J-Win第6期9月度定例会が、2016年9月14日(水)に、東京ウイメンズプラザで行われました。今回は「株式会社美・ファイン研究所」の小林照子氏を講師に招き、「外見の輝きは心の輝きを創る~キャリアを目指す女性たちへ~」というテーマでご講演いただきました。「自分がどうなりたいか」というビジョンを描いてメイクで外見を作ることで、夢が実現していくというメッセージに、参加者の多くが関心を持ったようです。公演の中で行われたメイクのデモンストレーションにはたくさんの希望者の手が上がり、メイクアップアーティスト・藤枝暁子氏によるプロの技に、会場中が注目しました。
ここでは、小林氏の講演をダイジェストでご紹介します。
「外見の輝きは心の輝きを創る」
~キャリアを目指す女性たちへ~
株式会社美・ファイン研究所
小林照子氏
(*肩書等は講演当時のものです。)
● 美容部員からスタートし、男社会の中で"壁を溶かす"
私は化粧品会社のコーセーに入社しましたが、いつか演劇の世界でメイクの仕事をしたいという夢がありました。入社当初は美容部員として山口県の現場を担当。店頭でさまざまなお客様の悩みを聞きながら、朝から晩までメイクやホットタオルを使ったマッサージを行い、どんな人もきれいにできるという自信も生まれていきました。私は一生懸命メイクをしているだけでしたが、お客様に好評で、化粧品の売上も伸び、それをきっかけに本社でメーキャップの教育担当や、化粧品の商品開発など、仕事もどんどん広がり、夢だった演劇の世界も向こうからやってくるようになったのです。一方で、当時の化粧品会社は男社会です。手ごわい上司もたくさんいました。でも、会社や上司は人。人はいくらでも考え方を変えることができます。熱い思いは必ず通じて、突き破れなかった壁をトロリととろけさせることができるのです。困難な壁に当たった時、「これが私に何を学べと言っているの?」と考えるようにしています。何か学ぶことがあるからこそ、この壁がある。そして、「どうすれば人がわかってくれるか」を一生懸命考えて行動することが、経験として積み重なっていきました。苦労は必ず肥やしになります。
● 自分の意思を"見える化"することで運命は開ける
私は、人の運命を変える、幸せを作っていく美容を提唱しています。皮膚は人間が持つ60兆個の細胞を守る袋。つまり第一の衣装なのです。皮膚は脳やとつながっていて、心を映す鏡のようなもの。「美・ファイン研究所」では、ホットタオルを使って愛情をもって肌を温め、脳と心に働きかけるスキンケアを行っています。そして、メーキャップでは、まず、どんな自分になりたいか、どんな未来を作りたいかを考えてみましょう。例えば身近なところでは、大事なプレゼンで強いイメージを与えたい時、眉頭を強めに描くだけで、外見の印象を変えることはもちろん、心も強い気持ちになれます。さらに、大きな目標に向けて取り組むことも大切です。ある女性にメイクとファッションのアドバイスをして、まるでアクセサリーデザイナーのような外見に変身させたことがあります。彼女が、変わった自分の外見に刺激を受けて努力をしたら、数年後には本当に夢がかなうかも知れません。外見の輝きが心に大きな自信をもたらしてくれ、その夢に向けて努力するエネルギーを生み出してくれます。自分の意思を"見える化"することで未来を作ることができるのです。そして、心ら出る笑顔を作ることが運命を変える力になります。
● キャリアを目指す女性たちへ
みなさんには、人生設計を具体的に描いていただきたいと思います。80代になった私がこんなに元気だということは、みなさんはあと30年、40年も元気でいられるということ。人間はそれだけの優れた体と心をもらっているのです。これまでの人生には、何もできない赤ちゃんの時や、今思えば無駄なこともしていたかもしれない思春期の時代なども含まれるでしょう。しかし、これから先は、しっかりとしたキャリアを持った30年、40年が生きられる。つまり今から何にでもなれるのです。ぜひ10年先の目標を立てて、人生設計を1年ごとに刻んでください。これが自分の目指す未来に近づいていくためのプロデュースです。目標に向かってこの1年何をするかを考えながら生きていくと、充実した人生を送ることができます。ポジティブに生きることが元気で長生きする秘訣です。ぜひ良い人生を過ごしてください。
【小林照子氏のPROFILE】
株式会社コーセーにて35年間、美容研究、商品開発、教育などを担当し、取締役総合美容研究所長として活躍。「会社から社会へ」のコンセプトのもと、その研究を広めるべく1991年に独立し「美・ファインの研究所」を設立。人に、企業に、社会に向け、教育、商品開発、企画など、あらゆるビューティーコンサルタントビジネスを20年以上にわたり展開している。「人を美しくする魔法」「小林照子のメイクの力」「80歳のケセラセラ。いくつになっても『転がる石』で」など著書多数。