2016年6月3日(金)~4日(土)の2日間、つくば国際会議場およびオークラフロンティアホテルつくばにて、J-Win第6期女性メンバー約300名が参加して、合宿が行われました。
第4月から始まった第6期女性メンバー活動を本格稼働させていくにあたり、12の分科会の活動テーマや方向性を検討した他、キャリアアップセミナーでのロールモデル講演やJ-Win内永ゆか子理事長の講演など、中身の濃い充実した2日間となりました。
ここでは、内永理事長の講演をダイジェストでご紹介します。
「仕事からの贈り物」
J-Win理事長
内永ゆか子
今、日本中で起きている女性活用の大きな波は、千載一遇のチャンスです。この機会をものにするかどうかは、みなさん自身にかかっています。私も一人の社員として日本IBMに入社して、無我夢中で経験を積みながらキャリアアップを重ねてきました。その経験の中から、私が組織や仕事を通して得てきたことを「仕事からの贈り物」と題してお話したいと思います。
●「文句を言うのは仕事をしっかりこなしてから」と走り続けた若手時代
日本IBMにはSE(システムエンジニア)として入社しましたが、研修後すぐに事業所から広報に異動になりました。希望ではない異動に「こんなことをやるために会社に入ったのではない」と思いながら仕事をしていたところ、一緒に仕事をしていた外部パートナー企業の社長に「文句言うのは100年早い。いやなら辞めてしまえ」と言われて我に返り、「まずは目の前の仕事をしっかりやろう」と思い直しました。その後、研究所での開発業務や、マーケティング業務などにも携わりました。「男性に負けないように頑張ろう」と思うあまり、気が強くて理屈っぽいところが煙たがられたり、メンタル的に落ち込んだりしたこともあります。女性の活用にはまだまだ消極的な時代で、やる気はあるのに自分の力を発揮できないことに悩んでいました。そんななかで、理解ある上司のもとに配属されたことがきっかけとなり、徐々に仕事の幅も広がり始め、自分のマインドも前向きに変わっていったのです。また、IBMのアメリカ本国から「もっと女性を活用するように」という指示があり、そこから日本IBMも全社的に大きく流れが変わっていきました。
●目標を明確に掲げ、自身のキャリア形成を意識
課長になったばかりの頃、私を育ててくれた外国人の上司に、何歳までIBMにいるのか、どのポジションまで上がりたいのか「キャリアプラン」を作りなさいと言われました。目標を紙に書いて、どうすればそこへたどりつけるのか、どんなスキルを身に付ければよいのかを5年刻みで書き、1年に1回見直しなさいと。キャリアプランを明確にすることで、会社の仕組みや戦略などにも興味がわき、さまざまなことを自分で吸収しようという気持ちを持つようになり、マインドが変わりました。
私は今でもお正月に、前年度を振り返ること、そして新たな1年の目標をたてる、ということを行っています。1年に一度自身のキャリアプランを見直し、やるべきことを明確に設定することで、新たなモチベーションが生まれます。ぜひ、みなさんもやってみてください。
●キャリアアップが人生を豊かに
キャリアアップすることの一番のメリットは、大きな仕事ができることです。多くの部下を動かして、一人ではできないような大きな仕事をチームプレーで実現することができます。仕事は上から見る方がエキサイティングで、世界が広がり、世の中の仕組みが見えてきます。自分のキャリアに対して大きな目標を持ち、巡ってきたチャンスには絶対乗る、受けたオファーは必ず受けることです。
そして、馬に乗ったら下りずに乗り続けてください。上に立つ自信がないという人もいるかもしれませんが、最初からそのポジションに見合った能力の人は誰もいません。そこに行けばポジションが人を作ってくれます。みなさんのJ-Winの先輩方に、管理職に昇進することに抵抗があるかどうか聞いたとこと、約半数が「ある」と答えましたが、実際に管理職になった後に「なってよかったか」と聞いたら、9割近くが「良かった」と答えています。視座が上がった、やりがいが増えた、発言権が増して仕事がしやすくなったなど、自分の成長につながっています。
キャリアアップは人生における自己実現なのです。ぜひチャレンジして人生を豊かにしていってください。