J-Win第8期High Potentialネットワーク　第1回目となる4月度定例会を、2018年4月26日（木）に東京ウィメンズプラザで開催し、261名のメンバーが参加しました。

■ダイバーシティは経営戦略

活動スタートにあたり、4月の定例会ではメンバーが「ダイバーシティが経営戦略であることを理解する」「J-Win活動の目的・プログラム概要・一年間の流れを理解する」ことがねらい。
それぞれの企業から選抜されJ-Win活動に派遣されたメンバー自身が、なんのためにこの活動に参加するのかについて、理解を深めるプログラムとなりました。

内永理事長による講演では、ネットワーク作りの大切さや女性が企業のトップを目指すことの意義を認識。講演後にはメンバー同士でディスカッション、全体共有を実施し、さっそく異業種から集まった多様なメンバーとのネットワーキングもはじまりました。


以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。



●急速に変化する社会への対応や発想の転換が求められる時代に

ビジネスを取り巻く環境は大きく変化しています。テクノロジーの発達は急速に進んでおり、時間の壁や距離の壁はどんどん低くなっています。あまりにも変化が激しくビジネスのスピードが速いため、従来のやり方ではトップ企業であり続けることが難しくなっています。いまの世の中でトップを維持するにはビジネスモデルを変えるしかありません。10年でITは100倍進むという「ムーアの法則」は、あと20年は有効だと言われています。現在よりITが10000倍進化する20年後、過去の成功体験を持ち続けていたら世界から置いていかれるでしょう。また、新しい価値を生み出す発想力の差も企業の成長スピードに差がつく要因です。50年、100年と成功している企業では、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代にアチーブメントを挙げた方々がトップになっています。彼らはみな過去の成功体験を共有しており、同じ発想、同じ価値観です。しかし、同じ成功体験を持つ人だけでは新しいビジネスモデルは生み出されにくくなっています。

●女性活用は企業が変革を起こすための経営戦略

これからの時代は、モノカルチャーの20世紀型モデルではなく、10個のアイデアがあったら10個全部を試行錯誤してみるというヒューリスティックな21世紀型の企業でなければ勝ち続けることはできません。いかに新しいビジネスセグメントにチャレンジし、ビジネスモデルを変えていくかを世界中の企業が必死に考えている中、求められているのは企業に変革をもたらすような新しい考え方です。異なる発想、異なる見方、異なった価値観、異なった経験を持った人たちが集まり、一つの目標に向かって議論したり挑戦したりすることから生まれてくる新しい発想が重要なのです。こうした、発想の転換が求められている中で、企業の中にいる女性の存在が注目され始めています。女性は堅実に仕事をこなしながら、既成の概念にとらわれない意見を発信できる力があります。女性が企業の中でチェンジエージェントとしての役割を果たし、変革を起こすためのカタリスト（触媒）になることを期待されているのです。ダイバーシティ・マネジメントは女性のためととらえられがちですが、決してそうではありません。ダイバーシティの第一歩である女性活用は、企業の経営戦略として求められているという点を理解することが大切です。

●キャリアアップで人生の自己実現を

皆さんのなかには、キャリアアップに不安や抵抗がある女性もいるかもしれません。でも実際は、上の職位へいくほど価値のある経験を得ることができます。以前J-Winで非管理職の女性たちに行った意識調査では、「管理職になるのに抵抗感がある」と答えた人は53％もいました。一方、その後管理職になった人の88％が「管理職になってよかったと思う」と回答しています。職位が上がることでの責任も生まれますが、部下を使って大きな仕事もできるようになり、視座が上がり、やりがいも増します。キャリアアップすることで、仕事を通じて大きく成長することができるのです。私はIBMという会社の枠組みを使って自分の夢を実現しました。すごく頑張ったときもあり、少し疲れたなというときもありましたが、人生を過ごしていく中で苦しくない、悩まないということがあるでしょうか。どうせ悩むのなら大きなことで悩み、そして自分の人生でいちばん華のある時期に、仕事を通じて自分の夢を叶えましょう。

キャリアアップを目指すと決めたら、「馬に乗ったら乗り続ける」ことが大切です。ずっと疾走し続ける必要はありません。職業人としての長い人生の中では、調子の悪いときもあれば、少しスローダウンしなければならないときもあります。それは男性も女性も同じです。皆さんにお伝えしたいのは、自分のキャリアに対し目標を持つということです。なるべく高い目標を。3年後、5年後というスパンではなく、将来的に仕事をリタイアするとき自分はどうなっていたいかを考えてください。そして、チャンスがやってきたら、必ずチャレンジしてください。皆さんがやらなければならないことは、出会ったチャンスに対し挑戦し結果を出すことです。キャリアアップを重ねてトップを目指してしていく中で成長し、自分の人生を輝かせてください。