくための心構えにもなったようです。
定例会の後半では、事務局より、メンバーが主体的に参画するJ-Win活動の特徴と、1年の活動のなかで、幹事・委員・リーダーなどの「役割」を最低1回以上担う「一人一役」を実践していただくことなどを説明しました。そして最後は「分科会」の紹介。分科会とは共通課題を設定し、解くプロセスを通して、結果としてネットワークを構築し、リーダーマインドを醸成する活動であることが伝えられました。

以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。


●ビジネスの変化のスピードが加速する時代に企業が生き残るために

「皆さん、元気ですか」。　今日は第10期High Potentialメンバーの皆さん全員が、目の前にいらっしゃると思って話しをしたいと思います。新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって働き方は大きく変わり、多くの企業でテレワークが導入されるようになりました。これが大きなトランスフォーメーションの第一歩となるのかも知れません。
J-Winの活動をスタートするにあたり、ダイバーシティが企業にとってどのような意味があるのかをまず理解していただきたいと思います。世界は急速にフラット化しています。世界中の出来事が瞬時に目の前の仕事に影響してきています。電話が固定電話から携帯電話へ、そしてスマートフォンへとあっという間に変わってきたことに象徴されるように、あらゆるものやサービスが急速に変化しています。企業間の競争もめまぐるしくなる中で、従来のビジネスモデルだけを踏襲していては、競争に打ち勝ち、走り続けることが難しい時代であり、ビジネスモデルそのものを変えていくようなチャレンジが求められています。こうした時に、これまでの同じ成功体験を持った人たちが一生懸命考えても、新しいビジネスを生み出すことにつながりにくいものです。そこで必要なのが多様性、ダイバーシティの考え方です。まったく違うバックグランド、価値観、発想や背景を持った人たちの意見を柔軟に受け入れ、イノベーションが生み出されるきっかけを創っていく。だからこそ世界中の多くの企業が、このダイバーシティに注目しているのです。

●経営戦略として求められている女性活用

2019年度、世界のジェンダーギャップインデックスで日本は121位となりました。安倍内閣の女性活用を前面に押し出した政策により、企業では女性管理職、女性役員の数も増えたと言われていますが、世界では最下位のグループ。その理由は簡単でこのランキングは相対値での比較ですから、私たちが良くなっても、世界がもっと良くなれば遅れていくのは当然です。このことは、世界が多様性を極めて大切にして、真剣に取り組んでいるということの現れです。
企業が生き延びるために、企業が強くなるために多様性が必要なことは先ほど述べました。多様性と言うとすぐ外国人をイメージする方もいますが、多様性の第一歩は女性からです。理由は簡単、人口の半分は女性です。企業のなかにも女性は多くいます。大切な違いがあるとすれば過去の成功体験を共有していないこと。だから最もハードルが低いダイバーシティは女性です。身近にいて多くを理解している女性ですら活用できないのであれば、他の多様性を活用するのは極めて難しいと考えます。

●第10期 High Potentialネットワークメンバーへのメッセージ

自分のキャリアに対する目標を明確に持つこと。上司から定年退職の時にどのポジションまで上がっていたいですか、と聞かれたことがあります。自分のキャリアアップの目標は高くしましょう。視座を上げれば会社の見方も変わってきます、経営層の発言の理解力も変わってきます。
与えられたチャンスにチャレンジすること。せっかくのチャンスが与えられても、自信がない、まだ早いと尻込みする人が多いのも事実です。自らがチャンスの芽を摘まないで、どのような理由であれ訪れたチャンスを受けて、チャレンジしてください。
個人としての価値、強みを持ってください。オールラウンドプレイヤーになる必要はありません。
社内外の人のネットワークを大切にしてください。キャリアアップしていく中で、能力よりも大切なものに人的ネットワークというものがあります。社内であれ、社外であれ、このネットワークとはあなたが活用できる力ということになります。
メンター（先輩）を活用すること。Top Executiveにメンターに相応しい人を見つけたら「私のメンターになってください」と直接お願いしてみてはいかがでしょうか。
馬に乗ったら降りない。人生は楽ではありません。大きいことにチャレンジできれば、喜びも大きくなります。会社という力を借りて大きな仕事にチャレンジしてください。

キャリアアップのチャンスは訪れます。その時に考えてほしいのはなぜ会社は女性活躍推進をやるのか、ということです。女性のため、あなたのためではありません。多様な人材を活用して、会社の中に新しい発想、新しい価値観を創り上げるため、そのステップのひとつとしてやっているのです。ぜひその点を理解し、これからのJ-Winネットワーク活動にも取り組んでいただきたいと思います。



