「J-Win第9期High Potentialネットワーク 8月度定例会」を、2019年8月2日(金)に機械振興会館、大阪中継会場、福岡中継会場で開催し、計207名のメンバーが参加しました。
■社会を変えるTechnologyに人がどのように関わっていくかを考える
8月度定例会のテーマは「Technologyを理解し、Technologyが いかに社会を、経済を、会社を大きく変えるかを知る」。
日本アイ・ビー・エム株式会社の石川 繁樹氏を講師に迎え、「未来を拓くIBM研究最前線 Cognitive Computing」と題した講演を行いました。人工知能の研究の歴史や最新の技術、IBMが取り組んできたWatson技術を応用した事例など、Technologyによって広がる可能性についてわかりやすく解説していただきました。
「AIには踏み込めない領域はあるのか」という参加者からの質問に対しては、「どんなにすぐれたAIでも、データが正しくなければ誤った結果を出してしまう。その検証は人間にしかできない」とお答えいただき、AIと人との関り方についてもあらためて考える機会になりました。
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人工知能の研究は1960年代の第一次ブームに始まり、70年代後半から90年代後半の第二次ブームの頃に非常に盛んになりました。21世紀に入り、コンピュータの性能の進化とともに、第三次AIブームが起こり、さまざまな活用の可能性が広がってきています。それぞれの時代に研究されているテーマは少しずつ違いますが、徐々に進展し、解明された事実をもとにさらに新しい応用分野へと研究が進められています。こうした人工知能のTechnologyの中で、最近特に注目されているのが深層学習「ディープラーニング」です。ディープラーニングは、第二次ブームの時代に、コンピュータに知識を蓄積していくことで人間のように知恵をつけることができないかと研究された「機械学習」が基礎になっています。これに多段階のネットワークを使ったものがディープラーニングに分類されており、現在の第三次ブームのホットエリアです。具体的には、チェスや将棋、囲碁の名人に挑むコンピュータや、決まった動きだけではなく状況に応じて判断して動作する産業用ロボット、高齢化社会に向かう中で注目されている自動車の自動運転、音声認識の技術を応用したAIスピーカーなども身近になっています。さらに、企業の複雑な経営判断に必要な情報を的確に提供し、正しい判断に導くことへの支援にも人工知能が活用される時代に入っています。~参加者の感想 ~アンケートコメントより~
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【石川 繁樹 氏のPROFILE】
1985年日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所に入社後、 基礎研究、開発企画部門、ソリューション営業などを経験した後 IBM Tokyo LabにてIBMのテクノロジーを活用したビジネス展開をリード 現在、研究開発・アカデミック・アドボケートを担当。慶応義塾大学大学院Leading大学院特任教授を兼任。