講演後のQ&Aは、チャット機能を活用し100を超える質問をいただきました。
質問内容にすべて目を通した内永理事長からは「私はすべての質問に正解などできません。私は私なりに答えましたが、その質問を自分自身に投げてみてください。自分自身の中で自分だったらどうなるかなという事を考えてください」とのコメントがありました。

Q：トップを目指す、のトップは社長という意味でしょうか？

A：企業のTOPは社長。なぜそれを目指せというのかというと、TOPを目指す意識と覚悟で会社全体を見ない限りは、管理職として上がっていくための価値のある仕事ができないから。視線を常にTOPと同じようなとこころに置いておく必要がある。社長の視線、発想の仕方、考え方を意識することによって、より上位の管理職になれる。結果的に途中で止まるかもしれないが、それでも意識は常にTOPを目指すという事が大事。最初から「目指すのは部長です」と言っていたら、部長にもなれない。

Q：何名か女性の部下がおりますが、皆、管理職になりたくない、難しい仕事は出来たらやりたくないと言っています。どの様にして、その方々のモチベーションを上げるのかについて悩んでいます。

A：自分の一生の中で、自分の人生をかけて何かをやって、世の中に対して影響力を及ぼして「自分はこういう事が出来た」「あんな事をやり遂げた」と思えることをするには、大きな組織が無いとなかなかできない。自分の人生を、意味のあるものにするために、組織というものの力を使って、達成させる、それがキャリアを上げるという事である。キャリアをあげるというと単に偉くなると思えるかもしれないけど、「偉くなる」というのは現象であって、偉くなって何がいいかと言うと、大きな仕事ができる事。責任が増えて、自分の影響力が増して、一人ではできない大きな仕事ができて、十人、百人、千人、一万人の人を活用できること。

Q：私は入社して4年の主任の立場でして、周囲を納得し、動かせるだけのスキルを早く身につけたいと日々焦りを感じています。内永様は私と同じ年次の頃、自己成長のために何を一番優先して取り組まれましたか？

A：考える事。考えて、考えて、考え抜くこと。今の状況はどうなっているのか、自分のボスは何でそう言うのか、会社はなぜそういう事をやるのか、自分の会社の競合相手は何をやっているのか、いくらでも情報がある。なぜそうしたのか、しばらくたったら結果も出るので、自分の中でシュミレーションする。一番大事なのは、考える事。なぜ社長はこうしたのか、なぜ部長はそうするのか、課長はそういう風に言っているがなぜなのか。自分だったらどうするか。上の人が言ったことの中に成功するヒントはたくさんある。そういうのを素直に受ける事。一番大事なことは鵜呑みにしないで、なぜそう思ったか自分で考えること。それができる日本人は本当に少ない。「なぜ」と考える。

Q：オールド・ボーイズ・ネットワークというものを初めて知りました。これを打破するための一番のポイントは何でしょうか？

A：一番のポイントは、「オールド・ボーイズ・ネットワークがある」という事をまず自覚してください。具体的に何がオールド・ボーイ・ズネットワークだとわからなかったら、男性たちが日々やっている行動が女性たちにとってどれだけ奇異に感じているか、で見る。例えば会話の仕方、立ち振る舞いなど、会社の中の細かな約束ごとが積み重ねられている。一度男性は、女性たちとそういう事を話してみると良い。J-WinのNext　StageネットワークとExecutiveネットワークと男性ネットワークは、今それに取り組み、男性ネットワークのメンバーは、「俺たちが女性活躍を阻んでいた」とわかるようになった。

Q：男性の理解と行動が必要とのお話について、当社においては管理職には表面上の配慮がされているように感じますが、やはり男性同士の上司部下の方がやりやすいように見られます。その関係性に食い込むには、女性側からどういった行動を取るべきでしょうか。

A：特に何かをするのではなく、言われた仕事を受けること。そして自分がいいと思う事をきっちりとやっていく。それはモノカルチャーの方が仕事はやりやすい。女性がやることは、アサインされたら仕事としてきちんとやること。チャンスが来たら必ず受ける。そして、仕事に対して真摯に。本当によく考えて考えて考え抜いて、やる。周りの人が言った事ではなく、自分のロジックで、自分の価値観で、きちんと答えを出してやっていく。それを貫くしかないです。

Q：日本は長時間労働の傾向にあるため女性が管理職を目指したがらないという一面があるのではないかと考えています。ダイバーシティ（女性管理職比率向上）と働き方改革（労働時間削減）は多少なりとも関連性があるかと思うのですが、いかがお考えでしょうか？

A：働き方改革とダイバーシティは関連しています。なぜかと言うと、働き方改革することによって一人一人の業務基準が明確になり、個人の成果に対して評価することになる。男だから、女だからという事ではなくなる。これまでの業務推進はチームでおこなうことが多く、誰が何をやっているかよく分からない。個人としての働き方、成果をきちんと評価するという事が、女性であり男性でありその人を正確に評価して貢献してもらうという事ができる。

Q：何名か女性の部下がおりますが、皆、管理職になりたくない、難しい仕事は出来たらやりたくないと言っています。どの様にして、その方々のモチベーションを上げるのかについて悩んでいます。

A：自分の一生の中で、自分の人生をかけて何かをやって、世の中に対して影響力を及ぼして「自分はこういう事が出来た」「あんな事をやり遂げた」と思えることをするには、大きな組織が無いとなかなかできない。自分の人生を、意味のあるものにするために、組織というものの力を使って、達成させる、それがキャリアを上げるという事である。キャリアをあげるというと単に偉くなると思えるかもしれないけど、「偉くなる」というのは現象であって、偉くなって何がいいかと言うと、大きな仕事ができる事。責任が増えて、自分の影響力が増して、一人ではできない大きな仕事ができて、十人、百人、千人、一万人の人を活用できること。

Q：私は入社して4年の主任の立場でして、周囲を納得し、動かせるだけのスキルを早く身につけたいと日々焦りを感じています。内永様は私と同じ年次の頃、自己成長のために何を一番優先して取り組まれましたか？

A：考える事。考えて、考えて、考え抜くこと。今の状況はどうなっているのか、自分のボスは何でそう言うのか、会社はなぜそういう事をやるのか、自分の会社の競合相手は何をやっているのか、いくらでも情報がある。なぜそうしたのか、しばらくたったら結果も出るので、自分の中でシュミレーションする。一番大事なのは、考える事。なぜ社長はこうしたのか、なぜ部長はそうするのか、課長はそういう風に言っているがなぜなのか。自分だったらどうするか。上の人が言ったことの中に成功するヒントはたくさんある。そういうのを素直に受ける事。一番大事なことは鵜呑みにしないで、なぜそう思ったか自分で考えること。それができる日本人は本当に少ない。「なぜ」と考える。

Q：オールド・ボーイズ・ネットワークというものを初めて知りました。これを打破するための一番のポイントは何でしょうか？

A：一番のポイントは、「オールド・ボーイズ・ネットワークがある」という事をまず自覚してください。具体的に何がオールド・ボーイ・ズネットワークだとわからなかったら、男性たちが日々やっている行動が女性たちにとってどれだけ奇異に感じているか、で見る。例えば会話の仕方、立ち振る舞いなど、会社の中の細かな約束ごとが積み重ねられている。一度男性は、女性たちとそういう事を話してみると良い。J-WinのNext　StageネットワークとExecutiveネットワークと男性ネットワークは、今それに取り組み、男性ネットワークのメンバーは、「俺たちが女性活躍を阻んでいた」とわかるようになった。

Q：男性の理解と行動が必要とのお話について、当社においては管理職には表面上の配慮がされているように感じますが、やはり男性同士の上司部下の方がやりやすいように見られます。その関係性に食い込むには、女性側からどういった行動を取るべきでしょうか。

A：特に何かをするのではなく、言われた仕事を受けること。そして自分がいいと思う事をきっちりとやっていく。それはモノカルチャーの方が仕事はやりやすい。女性がやることは、アサインされたら仕事としてきちんとやること。チャンスが来たら必ず受ける。そして、仕事に対して真摯に。本当によく考えて考えて考え抜いて、やる。周りの人が言った事ではなく、自分のロジックで、自分の価値観で、きちんと答えを出してやっていく。それを貫くしかないです。

Q：日本は長時間労働の傾向にあるため女性が管理職を目指したがらないという一面があるのではないかと考えています。ダイバーシティ（女性管理職比率向上）と働き方改革（労働時間削減）は多少なりとも関連性があるかと思うのですが、いかがお考えでしょうか？

A：働き方改革とダイバーシティは関連しています。なぜかと言うと、働き方改革することによって一人一人の業務基準が明確になり、個人の成果に対して評価することになる。男だから、女だからという事ではなくなる。これまでの業務推進はチームでおこなうことが多く、誰が何をやっているかよく分からない。個人としての働き方、成果をきちんと評価するという事が、女性であり男性でありその人を正確に評価して貢献してもらうという事ができる。